実際に目にしたものを詠む時には、なにがしかの説得力があるもの なのだと痛感した本日。
今日はぷらむの吟行の日だった。 わたしは、午後の互選会から参加した。 午後から参加するものは、歌を三首用意して行く。 わたしは、行きの電車のなかで三首作った。 しかしながら、南大沢の公民館に行く直前に目にしたものが印象的 だったために、一首をその場で詠んですり変えた。 その結果、次の三首を提出。
どこから来てどこへ行くのかわからないものの集いてハルガスミをはく (市屋千鶴) うすごろもいちまいはおるここちしてかすんだ春の空ふりあおぐ (市屋千鶴) 春風にめんとむかって行く人のひるがえるスソたくましきアシ (市屋千鶴)
三首目がすり変えた歌。 公民館が入っている建物の前は、いつもビル風のように風が強い。 そのビル風のような春風にむかって、ガシガシと歩いている女性。 ひらひらしたスカートに、かっちりとした紺のジャケットを羽織り、 リュックを背負ったその女性の、風に向かう姿が印象的だった。 それを歌にしたら、こうなった。 五人の方に選んでいただいた。 「めんとむかって」がいいとか、下の句のテンポがいいとか、肉体 と物とをカタカナで同格に扱っているのが面白いとか言われた。 うれしかった。
一首目は、「はく」が「吐く」なのか「履く」なのか「掃く」なの かわからないのがいけなかった。 きちんと「吐く」にしておけば良かったなぁ。 それでも、三人の方に選んでいただいた。 「ハルガスミ」にしたのは、その場で漢字に自信がなかったからと、 もののけっぽさを出したかったから。 「ハルガスミ」のなかに「ガス」という言葉が入っているのがわか って面白いと東先生に言われた。 なるほどと、言われて気が付いたのだが。(笑)
二首目は、「ここちして」がどうもいまいちだと思っていたのだが、 点数は入らなかった。 しかしながら、松尾さんに「はかなくて強い」という言葉をいただ き、ちょっと意外な喜び。 だって、わたしと「はかない」は普段はなかなか結びつかなさそう だったから。
なんにせよ、無記名の互選会は、半年に一度のお楽しみなのだが、 こうしてみると、それぞれの好みがわかって面白い。
どこから来てどこへ行くのかわからないものの集いてハルガスミ吐く (市屋千鶴)
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