Leonna's Anahori Journal
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2003年12月28日(日) 忘年会 その2

連ちゃんで忘年会。夜、クルミ嬢と銀座で。

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連れて行かれた居酒屋がまたしても全席個室。しかも内装、水のつかい方など、昨日の居酒屋ととてもよく似ている。クルミ嬢にそう話すと、同じ系列だからと教えられた。ふーん。しかし、店の一部分だけでなく全部をチャージなしの個室にしてしまうことを考えついたここの経営者はなかなかの切れ者なんじゃないのか。いまの若い人たちにはこういうの、うけるに決まっている。

という訳で、たった二人でも個室なのである。例によって長い長い廊下を通り、ほの暗い部屋へと案内される。廊下からの出入り口には黒い簾。「なんか、いやらしくっていいっすねー」とクルミ嬢。こうなると連想することはひとつだ。横座りになって右手の指先をそろえて反らす。反らせた手の、甲の側を口元にあてて変な目つきで互いを見やる彼女と私。源氏物語(の、つもり)。

ああ、子供の頃、大人はもっと立派なことを考えているものだと思っていた。自分もそういう落ち着きのある立派な大人になれるものだと信じていた。それなのに…

(しかしまたガキンチョの時分には、年末に忙しい時間の合間を縫ってでも飲んで喋って一年分の憂さを晴らしたいという“オトナのきもち”などこれっぽっちも知らなかったわけで。それなりに成長したわけですよ私だって)

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クルミ嬢は冷酒をいただくというので、断酒中の私は熱燗でいくことにした(同系列だけに、ここにもカンパリはなかった)。熱燗なら量は飲めない。少しずつ注いで、舐めるようにゆっくりといただけばいいのだ。そのうちに熱燗がぬる燗になって、燗冷ましになるころにはお開きになるだろう。

ところで、メニューを開いてみて気づいたのだが、近頃は外で日本酒といえば冷酒、なのだろうか。冷やで飲む酒については日本各地の酒の名前がずらりとならんでいるのに、燗をつけてもらおうと思うと“熱燗”としか書かれておらず、他に選択肢はない。“熱燗”て。そもそもこれ酒の名前ですらないではないか。(さびしいのね)
 
 
結局私たちは、四時間以上も個室にこもって飲み且つ食べ、語らった。今年はじめに初めて会った私たちなのに、もう二年も三年もまえから年末にはこうして一緒に飲んでいるような気がする。
クルミ嬢が今年を総括するにあたり「ま、私にとっては松尾スズキに翻弄され続けた一年でしたね」と一言で言い切ったのが、大変わかりやすく、印象的だった。
食べ物のなかでは汲み上げ湯葉というのが、特に美味しかった。(また食べたい)

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本日、待ち合わせ場所は有楽町三省堂。そこで購入した本。

 「蛇を踏む」 川上弘美(文春文庫)
 「定義集」 アラン(岩波文庫)
 
 
 


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