地方の旧家にまつわる、祖母・母・娘の物語です。 このミス2位作品ですが、2/3くらいまで、どこがミステリーなの?と思いながら読んでました。 最後の最後で、謎解きが出てくるんですが、あっけないです。
時代の流れ、社会の変化、地方の閉塞感などを描いた、大河小説としての印象の方が強いです。世界観に圧倒されました。 時代時代の女性の生き様が、読み応え有ります。
万葉は、千里眼で予言できるのなら、それを防ぐことはできないのかなぁと思いました。泪(人の名前)のこととか。 赤朽葉家の子供は、変な名前ばかりなのですが(鞄、孤独、毛毬)、現代だったら、もっと凄い名前が普通にありそうですね。
豊寿さんが結構切ないですね。自分の持っている鉄鋼職人の技術が、時代とともに不要になって、居場所を失うという、父親と同じ運命をたどるなんて。 作中の「あいあん天使!」ってマンガは、ホットロードがモデルなのかなと思いました。
そうえいば、桜庭一樹さんもライトノベル出身なのですね。この作品も、重さと軽さのバランスが不思議な感じ。先日の有川浩さんといい、ライトノベル出身の作家さんは、読みやすいのに、発想が独特な気がします。
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