★悠悠自適な日記☆
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2003年11月07日(金) |
たこ焼き屋のおっちゃん |
毎週木曜日になると、私の家の近所にたこ焼き屋の屋台がやってきます。外はカリカリ中はトロトロ。このおいしさがたまらなくて、私も時々買いに急ぎます。
たこ焼き屋のおっちゃんは子供達の人気者。学校帰りに通りかかる子供達は皆おっちゃんに声をかけていきます。たこ焼きの香ばしい匂いに駈られて立ち止まる子もしばしば。そんな子供達のために、おやつ感覚で買えるように子供用たこ焼きが3つ100円で用意されています。「家に帰ってからまた来るわ!」その声は、昔ポケットに30円だけ偲ばせて駄菓子屋に走ったあの頃の自分とオーバーラップします。私が子供の頃とは違って、今は下校時間以外は街がとてもひっそりとしているので、こういう声が聞けるのはとても懐かしく思えるのです。
子供達だけでなく、おっちゃんは私にも色んなことを話してくれます。この前はたこ焼きとの相性の話。そのたこ焼きと相性が良ければ、来た時にすぐ食べられるけども、相性が悪ければ、何度そこに足を運んでもまだ焼けていなかったり売切れてしまったりするのだそう。そういうのがあるらしいのです。
そして今日お話して下さったのが、幼稚園に通う子供とその親について。おっちゃんは以前とある幼稚園のスクールバスの運転手をしていたらしく、現在おっちゃんに手を振りながら帰って行く小学生の中には自分が過去に送り迎えしていた子供達がたくさんいるのだそうです。
おっちゃんは言います。長年子供の送り迎えをしていると、子供の顔と、送り迎えに来る親の様子を見ているだけで、その子供がどんな風に育っていくのかがわかるのだ…と。いじめっ子に育つか、はたまたいじめられっ子に育つか、おっちゃんは全てお見通しなのです。
現在、おっちゃんはたこ焼きを焼きつつ、選挙前になると選挙関係のお手伝いをして、更に夜には飲み屋のお仕事をして生活を繋いでいるのだそうです。そして夜中は執筆作業!なんと、バスの運転手をしながら見てきた親と子供についてを本にして出版するのだそうです。(本のタイトルは忘れちゃった。)
今日は随分長い間たこ焼きが焼けるのを待っていた気がします。しかし彼の、物静かで落ち着いた話には深みがあり、時が過ぎるのを忘れさせてくれます。
今日もたこ焼きを焼きながら、おっちゃんは何を見ているのでしょうか。たこ焼き職人でありながら、人を見る達人でもある。そんなおっちゃんにちょっぴり憧れたりもします。
しかし、今日会話の途中でおっちゃんが自分のことを数回「おばちゃん」と呼んでいたのがとても気になります。もしかして、私がずっとおっちゃんと思っていた人は実はおばちゃんなのでしょうか!?「い〜!?」(←内場勝則風)
色んな意味で、もっと話を聞いてみたい人であります。
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