Leonna's Anahori Journal
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朝。
ドアに鍵をかけてから、いつもの習慣でポストを開けてみたら白い封筒が入っていた。習慣だから開けるのだけれど、その時間に郵便物が入っていることは、まず、ないのに。しかも、エアメール。
差出人を見たら、ロンドンのMさんからだった。クリスマスカードかと思って開けてみると、美しい花の絵のついた、お悔やみのカードだった。
胸にぶわぁ〜っとあふれてくるものがあり、と同時に、顔も身体もピシーッと引き締まった。こういうとき、アリガトウと言う(書く)のが普通というか、あたりまえなのだろう。
しかし、今朝のあの気持ちは言葉に出来ない。出来ない気持ちをどう書けばいいのだ。とにかく、一瞬、ダメ人間が真人間になったような(真人間にならなきゃダメだ!という)気がした。
-- 昼。 最近みつけた近くのコーヒーショップでサンドイッチを食べる。新しいビルの二階にあって、お昼時にはテイクアウトの人が並ぶが、カフェは意外に空いている。30足らずの席数にも拘らず、12時過ぎに行っても座れるという穴場だ。
基本的に、ひとりで来店する客にあわせて椅子とテーブルが配置されているので無駄がないのだが、天井は高く開放的で、椅子もソファも座り心地がいい。静かな空間に、あたたかくて、でも洗練された雰囲気のジャズが流れている。大声で話す人はまずいない。仕事で疲れたひとが、ちゃんと独りになれる空間。
今日この店で、サンドイッチを食べ終えてから今朝のカードを取り出して、そこに描かれた花の絵をまじまじと眺めた。でも、中に書かれた英語のメッセージは一度しか読めなかった。またしても涙がぶわぁ〜と溢れそうになったからだ。
-- Mさんの他にも、何人かの友人が気遣ってメールを送ってくれた。
全員、父がよく知っている人たちだ。なぜなら、この人たちのことは、会うたび、話すたびに、そのことを父に伝えていたからだ。 日曜日に父の家へ行くと、話題はいつもお互いの身辺のことで、私は友だちが訪ねて来てくれるたびに、誰が来てくれたか、一緒に何を食べたかを父に話したし、外国から本やめずらしいお土産を送ってもらえば、そのことも伝えていた。
別に意識して逐一報告していたわけではないのだけれど、結局、うれしいことやめずらしい話、驚いたことを話せば彼女たちとの交流を話すことになる。
父は、私が高校時代からの友人や、遠い国に住む素敵な女性たちと仲良くお付き合いさせてもらっていることを知って、とてもうれしそうだった。いつもニコニコしながら黙って、私が(機関銃のように)喋るのを聞いていた。 -- 父は感謝していたと思います。娘の女友達に。つまり、あなたたちに。 もう少し落ち着いたら、またお会いしましょう。あたたかくして、楽しいクリスマス、良いお年をお迎えください。
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