「座布団」(剛しいら)を読みました。 落語家の世界がいきいきと描かれていて、凄く面白かったです。 脱サラして落語家を目指す若者が主人公。それまで全く縁のなかった世界に飛び込み、下積みの苦労を経て、頭角を現していく様子は、自分のことのようにスカッとしました。 スポンサーとの酒宴で、下品な芸をして、師匠に怒られるシーンはホロリときました。「お前には才能があるんだから、身体を張って笑いを取る必要はないんだ」って。追わず、師匠! 一生ついてきます!という気持ちに。 師匠が、実に魅力的で謎めいてます。40過ぎなのに、モテモテ。次々と男を乗り換えては、芸の肥やしにしていくという。オヤジ受に開眼しそうだ。師匠の話も読みたい!と思ったのですが、続編「花扇」も、絶版の上に、ネット古書店では高値。京都府内の図書館にも入ってないようです。 さりげない着物の描写が素敵でした。師匠は良い着物を沢山持ってそうだなぁ。
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