異世界ファンタジー二つ目。 「飛婉蛾」さんの『都の姫君と北の騎士』です。 この作品は自分で見つけたわけではなく、かなりの小説読みである友人から教えてもらったものです。 もともと異世界ファンタジーからは疎遠になっていたんで、始めは読むのを躊躇していました。 でもねぇ。 ちょうど『アフロ姫〜』を読んだ後だったんで、「姫」という単語には過敏になっていました。 『アフロ姫〜』で新境地開拓。姫様最高。 というわけで、ワガママ姫が主人公のこの作品、読みました。 内容は正統派ファンタジー。隣国と領地争いが続いている国の王宮の話です。 ワガママなトルマイヤ姫と、その姫に仕えることになった北の騎士シュタール。 その二人の王宮での日々が描かれています。 このトルマイヤ姫がかわいいんですよ〜。 溺愛されて育った姫はワガママでお転婆です。 初登場では木登りしてますしね。 ワガママなんだけど、兄であるハイカル三世の恋愛の手助けをしたりするんです。 がんばって背伸びしていても、やっぱり子供だから素直に感情を出しちゃうし。 シュタールがいないと不機嫌になってしまいます。 偉そうな姫的口調がとてもステキ。 姫の騎士シュタールもよく出来た人間でして。 かっこいいわ、強いわ、ワガママを聞いてくれるわ。 主君を立て、自分は一歩後ろに下がるという騎士の鏡でもあるかのような性格。 姫に言わせれば趣味もいいらしいです。 最初は、姫のワガママに付き合っているだけなのかと思っていれば、彼も姫のことを気に入っているようです。 他の登場人物もいい味出してます。 ってか、兄が。 超兄バカな兄が。ハイカル三世が。 正直言って、この人が国を治めて大丈夫なの? と心配になってしまいます。 そこそこにボリュームがあるので、人によってはつらいかも…… もっとも、ファンタジーが好きな方ならあまり苦痛ではないかと。 続編もいくつかありまして、他はハイカル三世の恋愛話がバックボーンになっています。 いずれも面白いので、気になったら一読することをおすすめします。
|