「秘密」(木原音瀬)を読みました。 微妙。途中まではハラハラしてサイコサスペンス調で良いのですが。表紙がダークで怖いです。帯も「中は絶対に見ちゃ駄目だ」って。ホラーかこれは。 DV彼氏を殺して、死体を冷凍庫に入れた主人公が、行きずりの相手の部屋に転がり込むが、残してきた死体のことが気になって…という話。 居候の相手が、DV元彼とは全然違って凄く優しい人で、幸せを感じれば感じるほど、人を殺したという事実が重くのしかかる…という部分の逼迫感はとても良かったのですが、オチが、実は主人公の妄想で、殺してなかったっていう。なんだそりゃ! そこまで精神に異常を来しているのに、続編では普通に日常生活を送っているし。おかしい…。妄想にしても、そう思いこむに至った経歴とか、元彼は主人公が居なくなって不審に思わなかったのかとか、謎がいっぱい。 充も、冷凍庫を捨てるのを手伝ったとき、軽くて変だと思わなかったのかな? あと、充の設定も、識字障害で、知能は普通なのに読み書きができないってことなんですが、知能が普通の割には、感情が幼すぎる気がする。 あとちょっとで凄く面白くなりそうなところを、ことごとく滑ってるという印象でした(すみません)。啓太が、続編でずいぶんと性格変わってる気がする(小説家目指してたのに公務員になってたり、分裂症気味の嫌な奴だったのに、続編では甲斐甲斐しい良い人になってる)。充がつたない言葉で必死に啓太に告白するとことか、部分的は好きなんですけど。弟視点の続編が、凄い中途半端に終わってて、え? オチは? と思いました。
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