白日の独白
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2004年02月14日(土) 車内トリガー。

全ての座席が調度埋る位の人数。
平日であれば帰宅客で一番込むであろう21時も休日は穏やかだ。

シルバーシートに3〜4歳位の男の子とその両親が座っていた。
男の子が脚をぶつけたのか「痛いよ」と火が点いたように泣き始めた。
両親が慰めても中々泣き止まず、ちょっと『嫌な』雰囲気が車内に漂っていた。
と、黒のダウンジャケットを着た男が突如その親子の前で立ち止まり、2秒程注視すると元居た座席に戻っていった。
その後の母の眼が忘れられない。

驚いたような
奇異なものを見たような
子供を守る為に相手を監視せねばというような
憤りを感じているような
敵対心を抱いているというような

数分前まで泣いていたなんて嘘のように、笑っている子供としりとりをしている父と恐ろしい眼をした母。
この違いは一体何だろう。

子供の泣き声と笑い声で騒然とした車内では、その後携帯電話の着信音が当たり前のように鳴り響いていた。


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