Leonna's Anahori Journal
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2002年05月03日(金) |
吊り下げ式猫用給水器 |
きのうのジャーナルに『貧乏サヴァラン』のことを書いていて、面白いはなしを思い出した。 高橋睦郎『友達の作り方』の森茉莉の項によれば、その昔、高橋氏に気に入りの食パンを一山分けてあげたモリマリさん、翌日になって高橋氏に電話をかけてきて「昨日あげた食パン、帰って食べてみたらとびきり美味しかったので、貴方にあげたのが惜しくなっちゃった」というようなことを言ったらしい。そうして高橋氏がどう対応すべきか困っている間に電話は切れてしまったそうだ。
こういうのを読むと、さすが本家モリマリにはかなわん!と嘆息する。 贅沢貧乏を気取るのは簡単だけれど、この根性の入り方はさすがだ…
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ところで。今日は午後になって、小さなお客様があった。
わが家はマンションの一階なのだが、床面は地面(コンクリートの前庭)から1メートル50センチくらい高くなっている。昼過ぎ、ベランダに出て干した絨毯を叩いていたら、前庭の端をゆっくりと猫が横切っていくのが目に入った。あまり見たことのない白っぽい成猫で、ゆっくりというよりはヨタヨタと、腹をコンクリにすりつけるようにして進んでいく。急いで台所からカルカン(ドライフード)の箱をとってきて舌をチャッチャッチャッと鳴らし、「ニャーコ、ニャーコ」と呼んでみる。このカルカンの青箱は去年、近所を徘徊中のミーちゃんや横浜の父の家のそばにたむろしていた兄弟猫たちにやるつもりで買ったものだが、実際にはまだほんの一掴みほどしか使っていない。
私は手につかんだカルカンをパラパラッと落として白猫の気をひき、うちのベランダの真下まで引き寄せたところで、さらに撒いてやった(朝のチーズのときとは打って変わって気前良くやった)。そうしておいて、猫が食べている間に吊り下げ式の給水器を作る。これは、1.5メートル下にいる猫に飲み水をやるためのもので、お味噌の入っていたプラスチックのカップと針金とヒモで作った。カップに水を入れてスルスルと下へ下ろすと、しばらく遠巻きにしていたがやがてそばへやってきた。そうして、しばらく水のにおいを嗅いだりしていたのだが、とうとう一口も飲まずにお帰りあそばした。
白地にところどころ薄茶色のはいった猫は明らかに洋猫の血が混じっていて、眼はとてもきれいな水色をしていた。薄汚れて、野良猫ぶりもかなり板についていたけれど、こちらを見るときの眼を見ると、以前人間に飼われていたことは間違いなさそうだ。 マリーちゃんと勝手に命名して、吊り下げ式給水器はまたこの次のときのためにとっておくことにした。
これが吊り下げ式猫用給水器だ。これを下へおろして、ヒモをベランダの手摺に結んでおく。
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