Leonna's Anahori Journal
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ホンダのTVコマーシャルのBGMにデヴィッド・ボウイのLET'S DANCEが使われている。
冒頭の、あの印象的なギターリフは、飛行機事故で早世したブルースギタリスト、スティーヴィー・レイヴォーンによるものだ。
80年代の半ば、LET'S DANCE TOURで世界を回るとき、ボウイはレイヴォーンにツアーに同行してほしいというオファーを出したが断られてしまった。理由は「その日はもうどっかのライヴハウスで弾くのが決まっているから」。
それで日本公演にはレイヴォーンの代わりに、エイドリアン・ブリューという、テクはあるけれども私にとってはなんとなく感情移入しにくいギタリストがやってきて弾いた。私は横浜スタジアムの真ん中あたりからそのステージを眺めていた。凝ったステージで有名なボウイだが、そのときは大きなヒラヒラしたクラゲみたいな形の飾り物が風に揺れていたのが平塚の七夕祭りみたいで印象的だった。
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私がこれまでみた海外ミュージシャンのコンサートのうち、もっとも素晴らしかったのが、レイヴォーンの初来日公演とキングクリムゾンのデシプリンツアー日本公演で、これらはいずれも80年代半ばの出来事だった。
このふたつの“強烈な経験”は私のライヴ体験における東西両横綱であって甲乙つけがたい。でもって、その当時キングクリムゾンで、ロバート・フリップのご下命によりギターを弾いていたが例の(バカテクだけど感情移入しにくい)エイドリアン・ブリュ−なのだった。
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そんなこんなで。くだんのホンダCFが流れるたびに80年代の私的記憶がよみがえってくるのだが。
回を重ねるうちに、レイヴォーンは死んじゃったけれど、エイドリアン・ブリューの方はいまどうしてるのかななんて(感情移入しにくいギタリストなのに)考えている自分を発見したりして、なんだか可笑しい。
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