アニー・プルー著 / 米塚 真治訳
集英社 (2006.2)
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話題になった映画の原作。
すんなりと感想。
夢見る腐女子には薦めない。
腐女子諸君!仮想二次元のトキメキを3次元に移行するのは無理だ!
騒動してください。
うら若き青年がいちゃつく姿を…。
え?許容範囲?うん、私も。
そんじゃぁ、ちょっと中年太り気味なおじさんがいちゃつく姿を…。
…どうですか?
ハッキリ言って、腐女子の夢も希望も萌えすらも、何もかもがこの作品には存在しない。
あるのは、ひたすら現実味を帯びた、アメリカでの同性愛者の日常。
感情という感情表現はどこへやら。
日本のBLにおける模範的表現っつうものが皆無。
相手に対するトキメキの表現とかあるじゃない、なんつうかさ!
「寝袋で一緒に寝てたらムラムラしてきてやっちゃいました」
…そんな…素っ気ない感じなんですよ…。
「…本当にいいのか?」
「うん、君となら…」
見つめ合う二人…静まりかえる山の中で、聞こえるのはお互いの鼓動だけだった。
…みたいな描写が無いんですよ!(どんなだ!!)
間を読ませるっつうか、腐女子の無駄な妄想をかき立てる描写がないっつうか!
後書き見て分かったけど、それがこの作家さんのウリらしい。
ふ〜ん、なんだ、私はもっとこう、ポエミィなもんだと思ってた(だからナニソレ)
私のアホな推量が外れた訳ですが、普通に読めた。
萌えを求めた私がアホだったよ。
そうだよ。萌えなら普通に二次元萌えでやってろよ。
途中で自分の間違いに気づいたのが幸運だった。
萌えを求めるんではないんですよ、恋愛小説として読むな、自分、と。
大体、腐敗しまくりの思考回路の私が期待外れ!と憤慨するのはおかしい。
だって、この作品、きちんとしてるんだもの。
終始、描かれてる事は一貫してる。
2人を取り巻く現実ですよ。
いつもいつでも甘ーい関係でいられるわけがない。
それが現実ですよ。
大の大人の男が2人でいちゃいちゃしてたら、反対主義者になぶり殺されるような現実。
腐女子が描いている妄想はそれこそ幻想でしかないんですよね。
そんな初歩的な事に気づいたよ。
昨今のBLブームに現実という名の鉄槌を喰らわせるよ、これは。
実際3次元でいちゃついてるカップルは、愛ある空間で安らげてる時間より、
針のむしろのやうな周りの仕打ちに耐え忍んでる時間の方が長いんだろうな。
BLは、乙女の胸の内にしか描けない世界だな、と思った。
原作と映画は別物だと訳者さんが言っていた。
次は映画だ、映画。
映像化された具合が気になる。
独映画「夏の突風」を越えるか??
えー、かねてから吠えてますけど、「夏の突風」は3次元萌えです。
あの作品のDVD見たいが為に、いつかそのうち独逸行ってやる。
あれはね、芸術作品なのだよ。まじで。
→夏の突風、熱い感想。
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