MrsMの観劇日記
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2005年03月04日(金) 「オペラ座の怪人」

期待度 ★★★★★  満足度 ★★★★★

 念願の「オペラ座の怪人」をやっと見ることができました。
 期待しすぎて、思いっきり外されたらどうしよう? と不安にさえ思っていましたが、そんな心配は無用でした。アンドリュー・ロイド=ウェバーは映画になってもアンドリュー・ロイド=ウェバーでした♪ あの音楽、本当にすばらしいです。
 オープニングでは鳥肌がたちましたもの。ああ、これだよ、これ。
 が、映画館の音響のせいでしょうか、最初の方の音がうすっぺらくて(涙)。高音と低音の間の厚みがまるでなく、ぺらぺらな音。しかも、低音が割れていたような気もするんだけど……とても悲しかった、、、途中からは耳も慣れたのか、そこまで気にはなりませんでしたけど。

 映像も「これぞ、オペラ座の怪人!」というイメージ通りの映像でした。そうそう、こういう映画を待っていたのよ。アンドリュー・ロイド=ウェバー本人も関わっているだけあって、舞台版のイメージのまま、さらに映画ならではのゴージャズさで仕上げてくださいました。わたしは嬉しい。
 地下の秘密部屋はちょっと豪華さに欠けたような気がしないでもないんだけど、、、もうちょっと、ろうそくを増やしてくれてもよかった?

 そして配役の方々。
 歌唱力は心配していませんでした。歌えないのに「オペラ座の怪人」の出演するほどあつかましい人もいないでしょ。実際、感動するほどお上手ではなかったけれど、蹴りを入れたくなるほどでもなく、合格点というあたり?(偉そうな奴 ^^;
 気になっていたのはその声です。かなーり、好みの問題なんですよね。

 まずはファントム。
 なによりも危惧していたのは、山口祐一郎以外のファントムの声をわたしが受け入れることができるか、どうか。
 結構平気でした。いや、映画にはこのぐらい世俗的(?)な声の方はあっているのかも。
 わたしが愛してやまない山口さんやホセ・カレーラスのような空気をたっぷりと含んだ芳醇なお声では、あの映像の中では浮いてしまっていたかもしれません(万が一、吹き替えをしてくれた日には、まるっきり別のことを言い出す可能性が大)。
 仮面の下のお顔が今ひとつ醜くなかったのもちょっと残念。

 お次はクリスティーヌ。うーん、ちょっとわたしの好みのクリス声からは外れるかなぁ。もっと透明感のあるソプラノがいいんですよね。容姿も「夢見る少女のような」というイメージとはちょっとずれているような。でも、見ているうちにそんなものだと思えてくるから映像の力ってすごい。
 が、歌うときの口の開け方が少なくて「あなた、本当に歌ってる??」と気になってしかたがなかったわ。
 ミュージカル映画の撮影方法ってよく知らないけれど、演技とは別に歌は取るんですよね、きっと。微妙にあってないところが非常に気になりました(細かいっ。
 カルロッタの方が断然うまくないか? というのは言わぬが仏ってやつだな(^^;
 そういえば「第三幕のマリア」の衣装、「シシィだっ!」と思ったのはわたしだけではないはず。髪型といい、ドレスといい、あれは絶対にエリザベートだわ。

 ラウルはけっこうイメージ通り。
 登場人物の中でじつは一番好きなメグ。彼女がもうイメージ通りの容姿&声でとても嬉しかった〜。
 そうそう、メグの声ってCD版でもかわいい声の人が担当しているの。クリスの声よりもメグの声の方がわたし好みです。
 
 ストーリーの方は舞台版に忠実ながら、とてもわかりやすくなっています。
 舞台を最初に見たときには「結局、あなたたちはなにがしたいの??」って思うところもなきもあらず、でして(笑)。三重奏、四重奏ともなると、一度じゃ個々の声は聞き取れないし。字幕さまさまです。劇中劇もわかりやすくて、しかも豪華絢爛。
「マダム・ジリーはどうして、ファントムのことに詳しいの?」「どうして、縄なの? どうして首を守るの?」と謎だったこともファントムの過去シーンでわかり、大納得です。

 それに、シャンデリア! そう、落ちるのはやはりここよね! 
 舞台版では「どうしてこんなところで?」と思うほど中途半端なところで落ちたので、拍子抜けしていたのです。落とすなら、クライマックスでしょ。

 やたらと気が変わることで有名なクリスティーヌさんですが、映画ではそれなりにその心境もわかりました。
 ファントムかラウルか、ではなく、恋愛か芸術かの板挟みだったのね。
 初恋の延長の恋愛で幸せになるか、芸術の高見を極めて地獄へ堕ちるか。
 もっとつきつめてしまえば、これって、仕事か家庭か、だよな(こう言ってしまうと夢もロマンもないけれど ^^;
 墓標に捧げられた言葉は「よき妻」であり「よき母親」ではあるけれど「類い希な歌手」ではない。
 クリスティーヌはファントムとともに歌を捨てたんだね、くすん。
 よき妻もよき母親も、家族とそしてなにより自分自身を幸せにすることができるけれど、類い希なる歌手なら何千何万という人を幸せにすることができるのに。アンドリュー・ロイド=ウェバーが8000万人(ポスターによる 笑)の人を幸せにしたように……自分とその周りの人は不幸にするかもしれないけどさ、、、
 ファントムと一緒に地獄に堕ちてでも、音楽を極めて欲しかった(他人事ですね? 笑
 いや、クリスがラウルを選んだからこそ、ファントムの切なさや苦しさが引き立つのだろうな(映画のファントムは舞台版以上に危ない人だから、逃げたくなる気持ちもわかるんだけど

 正直なところ、いろんな穴もすべて音楽でごまかされたような気がしないでもないのだけど(笑)、あの音楽をゴージャスな映像付きで聞けただけでわたしは大満足です。


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