Leonna's Anahori Journal
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2003年05月02日(金) カヒミ・カリィ ライヴ “COME FLY WITH ME”

SHIBUYA-AXにてカヒミ・カリィのライヴ。

表参道でくるみ嬢と待ち合わせて、渋谷へ。まずはチャーリーハウスにて腹ごしらえ。私がチャーリーさんのところでご飯を食べるのは実に二十年ぶりだ。

私たちが五時五分前に店の前へ着くとちょうどお店を開けるところで、店の人が出てきて入り口脇のランプにパチッと灯をつけ「どうぞ」と中へ入れてくれた。新宿の串揚げ屋さんに続いてここでも口開きのお客に。

外はまだ明るいし、初夏のような暑さ。さっそくラプチョン(中華の腸詰め)でビール中ビン(笑)。ラプチョンは初めてだというくるみ嬢に、辛みそをつけてスライスした長ネギと一緒に食べるのよんと教えてあげて、二人で「ウマー!ウマー!」と言いながら食べた。いんやもぅ、最高だったなー、ラプチョン!

で、最後はもちろん、チャーリーハウス特製のチャーシュートンミンで締める。驚いたことに二十年前とまったく変わらない味だった。またしても二人して、ウマー!

へたすればライヴを忘れて帰ってしまういそうに満腹&満足してしまった私たちは「でもカヒミのライヴのまえに腸詰めってどうなの?」とかなんとか話しながらAXへ移動。(さんざん食べて飲んだあとで、どうなの?もないもんだが)

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この日のカヒミ・カリィのステージはアルバム『トラペジスト』のかなり忠実な再現だった。特に印象的だったのは、めちゃうまミュージシャンによる強烈なフリージャズ(ハードバップ)。それと、三面スクリーンを使って映像をながす等の凝った演出。お金がかかっている。

ちなみに、パーカッションは仙波清彦。ジャズに疎い私でもこの人くらいはわかるという有名人。終盤にはものすごい量のシャボン玉が客席全体に降ってきて、あたり一面よい香りにつつまれるという演出も。

個人的に最高だったのは"SLEEP"の、歩き回りながらの朗読。逆にダメだったのは『ハバネラ』(歌劇カルメンの有名なアリア)。フィリッパ・ジョルダーノのひっどいハバネラを聴いて以来、毛色の変わったハバネラというのは、私の中でトラウマになっているのかもしれない。

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ライヴがはねたあとコーヒーを飲みながら話していたときのこと。
「あのー、カヒミって、すごく男っぽいひとなんじゃないですか?」とくるみ嬢。ムム、慧眼。実は私もアルバム『tilt』あたりから以降のカヒミには、とても男性的なものを感じ続けていたのだ。

つまらぬ流行には目もくれず、自分の表現世界に妥協ナシ。些末な現象より本質的なものを、臆することなく手づかみしようとする。しかも決してエモーショナルな方向に流されない。熱くなって自分を見失うということがない。

フェミニンな外見や声と、それを支えている男性的な内面の落差はとても魅力的。表現者であるカヒミ・カリィにとってこれは、大きな財産なのではないだろうか。
 
 


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