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『都の姫君と北の騎士』(飛婉蛾)
2002年03月16日(土)

 異世界ファンタジー二つ目。
 「飛婉蛾」さんの『都の姫君と北の騎士』です。

 この作品は自分で見つけたわけではなく、かなりの小説読みである友人から教えてもらったものです。
 もともと異世界ファンタジーからは疎遠になっていたんで、始めは読むのを躊躇していました。
 でもねぇ。
 ちょうど『アフロ姫〜』を読んだ後だったんで、「姫」という単語には過敏になっていました。
 『アフロ姫〜』で新境地開拓。姫様最高。

 というわけで、ワガママ姫が主人公のこの作品、読みました。
 内容は正統派ファンタジー。隣国と領地争いが続いている国の王宮の話です。
 ワガママなトルマイヤ姫と、その姫に仕えることになった北の騎士シュタール。
 その二人の王宮での日々が描かれています。
 このトルマイヤ姫がかわいいんですよ〜。
 溺愛されて育った姫はワガママでお転婆です。
 初登場では木登りしてますしね。
 ワガママなんだけど、兄であるハイカル三世の恋愛の手助けをしたりするんです。
 がんばって背伸びしていても、やっぱり子供だから素直に感情を出しちゃうし。
 シュタールがいないと不機嫌になってしまいます。
 偉そうな姫的口調がとてもステキ。

 姫の騎士シュタールもよく出来た人間でして。
 かっこいいわ、強いわ、ワガママを聞いてくれるわ。
 主君を立て、自分は一歩後ろに下がるという騎士の鏡でもあるかのような性格。
 姫に言わせれば趣味もいいらしいです。
 最初は、姫のワガママに付き合っているだけなのかと思っていれば、彼も姫のことを気に入っているようです。
 
 他の登場人物もいい味出してます。
 ってか、兄が。
 超兄バカな兄が。ハイカル三世が。
 正直言って、この人が国を治めて大丈夫なの? と心配になってしまいます。
 
 そこそこにボリュームがあるので、人によってはつらいかも……
 もっとも、ファンタジーが好きな方ならあまり苦痛ではないかと。
 続編もいくつかありまして、他はハイカル三世の恋愛話がバックボーンになっています。
 いずれも面白いので、気になったら一読することをおすすめします。



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