「隙 間」

2003年04月18日(金)

「改札を抜けて、階段をのぼる」
終電間際の地下鉄を降りる。人の流れに呑まれながら、改札を抜ける。
「前をゆく人のかかとをみて」
ヒールの音、紳士靴の音、靴音に負けじと、その音の元をにらみながら後に続く。
「顔を上げれば、見知らぬ背中が緩やかに続いてる」
圧迫感からか、顔を上げる。何をいきんでたんだろう。自分もまた、前に続く背中達のひとつじゃないか、何に負けまいとしていたのか。

神田川にかかる橋を渡る。ふと、橋の中程で足を止める。
川面に写る灯かりが、ゆらゆらとにじむ。
幾つもの月のように街を照らしていた。


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