Leonna's Anahori Journal
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2006年05月24日(水) |
ブロークン・フラワーズ |
午後。浅草橋へ出かける。日傘をさして出たのに、浅草橋へ着いた頃から雷が鳴って、大粒の雨が降り始めた。 夕方。予定よりも早く用事が済んだので、日比谷へ移動してジャームッシュの「ブロークン・フラワーズ」を観ることにする。雨はいよいよ激しく、日傘でしのぐも、風が強くて腰から下はずぶ濡れに。 -- 「ブロークン・フラワーズ」、観ている間中、ロバート・アルトマンとタランティーノのことをしきりに思い出していた。普通で変なアメリカ人たちが出てくる映画だからだろうか。
しかしこの映画、少なくとも三十代以上のひとでなければ、本当の面白さはわからないのではないだろうか。たとえばもし私が二十代後半だったとしたら、ちょっと???という感じだったと思う。 中年を過ぎて家族を持たないものの孤独や、後悔。昔ぴちぴちだった恋人に二十年以上の時を経て再会した時の、ムニャムニャムニャ(笑)。そのあたりの細かなニュアンス。あ、あと、若い頃のシャロン・ストーンがどんなにきれいだったか、往時の彼女を知るがゆえの感慨、等々。 個人的には、この映画のお目当てはジェシカ・ラング、ティルダ・スウィントン、シャロン・ストーン、ジュリー・デルピー等、豪華出演女優陣(をジャームッシュがどのように料理しているのか)だったのだが。
まず、ジェシカ・ラングの貫録に完全降伏。ウレシカッタ!(あの秘書の女の子とは、ありゃ完全にデキてますな)。それからティルダ・スウィントンの、英国の英国人による英語の発音に完全にヤラレテしまった。あんなナリして、あの言葉遣い。堪りません。 しかし。「パーマネントバケーション」や「ストレンジャーザンパラダイス」で、あの(あの!)ヒリヒリする青春を描いてみせたジャームッシュが、いまや、こんな中年映画つくっているんですよ。なんだか初めて、ジャームッシュは同級生、みたいな、そんな気持ちになりました。 -- 最後に。この映画観たら、私、オンナでよかったなぁと、つっくづくそう思いましたよ。だって、四十も半ばを過ぎた頃になって「実はあなたとの間に出来た子供が今年、十九になりました。」なんて手紙が来たら、そらもう、えらいこってすもん。
女性だけが子供を産む性である限り、この手のショックからは免れるわけでしょう。男が子供を産むとか、協議して男女いずれかが子供を産むとか、そういう世の中じゃなくて、ほんと、エガッタ。エガッタなぁ!!
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