Leonna's Anahori Journal
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今月12日から今日までの10日間、馬鹿みたいに働いた。 連日朝は遅くても九時から、夜も九時、十時まで、会議、研修、ミーティングのオーガナイズ(といえば聞こえはいいが、雑用を含む何もかも)に忙殺された。特に19、20日の二日間は外に会場を借りて70人位の人が集まった。朝は6時起きだったが、緊張感で、寝過ごすことすらできず。
日本人はよく働くひとが多いから、そういう人たちから見たらこんなのは当たり前で、大したことじゃあないのかもしれない。でも私にしてみれば、まるで私らしくもない!という感じ。 -- とにかく今日の午後3時でいったん怒濤の日々は終わり、気分転換に日比谷へ映画を観に出かけた。「パリ ジュテーム」という、オムニバス映画。 パリを舞台に18人の監督が各々5分間の持ち時間で短編を撮るという、パリへ行きたしと思えどもお金も暇もない、私のためにあるような映画。
出演者が結構豪華で、ざっと覚えている限りでもスティーブ・ブシェミ、マリアンヌ・フェイスフル、ジェラール・ドパルデュー、ファニー・アルダン、ジーナ・ローランズ、ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォー、ナタリー・ポートマン、イライジャ・ウッド、と、名優、売れっ子、目白押し。
ただし私が好きだった短編は地味で、有名な人はひとりも出てこない。 ひとつは「16区から遠く離れて」という、移民系の若いベビーシッターの静かな静かな物語。 もうひとつは「エッフェル塔」というシルヴァン・ショメ(長編アニメ『ベルヴィル・ランデヴー』の監督)の作品。これは実写版アニメみたいな可愛らしい短編で、私は腹を抱えて笑ってしまった。
結局、どんなに有名な役者でも、パリという町と四つに組んだら負けるのだ。主役は“パリ”で、こいつは手ごわい。でも、はなから競争する気のない「無名」の演技者には、パリは快くその懐を開いてみせてくれたのだった。 -- ここ二週間ほどの間の、購入本。 「おとなの小論文教室」 山田ズーニー(河出書房新社) 「真夏の航海」 T・カポーティ(ランダムハウス講談社) 「かわいい女・犬を連れた奥さん」 チェーホフ(新潮文庫) 「ふつうがえらい」 佐野洋子(新潮文庫)
「おとなの小論文教室」は、ほぼ日の連載コラムでおなじみのズーニー先生の本。日常生活における表現とコミュニケーションに関する本です。時と場合によっては、ひどく沁みるのでございます。
「真夏の航海」はカポーティ“幻の処女作”だそうで。しかし、この作品は彼の死後かなりたってから発見されたもので、もしかしたら作者本人は公にしたくなかった(出来映えという点で)かもしれない小説。訳は安西水丸さん。
あとの二冊は、新潮文庫です(説明になってなーい)。 このところまた、新潮文庫カバー隅のマーク(Yonda? CLUBの応募券)がたまり始めている。こんどもらうとしたら、文豪リストウォッチなんかどうかな?と思う。
だけど。川端、太宰、漱石の中から誰を選ぶのかで悩む。というよりも、選べないよ、どれもあんまり欲しくなーい。 どうして龍之介のがないんだろうな。彼のがあったら、即決で応募するんだけれど。
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