★悠悠自適な日記☆
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私がバイトをしているファミレスには、タチバナさんというトレーナーがいます。その辺の俳優に劣らない男前で同志社ボーイ。卒業も大企業への就職も決まっていて、彼女も美人!仕事はできるし冗談も言える、おおよそ欠点というものが見つからないサワヤカスーパー好青年です。
私の教育係の社員さんが転勤になった今、私はほとんどの仕事をタチバナさんから教わることになります。夜のファミレスは人員不足。10ヶ月前に私が入ってから一人も新人が入りません。そしてそんなタチバナさんがお店にいるのも来年まで。私に後を任せられるように、熱心に指導してくださいます。
タチバナさんは、怒らない。 タチバナさんは、責めない。 タチバナさんは、考える余地を与えてくれる。
私がタチバナさんを好きな理由は、私好みの男前顔というよりもむしろココにあります。
私がミスをしても何も言わずにカバーをしてくれるし、私が気づかないところで(気づいているのだけれども)私が動きやすいように計算して動いてくれているのがわかります。きっと私の仕事内容には怒りたくなるところもたくさんあるでしょう。だけどタチバナさんは、決して私に不機嫌な顔を見せることなく、まず私に「何故そういう判断をしたのか?」と私なりの解釈を聞き入れてくれて、それが間違っていれば後で「なぜ、こうしなければならないのか?」という説明を丁寧にしてくださいます。私に考える余地と、私が間違っていた理由を明確にしてくれるのです。
相手を怒らなくても、責めなくても、その「理由」を明確にしてやれば、よっぽど鈍い子でない限り自分の過ちや犯した事態の深刻さが伝わります。ただでさえラッシュ時は皆ピリピリ。そんな中で冷静に、相手を動揺させることなく成長に導くことができるタチバナさんを、私はいつも尊敬の眼差しで見ています。
怒る、責める、叱って誰かに何かをさせることはきっと誰にもできるのでしょう。でも、私はタチバナさんのように「導ける人」になりたいと思います。指導者って、導く人と書くし、きっと、そういう人がふさわしいのだと思います。
仕事は自分で覚えていくもので、手取り足取り教えるのではなくて、背中をポンっと押してやるとか、ちょっと手を引っ張ってやるとか、そういうきっかけ作りをしてやれることが本人の成長に一番繋がるのだと思います。
困っている時に助けてあげられる優しさ、そして人の成長を導ける仕事、タチバナさんを見ていると、私もそんな風になりたいと、ちょっとやる気が出るのです。
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