Leonna's Anahori Journal
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2003年11月18日(火) |
ミステリアスなあたしの脳味噌 |
いま、馬場啓一という人の書いた『白洲次郎の生き方』という本を読んでいるのだけれど、そのなかに“好きなクルマに乗ること”という章がある。
白洲次郎という人はまだ国産の自動車というものがなかった時代、実に旧制中学の生徒だった十七才のときからアメリカ製のクルマを乗り回していたというカーキチなのだが、その彼がイギリスのケンブリッジへ留学してロビン・ビングという知己を得る。
生涯の友となったこのロビン・ビングという男は七世ストラトフォード伯爵といって貴族の息子なのだが、白洲が彼を伴って自分のベントレーでヨーロッパ中を旅して回った、という部分を読んで、あるレーサーのことがムズムズと私の記憶の底の方でうごめいた。
彼は80年代の中盤からF1や耐久レースに出場したレーサーで、たしかスコットランド貴族の息子だった。“自宅”はでっかいお城で、その中に作ったトレーニングルームで顔をまっ赤にしてバーベルを持ち上げている映像をみたことがある。あと家の紋章や、キルトをはいた姿なども。
誰だっけ、ル・マンにもよく出てたんだけど。どうしても名前が出てこない。えーと、えーと、と考え続けること半日。喉元まで出かかっているんだけど、どうしても出てこなかったその名前が、なぜか会社からの帰宅途中、マンション入り口の坂まで来たときにポロリとこぼれ出た。
ジョニー・ダンフリース、だった。 最近、人の名前が思い出せない事が多い。そういうとき、私は絶対にあきらめないで執念深くきっかけを探す。思い出せないままというのは、どうにも気持ちがわるい。それに自前の脳味噌は、フリーズしたからって取り替えること能わず、なのだ。
そうすると大抵はその日のうちに思い出すことができるのだが、そういうときは自信を喪失せずにすんだ安堵感からか、人間の脳味噌ってミステリアスだなーなどと毎回馬鹿な感心をしてしまう。
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