カタルシス
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今夜はスプリングベル。仕事も特になかったので早々に渋谷入りし、彼らの出演時刻までプラプラ街を散策しながら、取り敢えず会場のegg-siteを目指す方向で移動をしていたが、PARCOの交差点辺りでふいに思い出したことがあり立ち止まった。
最近面白がって見ているWeb上のTシャツブランドがあるのだが、確かこの辺に商品を委託販売している店舗があった気がする。時間はまだあったし、同行の友人に承諾を得た上でウロ覚えの記憶を辿り、そこいらにあるハズのショップを探すことになった。
ハンズの向かいの小路地を奥に進み、雑貨や衣類の店が小さく隣立する中を二人でキョロキョロ。 「何てお店?」 「…うーんとね、確かね… うう、ごめん店名覚えてない。」 大まかな位置は記憶していたものの、ショップの名前を覚えていなかった。 何とも具合の悪いところである。 「何か爆発した感じの名前。バーン!とかドカーンとか…」 「…何だよそれ、わっかんねーよ。」 へぇ、おっしゃる通りで。(´`;)・。
ひとしきり廻ってそれらしき店が見つからなかったので、諦めて引き返して来る途中、袋小路に続く角があった。 見るからに怪しげな雰囲気だったので、初めは足を向けなかったのだが 探していた店が見つからなかったために仕方なく恐る恐るながら、奥へ踏み入れることにした。
通り一本入らなければいけないために、人通りがほとんどなく 建物の陰に街明かりが遮られているので、ちょっと不気味な感じ。暗がりの中に浮かび上がる電光看板が黄味がかったレトロな色を放っていて、時折 ジジっとでも言いた気に 小刻みな震えを見せる。 ここ、本当に渋谷?(^^;) 何か雰囲気違わないかい?
華やかな大通りから小道に入り、更にその脇から伸びる袋小路への道。 そんな裏界隈にまで小さなショップが軒を構えているのだから、さすがは渋谷 と感心するべきなのだろう。
それにしてもこんなところ、一人だったら絶対に入らない。昼間ならまた違った様相を呈するのだろうが 今は夜だ。つくづく同行者のありがたみを感じながら、とっとと退散しようと思っていた。 一応ダメ元で奥を一望する。と、
「あ。」 あったのだ。看板を見て店名を思い出す。『BRAIN BUSTER』。 「爆発した感じ」ね… まま、そんなに遠くはなかったということで。 古びたアパートメント風の建物の1階と2階にそれぞれショップが入っていて、目当ての店は階上に構えていた。 これまた一人では絶対には入らなかったであろう雰囲気で、建物脇に取り付けられた金属製の簡素な階段を 恐る恐る上り、中をのぞくとアマチュアデザイナー系の衣類や装飾品が並んでいた。 ストリートっぽいのやら ハードコア風、テクノチック、サイバー系も少し混ざっていたかな? 何だか何でもありのチャンポンなセレクション。 レジには男性店員が一人厳つい表情でテレビを見ていた。 ニット帽をかぶった感じからしてボーズ頭かスキンヘッド。 うわぁ、何だか恐いなぁ… と尻込んでいると、後ろから友人に先を急かされた。仕方ない、目的の物があるかどうかだけでも 確認しなくては来た意味がないからな。
意を決して店内に入ると、目当てのブランドはすぐに見つかった。 しかし、ブランドは確かにあったが 欲しかった図柄が置いておらず、無念を噛みしめる。 それならば長居は無用とばかりに退散しようをきびすを返したその前にレジの店員の姿。べ、別にとって食われる訳でもないのに こういう時って何で萎縮すんだろうね。 すると厳つい男性店員は何やら手元をゴソっとやってから小さなビラを差し出し、 「定期発行のチラシなんですけど、良かったら見て下さい。」 と、ちょっとテレたような笑顔を見せた。
…なんだよ、良い人そうじゃん。
ビラを受け取ると「どうも」と会釈をして出口に向かう。何となく気になって振り返ったら、店員さんと目が合って、笑顔でお辞儀をされた。 「ありがとうございます」
いや、何も買ってないし 更には根拠もなくアンタを恐い者扱いで見ていた私に礼を言われる資格はないワ!っとばかりに 心の中で「ごめん」を連発する。 人を見かけで判断してはいけません。 学習。
この辺りはアマチュアブランドを扱っている店が結構あって、独特の商品が見れるのが面白い。 私が今回探していたのはTシャツオンリーの『悪意1000%』というブランドで、世の中を嘲ったようなコピーをあしらったり、ブランドやメーカーのパクりロゴをデザインしていたりして、その阿呆さ加減に個人的にウケている。(や、敬意を込めて言ってます) 基本はネットでの通販なのだが、送料とか支払いとか色々面倒なんで 委託販売している店を見てからでも良いなと思った訳。
そんな ひとりドラマを経て、ライブ会場へ向かった。 対バンに今度のイベントでご一緒するISSUEさんがいたので、彼らも見ていこう と思いながら着座。 スプリングベルの番になって前の一角を埋め始めたお客さんがいて、おお、ファンは増えているのね〜。と感心しながら 自分もステージが見える位置まで移動する。 前方のお客さんはスーさん側に皆かたまっていたので 我々は春山さんの真正面くらいに陣取ったのだが、何でここはスッキリ空いちゃってんの?(^^;)
ま、でも気持ちは解るし 個人的には前方に障害物がないのは万々歳だから良いんだけどね。 本人的にはどうなのかを想像すると ちょい気の毒だったかな? いやいや! その分一人一人のラブが超サイズですからノープロブレム!(笑)
で、そんな中で始まったライブはというと これが非常に○ いや、◎。 良い意味ではっちゃけていたね〜 ガヅンと来ました。何かが。 しきりに「俺達は負けない!」って言っていたけれど、今夜は確かにあなたがたの勝利でしょう。 テンション違って面白かった♪
アーティストやミュージシャンのたまごが 詰まった街。 いつか孵って 飛んでいけ〜☆
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