2008年04月26日(土) |
プリンス東海 愛知高校戦 |
08年04月26日 (土) 14:15開始 港サッカー場 JFA プリンスリーグU-18 東海 2008 2部 対 学校法人愛知学院 愛知高等学校 ※45分ハーフ 天候: 雨
[前半] 清水エスパルスユース 控え:長島、山崎、中原、田代、西澤、前田、成田、佐野孝、畑 −−−−−−−−柴田−−−−−−−− − 望月恭 −岩崎−−小澤−−稲毛−− −−−−−−青木− 深澤慶 −−−−− − 佐野傑 −−−−−−−−−杉山−− −−−−−−池上−−柴原−−−−−−
−−−−− 井出和 −伊藤−−−−−− − 井出勇 −−−−−−−−−田中−− −−−−−− 森 −−綿本−−−−−− −−石黒−−坂本−−鵜川−−吉田−− −−−−−−−−宮坂−−−−−−−− 愛知高校
07分、相手ロングボールに対して下がりながらCB岩崎がヘディングクリア。前に弾ききれなかったが、CB小澤?がカバーに入ってこぼれ球をキープ、ロングボールを送り返す。右サイドでFW柴原が競り合うと、LH佐野傑が拾ってドリブルを開始する。中に切れ込んで右サイドに散らすと、柴原がフリー。タイミングを合わせて上げた右クロスに対し、ニアへ走り込んだFW池上、頭で丁寧にファーへ流し込んだ。1−0
16分、CH青木からフィールド中央を割るクサビが、柴原の足下へ正確に入った。それを見た佐野傑、ポストの柴原からパスを前に出ながら足下に受け、ドリブルで追い越していく。縦にPA内右へ進入、シュートの振りから左足アウトサイドキックで中央へ折り返すと、追走してきた池上が、これも左足アウトでゴール左へボレーを決めた。2−0 18分、LB稲毛のスローインからCH深澤慶が受けて左サイドを縦に細かく繋ぎ、LH杉山がPA左角手前でキープ。内側に戻したパスを、池上がダイレクトで優しいスルーパスを送る。DFを背にした状態だった柴原だったが、このパスを見てターンから加速、DFを置き去りに裏のスペースへと飛び出した。GKの位置の逆、ゴール右へとシュートを沈め、3−0
25分、ゴール前ファーに攻め上がった青木を狙った佐野傑の右クロスは、その手前のDFにカットされるが、PA内へこぼれたボールをクロスを上げた佐野傑自ら拾い、シュートを撃つ。しかし、これはほぼ正面でGKキャッチ。GKはスローイングでリスタートし、チャンスは潰えたものと筆者がメモをとってる間、いつの間にかPA左角付近で柴原がボールを受けた状態に。柴原が右足を振り抜くと、GKの右肩下をワンバウンドして抜け、ゴールに収まった。ニアのゴールネットが揺れる事態に、観衆の殆どが何が起こったか暫し分からず、奇妙な雰囲気が会場を包んでいた。4−0 28分、愛知高のロングボールが清水DFの裏に転がると、小澤は相手FW井出和をスクリーンし、GK柴田にキャッチさせようとする。だが、井出和はスピードと粘っこさで対抗、ボールに伸ばした足先を当て、自らも前に出ようとするが、そこは既にGK柴田。こぼれたボールのカバーに入り、大きくクリア、…のはずが左サイドに蹴り出す前にRH田中に引っかかってしまう。ボールをプレゼントされた田中は中に切れ込み、DFを十分に引きつけたところで横パス。PA内左で待つ井出和が難なく空のゴールに蹴り込んで、4−1
愛知高校 清水エスパルスユース 2(1) シュート 11(6) ×池上、◎池上、×柴原、×青木、◎池上、◎柴原、○佐傑、◎柴原、○佐傑、×青木 ×青木 1(0) 右クロス 5(3) ◎柴原、×恭平、◎佐傑、×佐傑、○青木 0(0) 左クロス 3(0) ×杉山、×稲毛、×稲毛 1(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(1) ○柴原 0(−) 犯OS 6(−) ・佐傑、・柴原、・池上、・池上、・柴原、・池上 2(0) ファウル 4(0) ・杉山、・池上、・池上、・杉山
[後半] 清水エスパルスユース (78分〜) −−−−−−−−柴田−−−−−−−− − 望月恭 −岩崎−−小澤−−稲毛−− −−−−−−田代−−西澤−−−−−− − 佐野傑 −−−−−−−−−成田−− −−−−−−前田−− 畑 −−−−−−
−−−−− 井出和 −伊藤−−−−−− −−綿本−−−−−−−−−−井上−− −−−−−−美間−−田中−−−−−− −−石黒−−坂本−−鵜川−−吉田−− −−−−−−−−宮坂−−−−−−−− 愛知高校 (45〜75分)
45分、愛知、交代: 森→美間、井出勇→井上 (田中CH、井上RH、綿本LH) 50分、清水、警告: 佐野傑
57分、清水、交代: 青木→西澤、杉山→成田 59分、空中戦に競り勝ったCB岩崎のクリア、前線まで跳ね返ったボールを柴原がトラップ成功、足下に収めると振り返りながら左サイドスペースにスルーパスを送る。その一連の動作の間に駆け上がるのは後方にいたLH成田、トップスピードで相手を追い抜いてパスに追いつき、縦へ。PA内、ゴールライン際まで突き進み、マイナス気味にクロスを折り返すと、池上がごっちゃんでいただき、ハットトリック達成。5−1 60分、波状攻撃。PA手前で相手がクリアしたボールを深澤慶がカット、次の右足タッチで浮き球で右サイド斜め前に散らす。中に切れ込む佐野傑、このパスを左足のアウトに掛けたヒールリフトで持ち出し、進路を塞ぐDFをかわしてGKと1対1。左足でファーへとシュートを叩き込み、6−1 63分、清水、交代: 柴原→前田
68分、清水、交代: 池上→畑 75分、FW畑のスルーパスからFW前田が抜け出そうとするが、DFのチェックが入って左CKに。西澤がボールをセットしたところでPA内から成田が近づき、西澤はショートコーナーを選択。パスを受けた成田が反転、左足でクロスを入れると伸びのあるボールがGKの腕を越え、そのままゴールファーへ吸い込まれた。7−1 76分、愛知、交代: 綿本→澤井 77分、愛知、交代: 井出和→都築 78分、清水、交代: 深澤慶→田代
82分、愛知、警告: 鵜川 85分、波状攻撃。高い位置でボールを奪ったCH田代がPA内の前田にクサビを入れ、自らも前へ。密集地で体を張る前田には厳しいチェックが入り、ボールは足下からこぼれるが、ちょうどワンツーを受ける体勢に入っていた田代がボールを刈り取って密集地を縦に貫通することに成功。残るGKも強烈なシュートであっさりと突破し、8−1 90+2分、左サイドライン際沿い、ゴールラインまで30Mほど高さが残る位置からFK、キッカーは稲毛。素直にPA内へ入れた速いボールを畑がバックヘッド気味に逸らすが、右ポスト直撃。跳ね返りを更に小澤が粘ってリフティングシュートを狙ったが、DFに当たって右CKとなる。キッカーは佐野傑。やはりPA内から近づいてきた西澤に当てるショートコーナー、西澤はPA右角付近で受けるとパスを戻し、それを下がりながらゴール前の様相を窺う佐野傑が、ダイレクトでクロスを入れた。伸びのあるインに掛かって巻いたボールを、大外ファーで控える小澤がジャストタイミングの高い打点で痛烈なボレーをゴールネットに突き刺し、「ケーキにいちごを載せた」。9−1
愛知高校 清水エスパルスユース 3(0) シュート 15(7) ○柴原、×佐傑、◎池上、◎佐傑、×前田、×西澤、○火田、◎成田、×成田、×前田 ◎田代、×佐傑、×前田、×火田、◎小澤 3(1) 右クロス 3(2) ×恭平、○恭平、◎佐傑 3(2) 左クロス 5(3) ○柴原、◎成田、×成田、○稲毛、×成田 1(0) 右側CK 2(0) ×佐傑、△佐傑 0(0) 左側CK 2(0) △西澤、△佐傑 0(−) 犯OS 4(−) ・池上、・成田、・前田、・前田 4(3) ファウル 4(1) ・柴原、×佐傑、・池上、・前田
●個人的MVP 佐野 傑 ●個人的MIP 池上 智規、岩崎 広大
前節、緒戦かつ大一番の勝利の勢いのままに1部昇格まで駆け上がりたい清水は、前節の先発と同じメンバーを組んだ。控えまで含めても、U-16代表から帰ってきた田代が山田の代わりに入っただけ。離脱者が多くて、変えようもないというも言えるが。先発は3年生7人、2年生3人、1年生1人。 対する愛知高校は越智監督が38年チームを率いる伝統校で、選手権9回出場 (最高3位)、高校総体8回出場 (最高16強) の実績を誇る。06年にも高校総体に出場しているが、最近更に強化に力を入れたのか、下級生の層が厚い構成になっているようだ。そのため、新1年生が掲載されていない大会プログラムがあまり役に立たない (苦笑)。先発のうち、3年生は主将の田中一人で、2年生5人 (宮坂・吉田・石黒・綿本・伊藤)、1年生と思われるプログラムに載っていない選手が5人。CB両名を含むチームの中心線が1年生 (移籍選手かもしれないけど) がいるわけで、非常に若いチームだと言えそうだ。前節は浜名高に1−2で敗戦している。
相手の実力を測る手探りの5分間が過ぎると、早くも7分に先制。更に13分にCH青木が1本のスルーパスで中央を崩し、FW柴原のシュートがバーの内側に当たったのを皮切りに、フィールド上の全地域で優位に立ち、16分に右サイドからの崩しで2点目、18分に左サイドから中央裏に抜けて3点目、そして25分の柴原の個人技でのゴールで最高潮に至る。柴原、佐野傑、青木あたりは1対1の個人勝負では負け知らずで、28分には前に出た青木が強引に体を入れてボールを奪い、それを拾ったLH佐野傑がドリブルシュート、GKの跳ね返りを至近距離で青木がボレーで詰めたが宇宙開発。続く28分の失点場面はセイフティファーストでタッチにクリアするよりも、マイボールのまま攻め続けたいという油断が招いたものであったが、清水の優位は変わらないように思われた。 だが、油断は徐々にチームを蝕み、少しずつ球離れが遅くなり、強引な突破に失敗する場面が目につくようになる。守備でも前でより前でボールを奪おうとして奪えず、いなされて左右に展開されて後追いになるハメに。35分、柴原の左CKをニアで池上が頭で逸らし、ファーで青木がジャンピングボレーで合わせるがまたも宇宙開発。他にシュートチャンスもなく、前半を折り返す。後半になると、愛知高はRHからCHにポジションを移した田中が試合をつくるようになり、清水のプレスをかわしてサイドへ丁寧に展開。清水も49分にCH深澤慶のスルーパスから柴原がシュートを放つなどしたが、愛知高がボールを持つ時間も長くなり、膠着状態に陥りかけていた。
57分、大榎監督は成田と西澤を投入。スピードというわかりやすい武器を持つ成田は、積極的なフリーランでサイド攻撃という戦術の形を導いていく。早速59分に成田が左サイドから5点目をもたらすと、次いで60分には右から佐野傑が6点目。落ち着いたパス回しができるようになり、再び清水が主導権を握った。63分、エース前田が怪我から復帰の交代投入。早くも64分には佐野傑が右サイドから斜めにDFの裏に流したスルーパスに反応、サイドに斜めに流れながら飛び出し、ダイレクトで放ったシュートがニアポストにブチ当たる。74分、佐野傑がキープから前に当てたボールを前田がダイレクトで右サイドに捌き、RB望月恭のクロスをニアでFW畑が頭で合わせるが、GKキャッチ。普段の前田から比べればシンプルに捌く場面が多く、まだ本調子ではないのかもしれないが、なんだかんだでドリブルで相手のファウルを3つ、誘っている。75分にはその前田の粘りで得た左CKから成田がゴールを決めて、7点目。それからも85分に交代出場の田代、ロスタイムには小澤がトドメを刺し、9−1と圧勝。リーグ首位に立った。
佐野傑は正に攻撃のキーマン。柴原と並んでチームで最もキープ力があり、中盤でボールの預かり所になるだけでなく、自ら突破していくことができる。スピードだけでなくフェイントのキレもあるので、相手が引いた状態でも崩せるのがポイント。だが、伸びのあるボールを蹴れる左足があれば、ゴールから遠い位置からでも攻撃に貢献することができる。この日はそれを警戒した相手に対して、キックフェイントを多用して突破をより容易にしていた。一方、3年生となってアスリート能力も高まり、90分間通して上下運動を繰り返し、攻守に貢献できるようになってきた。90分間フル出場した佐野傑を見たのは、かなり久々な気がする (もしかしたら、初めてかもしれない)。 次点には大味な展開ながら、最後まで集中力を欠かさずに頑張り続けていた2人。池上は3得点1アシスト。清水FC時代はパワーの杉山 (健太) にテクニックの池上という風だったのだが、Jrユース以来、前田や佐野傑の陰に隠れがちだった。だが、この試合、3点目こそごっちゃんだが、テクニカルに頭で流した1点目、左足アウトを合わせた2点目と、彼本来の持ち味を見た気がした。岩崎は不惑。空中戦で体を張っただけでなく、常に集中。相手FWの足下に入るクサビのパスに対して遅れることなく、前に出ると体ごとぶつかり、次々と刈り取った。その泥臭さを厭わぬ気迫が、試合全体を引き締めていたように思う。
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