鶴は千年、生活下手

2004年02月25日(水) 特別なこと

一昨日だったか、テレビで自宅分娩専門の助産師さんの話題が取
り上げられていて、自分の出産のことを思い出した。

陣痛は、よく畳の目も見えないくらい痛いとか言われていたりす
るが、痛みに強いわたしにとっては破水するまでの陣痛はそれほ
どでもないように思えた。破水してからが本番とも言えるが。
胆石発作を薬なしで我慢してしまったほどの人間であることと、
深呼吸が上手かったことで、痛みを逃がすのが上手かったようだ。
担当の助産師さんからも、痛みを逃がすのが上手いと言われた。

それまで、計画分娩で麻酔分娩という予定になっていたのだから、
自然分娩ということに少しは不安が有った。
しかしながら、気張ってみると案外楽なもので、力むことができ
るって楽だなぁと思った次第。
それに、分娩台というものは非常に力みやすく作られているのだ
なぁとも思った。
足をかけるところや握り棒があって、踏んばりやすいのだ。
これが自宅で自由な姿勢でと言われたら、うまく踏んばれるだろ
うかとも思った。
出産前にちゃんと足腰を鍛えておかないと、踏んばりがきかない
ような気がした。

出産の際に、痛いときや辛いときは深呼吸という習慣が付いてし
まったのか(34時間以上も深呼吸しっぱなしだったし)、毎日
の暮らしでもちょっと痛いところが有ると深呼吸したりする。
出産の時の深呼吸は、吐くことに重点をおくので、フーッと音を
だして息を吐くのだが、それを日常にやるとちょっと笑える。

計画分娩・麻酔分娩を推奨している病院でも、場合によっては自
然分娩になるわけで、その際にはやはり助産師さんの存在がとて
も大きいのである。
会陰切開と縫合という医師の仕事もあるわけだが、陣痛から出産
までのほとんどが助産師さんによって行われるのだから、ほんと
に助産師さんには感謝感謝である。

出産で同室になった経産婦の方は、9年前に担当してくれた助産
師さんを覚えていたが、「きっともう忘れちゃったよね。」と、
少しだけ寂しそうに語った。
看護婦さんとか助産師さんとか(医師はもちろんだが)、命の始
まりと終わりとに深く関わりのある仕事をしている人達は、おそ
らくそれが日常になっているのだろうが、患者にとってはその時
が一生の中で特別な思い出になるのだ。
わたしのとっても、助産師さんのことは一生忘れられない人にな
るだろうが、それも病院のスタッフにとっては、日常の中の一つ
なのである。

そういった意味合いでは、自宅分娩専門の助産師さんは、ずっと
覚えていてくれる気がする。

人は、特別な体験をしたときのことは、誰かと分かち合いたいも
のなのだ。

 わたしには特別なことのいくつかをまとめて君の脳内に入れる(市屋千鶴)


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市屋千鶴 [MAIL]