新宿に着いて時計をみたら、もう14時20分だった。 会場までは、新宿駅から徒歩13分とある。 大江戸線に乗ろうか、都営新宿線に乗ろうかと数分間考えたが、 乗り換えに歩く時間を考えたら、都営新宿線のC7出口まで歩い た方が早い気がした。 地上を歩くよりも、地下道を歩いた方が涼しいし。 しかし、根っからの短気のためか、歩く速さはなぜか最速だった。 銀行員をしていた頃の速さだった。
ああ、久しぶりに新宿の人込みをすり抜けるように歩く快感。 これが渋谷とかではそうはいかないのだ。 新宿だからできるのだ、わたしは。 新宿は歩きやすいと勝手に思っている。 本当は慣れているだけ。
C7出口から地上に出ると、やはり蒸し暑かった。 そこからもさらに6分ほど歩いたので、会場に着いた時にはもう 汗だくだった。 電車の中などの冷房の効いている場所ではちょうど良かった服も、 街の中をずんずんと歩くには少し厚着だったということか。
開演、15時。 最初の挨拶で、「マラソン・リーディングは実はマラソン・ヒヤ リングでして、これから5時間〜〜略〜」という言葉を聞いた時、 これは最後までは入られないなと思った。 4時間くらいかと思っていた。 それなら、もぐちゃんが眠る前に帰宅することができると。 終了予定が20時では、それから帰宅したら22時近くになって しまう。 どこで切り上げるか、それが問題だった。 第1部を終わった時点で、16時40分。 第2部に入ると、どこで切り上げたらいいのかわからなくなって しまいそうで、いっそのことこれで返ってしまおうと思った。 本当は、最後まで聞きたいのだけれど。
とりあえず、もう一つの目的、東先生の『愛を想う』のサイン本 を直接受け取ることは達成したので良しとする。 第1部で帰ってしまうことを東先生と紺野卓海さんに伝えて挨拶 し、会場を後にした。 驚くほどあっさりと。
来年からは、もう行かないことにしようと思った。 切り上げた後に朗読されるであろう人の声や作品に、思いを残し たくないから。
それに、わたしは、この手の朗読は感情の過剰摂取になってしま うようになったらしい。 一昨年、最初に聞きに行った時は平気だった、どころか面白いと 思って聞けたものが、今回はそうではなくなっていた。 たとえば、文字で見てさえ感情のたくさんこもった恋の歌を、声 に感情を思いっきり込めて語られると、もういっぱいいっぱいな 感じになってしまう。 受け取る側のわたしがいっぱいいっぱいになのだろう。 余裕が無いというか。 感情のこもった歌を、さらりと朗読された方が心地よく思えた。
と、 途中までしか聞いていないわりには、言いたいことを言ってしま うのだった。
声にして言いたいことは何ですか?自分の胸にきいてみる午後(市屋千鶴)
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