鶴は千年、生活下手

2003年02月19日(水) 味方を救え

夫のやっているゲーム「ANUBIS」。
主人公が乗っているオービタルフレームが、昨夜新しいデバイス
プログラムを入手した。
要するに新しい機能が備わったってことなのだが、これがなんと
ロックした相手の背後に瞬時に移動できると言う優れものだ。
その名も「ゼロシフト」。

知らないうちにいろんなデバイスプログラムを入手していた夫の
オービタルフレームは、桃太郎侍のように、敵の無人ロボットを
薙ぎ払って進む。

そのゼロシフトを入手したのは、オービタルフレームではなくて
やや古い型式のロボットに乗っている40人の人々と、目的地ま
で行くという作戦を成功させた後だった。
40体のロボットを助けながら目的地まで移動するなんて、実際
のことであればそんなこと不可能である。
あちらこちらからSOSが発信され、その度に夫の機はそちらに
向かってダッシュする。まだゼロシフトがないからね。(^^;

しかしながら、自分の身も守らねばならないし、味方のロボット
は敵にたいしてあまりにも無力だった。
半数近くの19体を失って、なんとか目的地についた。
きっとやり直せば、もっと多くの味方を救えたのかもしれないが、
それは2回目に遊ぶ時にするらしい。
とにかく、先に進まねば未来が開けない。
ゼロシフトを入手した夫の機は、敵の本拠地に向かって桃太郎侍
のごとく、突き進んでいく。

そんな夫を端で見ているだけのわたしだが、それでも、SOSを
出しながらも悲鳴を上げている味方の声が聞こえてくるたびに、
そっちそっちと言わずにいられなかった。

誰かを守りながら戦うことは、大変なことだ。
守りながらというのは、一人で戦うよりずっと力が必要だ。
守るために戦うのとは違う。
守るために一人立ち上がるのは、かえって容易いのかもしれない。
自分はどうなっても、守るべきものを守りさえすればいいと思う
のと、守るものも自分もこの場を切り抜けなければならないのと
では、戦い方だって違うだろう。

失うものを持たない人は強いというが、それは捨て身の強さとい
うことで、想像が付く。
守るべき人を守りながら己自身も守っている人は、とてつもなく
強いのではないか。

 手のひらに何を守って生まれくるものか小さな桃太郎たち(市屋千鶴)


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市屋千鶴 [MAIL]