先月と同じ8人のぷらむの日。 お題は「円」。
円陣を組む若者よ明日から日常に戻る覚悟はいいか(市屋千鶴) 念を込めた視線は君を素通りし円を描いて自分を焦す(市屋千鶴) 忘れてた母性を引っ張り出した朝 あめのちくもり家庭円満(市屋千鶴)
一首目。 夏の甲子園。東北高校が負けた日に作った歌。 夏の夢、青春の夢から覚めた後には、高校生という日常が待って いるのだなぁと、漠然と思ったのだった。
二首目。 説明など無用の歌だと思っている。 念を込めれば込めるほど、君は知らんぷりをし、わたしの視線は 君を素通りしてしまうのだ。 そして、念を込めれば込めるほど、その反動は自分を焦す。
三首目。 「朝」と「あめのちくもり」という時間の流れの違いを指摘され たのだが、下の句はおまじないのような感じにしたかったのだと 説明した。 やはり、かぎかっこをつければ良かったのだなぁ。 忘れてた母性を引っ張り出した朝「あめのちくもり家庭円満」(市屋千鶴)
今回のお気に入りの歌。 ふらここの揺れてるような風蓮湖名を知るのみの湖(うみ)に風立つ(布施直生)
青りんご青きがゆえに風の子の又三郎がさわさわゆする(布施直生)
ひどく暗い夏の踊り場見上げれば眩しい窓に雲の満ち来る(鹿野亮)
公園の塩辛とんぼ白日い煉瓦の熱を吸い込んでいる(川口孝子)
道のべの睡蓮の鉢しまわれて円き痕が風にこたえり(田島素美)
きゃんきゃんと軽めの祖父を飲み込んでゆく骨壺の蓋の円さよ(恩田麻美子)
布施さんの歌には、いつも新鮮な驚きを覚える。 人生は、こうやって経て行くものだと教えられるような気がする。 風蓮湖。名前しか知らない湖を思ってこんな歌が詠めるのだなぁ。
鹿野さんの歌は、表現がおもしろいといつも思う。 外が明るければ明るいほど暗い踊り場。 眩しい夏の日差しとの対比。 詠みたいことがよく見える。 ああ、こう思って詠んだんだろうなとわかるのがうれしい。
川口さんの歌は、日常がきちんと歌に反映されている。 この歌も日常の一場面を見事に切り取っていた。
田島さんの歌にも、いつも新しい発見がある。 今回の歌は、鉢植えの置いてあったその痕に注目したところがいい。 縁の下の力持ちが日の目を見る時。
恩田さんの歌には、若い頃の感覚を呼び覚まされる。 いつも歌を読みながら、歌の中で繰り広げられる世界を楽しんでいる。 他の二首は、そうやって歌の世界を楽しめた。 今回引用した歌は、「骨壺の蓋の円さよ」だけでもう・・・・
来月は、吟行。 またしても、午後から歌会のみの参加の予定。そして、お茶当番。 当日、歌会が始まるまでに三首作るつもりでいる。
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