Leonna's Anahori Journal
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2002年11月26日(火) シェリーに口づけ


最近私の物忘れがひどくなったのは、何もせずにひとりで家にこもっていることと関係があるんじゃないかと思う。CDでもかけたら、少しはいいのかもしれない。音楽で脳細胞を刺激してやったら多少は違うのかも。
 
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それで、というわけでもないのだけれど、今日は朝からミシェル・ポルナレフのCDを聴いていた。一昨年、初めて日本でCD化された『シェリーに口づけ』のシングルCD。

シングルとはいえ、もちろん当時のドーナツ盤をそのままCDに焼いたわけではない。これは正確には、日本で編集した“昔のポルナレフ”4曲入りCDである。ベスト盤も持っているけれど、私はこの4曲入りがけっこう気に入っていてこちらの方をよくかける。収録曲は以下の通り。

 1.シェリーに口づけ TOUT,TOUT POUR MA CHERIE (1969)
 2.ロミオとジュリエットのように COMME JULIETTE ET ROMEO (1971)
 3.ラース家の舞踏会 LA BAL DES LAZE (1968)
 4.僕は男なんだよ JE SUIS UN HOMME (1971)
   
  
ポルナレフというのは私がまだ本当に子供で、ロックとかポップスとかいう言葉も知らなかった時代の記憶の一部である。『シェリーに口づけ』が日本の歌でないことくらいはわかっていたけれど、それが英語で歌われているのか、それともフランス語かとなると、恐らくわかっていなかったのではないか。それだけに私の『シェリー』に対する愛情は単純で強いものがある。

今朝は『ラース家の舞踏会』の高音部分、ポルナレフの声の若くて美しいことに、今さらのように気付いて驚いた。なんというか、とにかく繊細で瑞々しいのだ。三十年以上前の人間の声を耳元で美しく再現してしまうレコード(やCDその他)というのは、考えようによっては悪魔の発明なのではないかと思ったくらいだ。(だからといって何も泣くことはないと思うんだけど)

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音楽が健忘症に効くかどうか、詳しいことはよくわからない。しかしそれはそれとして、明日もまた悪魔の発明に耳を傾けてみようかななどと、何かを再発見した気になっている私がいるのです。
    
     



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