Leonna's Anahori Journal
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買い物に出かけた先で、大きめの書店に入った。なんとなく心がザワザワするので、もしやと思って文庫の棚をさがしたところ・・・
あった。ビンゴ!吉田(健一)本、ひとかたまりを発見!思わず鷲掴みにする。 『金沢/酒宴』『絵空ごと/百鬼の会』『東西文学論/日本の現代文学』『文学人生案内』。それとすでに入手済みの『時間』と『本当のような話』も見境無く一緒にひっ掴んでしまったので、この二冊は元へ戻した。(すべて講談社文芸文庫)
これらの本は絶版扱いで、書店に残っている分しか新本では買入手不可能。まさに一期一会の本たちなのだ。ついていた。 「きょう〜は良い〜日だ〜」と歌い出したいような気分で、もう二冊、別の本も買う。池澤夏樹の『むくどり通信 雄飛篇』とマルセル・デュシャンへのインタヴューをまとめた『デュシャンは語る』。
私は、徹頭徹尾、自分のスタイルを貫き通した芸術家が手前勝手なことばかりゴチャゴチャ言うのを聞く(読む)のが好きだ。そういう意味で、このデュシャンの本は面白そう。帰りに喫茶店でパラパラとめくっている間にもこんな発言を発見してうれしくなってしまった。
“家庭というのは、自分の本当の考えを放棄させて、それを家庭によって受け入れられるものと交換してしまうのです。社会やほかのがらくた一切とです”
ここでは何故私が結婚したかとか、なぜ今も結婚の状態にあるのかなどということはさておくとして。なんかこう、ええどぉ、ええどぉー、デュシャン!というかんじ(笑) たとえ都合の悪い真実でも、この言葉には真実だけがもたらすことの出来る或る種の爽快感がある。
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