2009年05月30日(土) |
クラブ選手権 東海予選 愛知FC戦 |
09年05月30日 (土) 13:00開始 磐田市安久路公園多目的広場 2009日本クラブユースサッカー選手権 (U-18) 大会 東海大会 対 愛知フットボールクラブ U-18 ※40分ハーフ 天候: 曇り後晴れ
[前半] 清水エスパルスユース −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−犬飼− 山崎教 −稲毛−− −−−−−−柴原−−田代−−−−−− −−石原−−−−−−−−−−成田−− −−−−−− 畑 −−鍋田−−−−−−
−−−−−−09−−10−−−−−− −−11−−−−−−−−−−07−− −−−−−−08−−14−−−−−− −−05−−06−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 愛知フットボールクラブ U-18
08分、CH田代からのサイドチェンジはLH成田に届かず、愛知のスローインとなる。しかし、すぐに奪い返した清水は成田がキープする間に左サイドへFW畑が回って追い越し、そこへ成田がスルーパス。縦に抜けた畑はPAの高さにまでサイドを持ち上がると、切り返して右足でライナー性のサイドチェンッジを送った。RH石原が速い弾道に飛び込み、軽く右足を合わせた折り返しにFW鍋田、PA内中央でエースがゴール天井に先制弾を突き刺す。1−0
37分、前に出てプレスを掛けたCH田代がボールを奪うと、前線のFW鍋田の足下にボールが繋げる。鍋田、反転から刹那ボールを晒すと、小さく切り返すと同時に相手の体重移動の逆方向に加速、瞬時にDFを置き去りに。独走からPA内左、飛び出したGKを左足アウトに掛けた切り返しで抜き去り、空のゴールへ左足で流し込んだ。2−0
愛知FC 清水エスパルスユース 1(0) シュート 13(7) ×鍋田、◎鍋田、×稲毛、×畑、 ×畑、 ×畑、 ○田代、○柴原、○柴原、×柴原 ○石原、◎鍋田、○犬飼 1(0) 右クロス 4(2) ○柴原、×石原、○石原、×石原 0(0) 左クロス 11(2) ×畑、 ×成田、×成田、×鍋田、×成田、○成田、×稲毛、×鍋田、○成田、×成田 ×柴原 0(0) 右側CK 1(0) ×成田 1(0) 左側CK 2(1) ○柴原、○柴原 2(−) 犯OS 2(−) ・柴原、・柴原 4(0) ファウル 3(0) ・稲毛、・柴原、・畑
[後半] 清水エスパルスユース (67〜75分) −−−−−−−−長島−−−−−−−− −−深澤−−中原− 山崎教 −稲毛−− −−−−− 伊東渉 −田代−−−−−− −−柴原−−−−−−−−− 山崎祐 − −−−−−−柏瀬−− 畑 −−−−−−
−−−−−−15−−18−−−−−− −−08−−−−−−−−−−07−− −−−−−−06−−11−−−−−− −−05−−21−−03−−02−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 愛知フットボールクラブ U-18 (49〜78分)
40分、愛知、交代: 10→18、14→15 (11CH、09LH、15FW) 44分、自陣で奪ったLB稲毛の持ち上がりは止められるが、CH柴原がフォロー、奪い返すとプレスを交わして右に持ち出し、サイドチェンジのパスを送った。受けたRH石原はボールをCH田代に当てて前へ、田代はヒールに引っ掛ける形でワンツーを返すと、石原が追い越して中央へ上がる。田代と入れ替わって下がっていたFW鍋田がパスを預かり、機を見てスルーパス。一気呵成に50Mを駆け上がった石原がPA内左に抜け出し、左足でGKの右肩上を撃ち抜いた。3−0 49分、愛知、交代: 09→21 (21CB、06CH、08LH) 51分、清水、交代: 石原→伊東渉、鍋田→柏瀬
56分、愛知DFラインからCH06番に当てたクサビを、読み切ったCH田代がパワータックル。強引にボールを奪った勢いのまま、一気にDFラインを突破してPA内でGKと1対1。暫し対峙、上半身のフェイントでタイミングをズラし、GKの右へ右足で流し込んだ。4−0 60分、清水RB深澤が右サイドからPA前中央まで長い距離を持ち込むと、左サイドスペースへパスを捌く。LH成田が短い距離を瞬発力で縦にブチ抜き、狭い角度から左足を強振するが、シュートはニアポストに激しく掠めてゴールネットの外側に絡まった。愛知のゴールキックで再開、しかし中盤でCH田代が跳ね返し、ボールはDFラインを越えてGKの元に戻る。…と思われた瞬間、FW柏瀬が外側からDFを追い越し、GKに返る前に無理矢理、体を入れてのシュート。それがゴールに蹴り込まれる。5−0
67分、清水、交代: 犬飼→中原、成田→山崎祐 ※ポジションチェンジ: 柴原RH、伊東渉CH 71分、稲毛のスローインからCH田代が一発、大きなダイアゴナルフィードを放つ。DFが大胆にスライディングでカットを試みるが、そのチャレンジは失敗に終わり、フリーのRH柴原にボールが繋がる最悪の結果に。柴原はGKとの距離を詰めると、駆け引きを無視した強烈なシュートをファーに蹴り込む。プリンス名古屋戦で、悉くゴールに嫌われた鬱憤を晴らした。6−0 73分、愛知RB2番のFW畑へのファウルで中盤、距離を残した位置から清水のFKとなる。ラフプレイに主審から2番へ注意が与えられてから再開。稲毛?がグラウンダーのクサビをPA前の柴原に入れ、柴原はDFを背負いながらボールを足下に収めると、右回りにドリブルしながらPA左のスペースを狙う気配。そこに後方から追い越す影。柴原に入れ代わってPA内左へ抜けた田代が、ゴール右に蹴り込んだ。7−0 75分、清水、交代: 畑→酒井 (酒井LH、山崎祐FW)
78分、CH田代の縦パスをFW柏瀬、胸トラップから反転、自らはPA内に切れ込みつつ、ボールは右アウトサイドに捌いだ。FW山崎祐が中央からそこへ流れ、リターンパスではなく自ら勝負を選択。ボールを足の甲に乗せながらの急加速でDFを抜くと、前を塞ぐGKに対して思い切りよく、ニアを蹴り抜いた。8−0 78分、愛知、交代: 15→12
愛知FC 清水エスパルスユース 2(1) シュート 9(7) ◎石原、◎田代、×柴原、×成田、◎柏瀬、◎柴原、◎田代、◎祐也、○祐也 1(0) 右クロス 2(0) ×深澤、×深澤 3(0) 左クロス 0(0) 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(0) ×柴原 1(−) 犯OS 3(−) ・畑、 ・鍋田、・柴原 6(1) ファウル 1(0) ・柴原
[雑感] クラブユース選手権緒戦。エース鍋田の活躍で前半2点を先制した清水は、自らの不用意なプレーで危ない場面をつくることもあったが無失点で凌ぎ、逆に時間が経つにつれて増えていった相手のミスに乗じて順調に加点。終わってみれば8−0の大勝で、全国大会に向けて順調なスタートを切った。
U-18東海大会は今年から大会方式が変更となり、従来、県単位で行われていた予選を撤廃。清水を含むJ1クラブ3チームは2次トーナメントからの登場となり、その他の4クラブが対戦する1次リーグを経て組み合わせが決まる。ただ、予選のないJ1クラブの間で条件が同じなわけではなく、磐田・名古屋がトーナメント戦準決勝からの出場なのに対し、清水は準決勝を前に1次リーグ2位のチームと対戦して勝ち抜く必要がある。不公平な気がしないでもないが、毎年、チームの仕上がりが遅い清水としては、公式戦の数が増えるのは歓迎すべきなどだと前向きに捉えたい。 清水は前の名古屋戦で大活躍の成田が先発を再奪取。代わって1年生の伊東渉がベンチスタートになった。引き続き青木がメンバーから外れたが、去年のクラブ選手権 (U-15) 優秀選手に選ばれた期待の1年生FW、柏瀬が怪我から復帰してベンチ入り。青木の他にも山田が足を痛めた状態だが、面子が揃ってきた。先発は3年生5人、2年生5人、1年生1人。中盤はオール2年生である。対する愛知FCはHonda FCに1-2で敗れ、2勝1敗で1次リーグ2位通過。J発足前はクラブユース選手権優勝経験もある名門だが、3年前のU-15東海大会では1勝もできずに予選リーグで姿を消している。実力差を考えれば、清水としては結果だけでなく、内容も求められる試合となる。
開始3分、いきなり清水の決定機。LH成田が粘って戻したボールは一度DFにカットされるが、すぐにCH柴原が奪い返してFW鍋田にクサビを当てると、鍋田はDFを交わしてPA内へ、更にGKを交わして空のゴールに蹴り込むが、ゴール左ポストに直撃させてしまう。しかし、この決定機逸にもめげず、8分には横幅を大きく使った展開から鍋田が決めて先制。怪我からの復帰後、主将としてエースとして公式戦2勝1分のチームを引っ張っていた鍋田に、遂に結果がついてきた。その後も清水はボールをよく動かし、巧みにサイドに展開するが、この日はFW畑が「not his day」。12分の柴原の左CKにニアで頭を擦らしたのがファーに外れたのはともかく、14分に自らのサイドチェンジから柴原が1人ドリブルで抜いて右クロス、17分に石原の右クロスに鍋田が粘ってこぼれたボールに対して、ロケット打ち上げの「宇宙開発」をしてしまった。 やがて流れは膠着、リードされても前に出てこない相手にCH田代やCH柴原がミドルで狙うが、得点に結びつかない。成田の思い切り良い突破は錆付いてはなかったが、34分にRH石原のボール奪取から鍋田のスルーパスで抜け出した場面では、クロスというらしくない選択。右足は殆ど使わない成田だが、角度のない位置を構わずニアを左足で撃ち抜いてこそ成田だろう。一方の愛知は専守防衛の状態で、ゴール前どころかボールを前に運ぶことすらできなかったが、藤枝明誠やジュビロ磐田とは違う清水エスパルスは、リスクの最小化が実に苦手。30分には相手の苦し紛れのロングボールにLB稲毛が競り勝ったところまでは良かったが、CB犬飼がダイレクトで繋ごうとして愛知FW10番にボールを献上。シュートは右に外れたが、この試合が負けたら終わりのトーナメントであることを思い出させてくれた。嫌な流れになりかけたが、前半終了3分前、エース鍋田の個人技で2点目。1対1でGKを抜きに行くのが、洗練されたプレーに隠れがちな鍋田のFWたる所以だろう。
後半4分に3点目を挙げて安全圏に。石原は良くない時も得点に頻繁に絡んでいるが、それはこの得点場面に象徴される長い距離を走る能力と意志の賜物だろう。それだけにガス切れも早いのだが、最近は石原の後を任せられるベンチメンバーも充実してきた。その石原と鍋田は51分に交代。フリーランとポストプレーでボール回しの中心にいた2人がいなくなり、一方で後がなくなった愛知もSBの攻撃参加を解禁。更に52分の選手交代で7番をCBからCHの位置に上げ、CH7番、LB5番、LH8番のトライアングルで積極的に攻撃を仕掛けるようになった。名古屋戦では田代が一人、膨大なスペースのカバーリングに走り回っていたが、この日はその田代も攻撃参加して前へ。大量点に気が緩んだか、マークを離して簡単にクサビを入れられる場面が散見され、中でも87分、8番とのワンツーから左45度で放った5番のシュートは、1点ものだった (GK長島がセーヴ)。 そうした課題も残ったが、組織を無視した個人の勝負になれば清水の持ち味が存分に発揮される。特に柏瀬、山崎祐といった外部加入の1年生としては、連携を無視できる展開は望ましかった。前半から散々ボールを回されて疲労した愛知DFのマークが緩かったこともあり、自らのスピードを遺憾なく披露。共に清水エスパルスユースとして公式戦初ゴールを記録した。奔放としたサッカーの中心にいたのが、後半2得点2アシストの田代と1得点1アシストの柴原。ハイテンポの展開にも自分のリズムだけで動かず、周囲を見て有機的に繋ぐプレーを見せ、一つ高いレベルにあることを証明した。とりわけ田代は武器である機動力だけでなく、単純な1対1にも強さを見せ、成長を感じさせる。また、田代に代わって後方で攻撃の芽を摘んだのが伊東渉。先発でも交代出場でも、既に組織の柱になれる存在になってきている。 プリンスに比べて彼我の力量差は考慮に入れないといけないが、それでも80分間で8−0という結果はそう簡単に出るものではない。自信を持って良いのではないだろうか。
|