夢見る汗牛充棟
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2008年10月20日(月) だぶるお  #28アレルヤ奪還作戦 その1

0.
地球連邦軍 反政府勢力収監施設

取調室 マリナ・イスマイールの取調中。

取調官「あなたは四年前に起ったアザディスタンの内紛でCBのメンバーと接触していますね」
マリナ「その時のことは、四年前にもお話したはずです」
取調官「当時と今とでは状況が違う。新たなガンダムが出現した今、あなたは再び最重要人物となったのです。アザディスタン王国第一王女マリナ・イスマイール」

==OP==

独立治安維持部隊のえらい人か、連邦政府のえらい人が執務室で通信会談しとる。(リボンズと)
男「連邦保安局を独立治安維持部隊の直轄組織にすることが議会で決定した。四千万規模の軍隊、その創設を可能にしたのはひとえにヴェーダの情報統制があればこそだ。」
リボンズSO「お役に立てて光栄です。連邦政府はどんな些細な抵抗にも屈服してはなりません。来るべき対話の為にも」
対話って、どこの誰との? なんだろ宇宙から誰か来るのかな?
「あなたがたの能力に期待する」

リボンズ「もちろんです。僕たちはそのために、生まれてきたのだから」
目が金。ニヤリな笑み。

◇リボンズさんち
対談終了。リボンズ椅子から立ち上がる。場所はわからないけど、いつもいるお屋敷の一室なんだろか?
太い柱、緑の分厚い幕、緑の丸い飾りみたいなの。(←光源のよう)
中央に椅子。紅くて円い絨毯。

リボンズ「ぼくはイオリア・シュヘンベルグの計画を忠実に実行している。それは人にはできない。できるのはぼくたちイノベイターだけさ」

リボンズいつもの広間に戻ってくる。階段の上のテラスからリジェネ。
リジェネ「アザディスタンの姫君、今まで放置していたくせにどういった心境の変化なんだい?」
リボンズ「ふふ……わかっているくせに」
リジェネ「彼らはやってくるかな」
リボンズ「もちろん来るさ。……あそこには、ガンダムマイスターもいるのだから」

◇反政府勢力収監施設

拘束アレルヤ。対するソマたん。どれい。黒服。
上から照明が照らす。
ソマたん「起きろ! 被検体E57」
アレルヤ「う……う」顔を上げる。
どれい「この男ですか。四年間この収監所に収監されているガンダムのパイロットというのは」
アレルヤがソマたんみて驚愕する。
なにか言おうとして呻く。口塞がれてるのでしゃべれません。
ソマたん合図。男が拘束器具を外しに行く。
ソマたん(私の脳量子波の干渉を受けていない。報告には頭部に受けた傷が原因とあったが……)
アレルヤ「マリー……ようやく出会えた。やっぱり生きていたんだね。マリー」
ソマたん「マリー」
アレルヤ「ぼくだよ。ホームでずっと君と話していたアレルヤだ」
ソマたん「私はマリーなどという名前ではない!」
アレルヤ「いや、君はマリーなんだ」

◇ラグランジュ1 資源衛星群 プトレマイオス

プトレマイオス潜伏中。
・格納庫にて。

ティエリア「モビルスーツの戦闘経験は」
らいるろく「あるわけないだろう。作業用のワークローダーに乗ったぐらいだ」
ティエリア「まったくの素人を連れてきたのか。刹那め」
らいるろく「だからさぁ。やることいっぱいあるだろう? よろしく頼むよ、可愛い教官殿」
らいるろく、左手を差し出しながら。
ティエリア「茶化さないで欲しい」

二人がなにか言い合いしている。その様子を一人モニターで観察しているフェルト。
フェルト「ライル・ディランディ……」

・ブリッジ
ミレイナとイアン。ラッセが入ってくる。
ラッセ「ミレイナ、アリオスとケルヴィムの○○○は?」
ミレイナ「終わっているですぅ」
ラッセ「スメラギさんは、何してる?」
イアン「部屋に閉じこもったままだ。CBに戻ったわけじゃないと言い張ってなぁ」
ベッドに寝転がりお酒片手に写真(第一期メンバー勢ぞろい)を眺めているスメラギさん。
部屋中に空き缶が浮遊している。
ビリーとのことは本当にただの緊急避難だったのか。不憫だなぁ……

・沙慈の部屋
刹那「たしかに記録にある通りスローネとおれ達は別の立場で武力介入を行っていた」
沙慈「仲間じゃないと」はっとして刹那に向き直る。
刹那「ああ」
沙慈、黙して目を伏せる。視線の先に浮遊するルイスにあげたかったリング。
沙慈「それでも、君たちも同じようにガンダムで人を殺し僕と同じ境遇の人を作ったんだ。君たちは憎まれて当たり前のことをしたんだ」
刹那「わかっている」
沙慈(感情が高ぶる)「世界は平和だったのに……。当たり前の日々が続くはずだったのに……。そんな僕の平和を壊したのは君たちだ!」
刹那「自分だけ平和なら、それでいいのか」
沙慈(はっとする)「そうじゃない。……でも、誰だって不幸になりたくないさ」手のひらでリング握り締める。

◇独立治安維持部隊。収監施設の待機室みたいな所?
荒熊さんとソマたん、通信中。映像も解しているけど熊さん何処にいるんだろう。直立不動っぽく見えるのですが。

荒熊さん「中尉、アロウズへの転属後何か変わったことはあったかね」
ソマたん「特には何も。通常より訓練の量が多い程度で……」
荒熊さん「そうか」
ソマたん「大佐、超人機関関係の資料の中にマリーという名はありませんでしたか」
荒熊さん「マリー、……。いや、知らんな。押収した資料すべてに目は通したはずだが」
ソマたん「そうですか」

ノックの音。

ソマたん「任務がありますので失礼します」
荒熊さん「ああ」


ソマたん「入れ」
兵士「中尉、本隊が到着しました」
ソマたん、窓の外を確認。艦船、視認。
ソマたん立ち上がって歩き出す。「よし、連絡があり次第全員配置に付かせろ」

◇艦船(本隊)

指揮官はカティさん。
カティさん「ミッションプランに従い警備体制を敷く。――先行隊であるピーリス中尉へ連絡を」
兵士「はっ」
カティさん(ハネツキのパイロット、あそこに収監されていたのか。上層部に引き渡した後何の情報も下りてこなかったが……。アロウズはこれを知っていた)厳しい表情。

◇偵察機?
パイロットはネーナ「Lv2にあった情報どおりマイスターの生存を確認。アロウズも集まってます。いかがなさいますか? お嬢様」
王留美と交信中。背後に当然紅龍。
王留美「対応はこちらでします。戻って結構よ」
ネーナ「らじゃ」

偵察機帰還する。

◇収監施設 独房

アレルヤ(マリー、なぜ名前を変えて。それにあの言動。やっぱり違う人格を)

◇プトレマイオス
フェルト「王留美からの暗号通信です。人革領、反政府勢力収監施設で……アレルヤ・ハプティズムを発見!」
ミレイナ「知ってるですぅ。その人、マイスターさんですぅ」
ラッセ「そうか、連邦に捕まっていたのか。道理で行方がわからないわけだぜ」立ち上がる。
ラッセ「フェルト、全員集めてくれ。ブリーフィングだ」

ティエとロクは相変わらず格納庫にいたらしい。
ティエリア「なに! アレルヤが見つかった」
らいるろく「アレルヤぁ、誰だ? そいつは」
ハロ「オナカマ オナカマ」耳ぱたぱた。

刹那、通路。沙慈の部屋から移動中。
「アレルヤが」

◇アロウズ 基地? 施設がわからん。

ルイス「中佐! 何故ガンダムの捜索を中止したのですか?」
中佐 「その必要がなくなったからだ」
ルイス「なくなった……」
中佐 「司令部がCBに餌をまいたらしい。地上部隊には悪いが相手の戦力を調べるいい機会だということだ」

中佐行っちゃう。でもいちいち説明してくれていい人だな。この人。

◇プトレマイオス。ブリーフィングルーム。全員集合。

スメラギさん入ってくる。「アレルヤが見つかったって本当なの?」
ラッセ「ああ、王留美からの確定情報だ」
イアン「これから救出作戦をはじめる」
スメラギ「救出って……どうやって」
刹那「あんたに考えてほしい」
スメラギ「え」
刹那「スメラギ・李・ノリエガ、おれたちに戦術予報をくれ」
スメラギ「そんな……」
ティエリア「彼が戻れば、ガンダム4機での作戦行動が可能になります」
らいるろく「それでも心もとないが」とティエ発言に茶々をいれる。
ティエに睨まれて「おおっと」
ラッセ「手を貸してくれ、アレルヤを助けるために」
困惑するスメラギ。
フェルト「スメラギさん、これを」(CBの制服を差し出す)
スメラギ、怯えたような表情。
スメラギ「やめてよ、そうやって期待、押し付けないで。あたしの予報なんて、何も変えることはできない。みんなを危険に曝すだけよ」スメラギ、部屋を出て行こうとする。
刹那「後悔はしない。たとえミッションに失敗しようともあんたのせいなんかにはしない。おれ達はどんなことをしてでもアレルヤを、仲間を、助けたいんだ」
メンバー全員の真剣な表情が順番に映し出される。

思いは一つだぜ的な演出だけど、一人だけ役割が微妙なライルロクはその場の雰囲気読んで真剣な表情を作りつつ、カタロンの仲間への報告書を真剣に脳内作成してるといいと思います

刹那「頼む! おれたちに戦術をくれ」

決断を迫られるスメラギ。「フェルト、後で現状の戦力と状況のデータを教えてくれる?」
フェルト「スメラギさん」

スメラギ、退室。

プトレマイオス、動き出す。
フェルト「王留美から詳細データーが届きました。……すごい、収監されている人の名前や、場所まで」
フェルト、データの中にマリナ・イスマイールの名前を見つける「この人……」

スメラギ、戦術予報立案中。「この空母の粒子ビームを押さえられれば……」
ライルのデータを見て「それにしても、ライル・ディランディのこの能力値の高さ。一体どういうこと?」

ライルロク、出撃前。通路をティエの後に続いて進んでいる。
ライルロク「ついに実戦だな」
ティエリア「君に出番があるとは思えないが」
ライルロク「はっ。そいつは気が楽だ」

独房の沙慈ハロに「艦内が騒がしいようだけど、何をしようとしているの?」
ハロ「ナカマキュウシュツ ナカマキュウシュツ」
沙慈「仲間?」
ハロ「サクセンカイシ サクセンカイシ」
沙慈「……また、戦いを」

出撃準備。
ミレイナ「セラヴィ、専用バズーカ装備ですぅ」
イアン刹那に「ツインドライブ、起動したはいいが安定には程遠い。トランザムは使用するなよ」
刹那「了解」
フェルト「スメラギさんからミッションプランが届きました」
ラッセ「……おいおい、何だよこのプランは」嬉しそう。
ミレイナ「大胆ですぅ」

ティエリアコクピット内。「僅か300秒の電撃作戦。ふっ、それでこそ、スメラギ・李・ノリエガ」
スメラギさんは一仕事終えて一杯やってます。
ライルロク「あれぇ? おれにも役割あんのかよぉ……けどそっちの方が好都合だ」前半はふざけた調子で、後半は潜めた真剣な声。
ハロ「ナンノコト ナンノコト?」
ライルロク「こっちのことだよ」にっこり。
ハロをぽんと叩いて「サポート頼むぜぇ。ハロさんよ」

ミレイナ「プトレマイオス、大気圏突入シークエンスに移行するですぅ」
フェルト「ダブルオー、セラヴィ、ケルヴィム出撃準備。0043をもってミッションを開始します。アリオスは射出体勢のまま待機です」
ティエリア「刹那」
刹那「どうした?」
ティエリア「王留美から報告があったアレルヤが収監されている場所に、こんな名前が」
画面がデータに切り替え。マリナ・イスマイールの事を教えてあげるティエリアさん。
刹那「マリナが?」驚き。
刹那「マリナ・イスマイールがアレルヤと同じ施設にいる」

フェルト「GNフィールド最大展開。大気圏突入を開始します」

(Aパート終わり)


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