愛犬楓が倒れた。 おそらく明日の晩を持つかどうか。 恐れていた別離の始まりか。
愛インコの死。 愛犬の死。 祖母の死。 父の死。 母の死。 姉の死。 そして、おいらの死。
おいらが死ぬとき、おいらの子どもたちは、おいらを見取ってくれるだろうか。 ゆずとおいら、どっちが先かわからないが、成長した子どもたちをみて、安心して逝きたい。
情けない親の元育てられたおいらたちの育てた子どもが、どこまで立派になるのか。 偉人になれというのではなく、人として最低限の痛みはわかっておけ。 そう教育していけるだろうか。 愛しい者がこの世を去るとき、泣ける人間になるだろうか。
群馬で感じていた、自分の手の届かないところでの死の始まりは避けられた。 後は、一つ一つを後悔しないようにこなしていくだけ。
瑠璃だけは看取れなかったのが、唯一の後悔だが。
|