日々逍遙―この1冊、この1本、この1枚―
1冊の本、絵本、1本の映画、舞台、(ワインやお酒)、1枚の絵、CD。
散歩の途中に出会ったあれこれを…。

2002年02月26日(火) 三谷幸喜と井上陽水

朝日新聞夕刊に連載されている三谷幸喜の「ありふれた生活」を愛読しています。
これまでのものがまとまって単行本にもなったくらいですから、好評の連載なのでしょう。
映画「ラヂオの時間」以来、三谷ファンです。とは言っても「みんなのいえ」を見にいったくらいでその舞台はまだ見たことがないのですが…。
3週間前からこの「ありふれた生活」になんと、陽水さんが登場。
挿し絵の和田誠さんによる陽水+幸喜が目に飛び込んでくるだけで嬉しい。

内容は、三谷さんが次の舞台「You Are The Top」の曲を陽水さんに依頼した、事の顛末。
ミュージカル「オケピ!」のナンバーを作った時の経験をもとに作詞家と作曲家が一晩かけて曲をつくるお話、真の主役は作詞家の市村正親でも作曲家の加賀丈史でもなく彼らが作る曲そのものといってもいい、と思っている三谷さんはプロデューサーに井上陽水の名前を挙げるのです。
そして緊迫の会見。本題に入らないままの雑談。その内容が出色。可笑しかったです。新聞記事そのまんま全部引用したいくらい。
なんせ、依頼主なのに徹底して1ミーハー陽水ファンの姿勢の三谷幸喜VS仕事の依頼で会っているのに話が進展しないままお開きになってもどこふく風の陽水、この組み合わせだもの。
奇天烈な四方山話をして別れて1週間後に「仕事をひきうける」との連絡。
そして今日のこの話に入って3回目のNO96では、2人の共同作業(?)の様子が。
ここでも三谷幸喜はあれこれ気を遣い、気を廻し、彼のイメージでは「孤高の修行僧」である陽水さんに「ブロードウェーミュージカルのような底抜けに明るい曲」
が望ましいことを何とか遠回しに伝えるべく二十項目の要望リストなるものを渡すのです。
数週間後出来上がってきたものは、二十項目はほとんど無視、でも「耳に残り」「ブロードウェーの華やかさを持った」本当に望んでいたものだったそうです。
ただし、さすが「ただ者ではない」「計り知れない」陽水、三谷幸喜が詞をつけるにあたっては、過酷な条件が…。
この先は来週のお楽しみ。
切り抜いた3葉の「ありふれた生活」これは、永久保存版です。

「You Are The Top」も是非観たいものです。



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みねこ

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