鶴は千年、生活下手

2011年05月01日(日) 風薫る

我が家で黄金週間なのは、夫だけである。
4/29から5/8までずっと休みである。
わたしは、週3回透析に行かねばならないし、もぐちゃんも2日
と6日は学校である。
連休三日目の夫は、もぐちゃんを寝かせる時間からパチンコに行
くのも三日目だ。

5月は、わたしの生まれ故郷では春のお祭りのシーズンである。
田植えが終わって、「さなぶり」という、餅をついて祝う行事も
ある5月。
10月の「刈り上げ餅」(稲刈り終了のお祝いの餅)をついてい
る朝に生まれたわたしは、もちろん餅が食べられれば満足なわけ
で、「さなぶり」と春の祭りは楽しみだった。
お祭りでは、かならず「どんどん焼き」を食べた。
楕円形のお好み焼きを割り箸に巻いて、ソースをつけたものだ。
お好み焼きといっても、具が入っているのではなく、楕円形に広
げた生地の上に海苔と薄い魚肉ソーセージと紅ショウガが乗って
いるだけのものだが、これがソースと合わさるとすこぶるうまい。
親戚の子の分と何本もビニール袋に入れてもらって持ち帰った。
今でもあの味は忘れられず、もう一度食べたいものの一つである。

風薫る5月というが、5月最初の日の天気はなんと気まぐれだっ
たことか。
強風、突然の雨、降ったと思ったら小降りになる。
そして、また大粒の雨。
天気が回復すれば、あのお祭りの日のようなさわやかな天気にな
ってくれるだろう。
もう帰る家をなくして30年以上だが、楽しかった思い出だけは
いつでも生まれ故郷に引き戻してくれる。
それは、幸せな農家だった頃の記憶がほとんどだ。
だから、それは季節とともに畑や田んぼとともに思い出される。

そんな生まれ故郷の風景が一瞬で激変してしまったら、どんな思
いなのだろうかと、津波で流された被災地の映像を見るたびに、
そう思う。

 遠くから思い出だけをたずさえてしたう我が身に故郷はやさし(市屋千鶴)


 < 過去  INDEX  未来 >


市屋千鶴 [MAIL]