今日、修理が終わって戻ってきたチェイサー。 修理に出している間も気持ちは揺れていた。 もう、出したほうがいいのじゃないか。 修理してもそれほどの期間乗れないんじゃないのか。
けど、帰ってきて乗ってみて、やっぱりこれしかない、と思った。 スピードを出したわけじゃない。 荒い運転をしたわけじゃない。 でも、ほんの少し走っただけで楽しかった。 車庫から出る姿を見て惚れ惚れした。 やっぱりこいつしかない。
おいらは、幼少の時分から、自分が本当にほしいものを買ってもらったことがなかった。 おもちゃにしろ、備品にしろ。 誕生日プレゼントにいたってはもってのほかだ。 おいらの要望はどこに。
いくつか自分のほしいものは買ったが、どこかに妥協が入った。 いつもどこかに不満を抱えていた。
三十年生きて、生まれて初めてすべて要望を満たしたものを買った。 それがあいつだった。 車への無知ゆえ、わけのわからないこともしてしまった。 その傷はボディに染み込んでいる。 けれど、それすらおいらを成長させてくれた証だった。
あと五年一緒にいられるかはわからない。 けど、それまで面倒見てくれな。
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