2005年08月03日(水) |
今更ですが【山月記】中島 敦 |
けっこう高校時代の教科書に載っている作品というのは面白い物が多かったような気がします。 で、一番記憶に残っているのが、遠藤周作の【沈黙】とこの【山月記】です。 たまたま読み返すことがあったので、今日は【山月記】をば。
うーん、高校時代に読んだときの感動がよみがえってきますねぇ〜。 不思議なことに、もう先生の名前すら忘れてしまったというのに、この部分の授業の内容は妙に覚えていたりする。 なぜ、主人公が虎になっちゃうのか? なんて話を、大まじめに説明されたような。 「こんなのだから虎になるのだ!」という嘆きが何ともいえず、心に響きます。 実際問題、そんなことでは人間虎にはなりませんが、実に納得できる気がしました。 美文と言われても、漢文が苦手の私には、この文章を味わうほどの頭はありません。 でも、この作品に流れるテーマのような物は、ぽんと腑に落ちるというか、じわりと感じるんですよね。 そうそう【切磋琢磨】という言葉を覚えたのも、この作品を読んだ時です。(^ー^) たぶん、私は虎になっちゃうタイプかもしれないので、この作品は特に響きました。
同じ本の中に【狐憑】という同作者の作品がありまして、それを読んでもぞわっとしました。 たまたまでしょうが、どちらも聞かせる、書くという違いはあれど【物書き/語り部】という作品を生みだすという共通点があります。 その行く末が悲惨なことったら。これって受け入れられない天才の悲哀を感じるんですけれど。 (^0^; うーん。
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