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2008年04月19日(土) プリンス東海 清水商業高校戦

08年04月19日 (土) 14:15開始 草薙総合運動場 球技場
 JFA プリンスリーグU-18 東海 2008 2部
 対 市立 清水商業高等学校 ※45分ハーフ
 天候: 雨

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:長島、山崎、山田、中原、西澤、前田、成田、佐野孝、畑
−−−−−−−−柴田−−−−−−−−
− 望月恭 −岩崎−−小澤−−稲毛−−
−−−−−−青木− 深澤慶 −−−−−
− 佐野傑 −−−−−−−−−杉山−−
−−−−−−池上−−柴原−−−−−−

−−−−−−杉山−−平野−−−−−−
−−砂川−−−−風間−−−−池田−−
−−−−−−−−宮部−−−−−−−−
−−田村−−栗本−−吉川− 四ツ田 −
−−−−−−−−川野−−−−−−−−
 控え:新美、小澤、鈴木、佐野、山口、浜名、深沢、進藤、前澤
清水商業高校

 15分、清商、警告: 田村
 21分、エスパルスの中盤での組み立て。やや右寄りで受けたCH深澤慶がキープし、前を塞がれてターン、バックパスを戻そうとするが内側にズレてしまう。CH青木が足を伸ばすも抑えるに至らず、こぼれを清商FW杉山が拾って前へ。この時点でCB小澤が1対1で対峙することになるが、力と速さで内側から体を寄せ、右サイドへ斜めに追いやっていった。が、その先にいたLB稲毛が何を思ったか、杉山の右横を切りに行ってしまう。これ幸い、杉山は小澤と稲毛の間に難なく割り込むと、シュートコースを塞ぐのはGK柴田だけ。勢いのあるシュートをゴール右下隅へ沈めた。0−1

 36分、エスパルスは左サイドから稲毛のスローイン。LH杉山が受け、PA左角手前のFW池上にクサビを入れるや、自らはバイタルスペースを左外から中へと横にスライド移動する。キープした池上は杉山の走る先へ、斜めのパスを戻した。杉山、PA外中央20M、シュート体勢に入ったところで軸足の左足が滑るが、スライディング気味の格好も構わず、利き足でない右足でダイレクトミドル。滑ったことで良い感じで回転が掛かったか、綺麗に巻いたボールが横っ飛びGK川野の指先を抜け、ゴール右隅に決まった。1−1

清水商業      清水エスパルスユース
7(4) シュート 5(2) ×柴原、○慶也、×柴原、◎杉山、×恭平
7(4) 右クロス 1(0) ×佐傑
3(0) 左クロス 2(1) ○杉山、×稲毛
0(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  0(−)
7(3) ファウル 6(3) ・池上、×稲毛、×恭平、×恭平、・柴原、・柴原

[後半]
清水エスパルスユース (70〜85分)
−−−−−−−−柴田−−−−−−−−
−−山田−−岩崎−−小澤−−稲毛−−
−−−−−−青木− 深澤慶 −−−−−
−−柴原−−−−−−−−−−杉山−−
−−−−−−池上− 佐野孝 −−−−−

−−−−−−杉山−−平野−−−−−−
−−砂川−−−−風間−−−−池田−−
−−−−−−−−宮部−−−−−−−−
−−田村−−栗本−−吉川− 四ツ田 −
−−−−−−−−川野−−−−−−−−
清水商業高校

 58分、自陣左サイドで前に出ながらパスカットに成功した小澤、顔を上げると素早く前方にロングフィードを送る。池上はフィードより先に動き出しており、一発のパスで左サイドを縦に抜けた。中を切る相手DFに対し、十分に抉ったところでプルバック。PA手前、左足で受けたFW柴原、右足に持ち替えてDFを外すや15Mシュートを放つ。得意のアウトサイドキック、GKの腕を逃げるように抜けて右ポストを直撃、しかしそのままゴールへと転がり込んだ。2−1

 69分、エスパ、交代: 望月恭→山田
 70分、エスパ、交代: 佐野傑→佐野孝 (柴原RH、佐野孝FW)
 85分、エスパ、交代: 池上→畑
 87分、エスパ、交代: 深澤慶→西澤
 90+3分、エスパ、警告: 稲毛

清水商業      清水エスパルスユース
8(3) シュート 9(3) ×池上、×佐傑、◎柴原、×佐傑、×池上、○稲毛、×青木、○柴原、×孝洋
5(1) 右クロス 7(3) ×柴原、○恭平、×恭平、○佐傑、×慶也、○佐傑、×山田
2(1) 左クロス 8(3) ○杉山、○稲毛、○孝洋、×柴原、×稲毛、×孝洋、×杉山、×稲毛
1(0) 右側CK 2(0) ・佐傑、・佐傑
2(1) 左側CK 3(0) ・柴原、△柴原、△柴原
1(−)  犯OS  0(−)
1(0) ファウル 6(0) ・恭平、・池上、・慶也、・慶也、・柴原、・畑

●個人的MVP 小澤 蓮
●個人的MIP 池上 智規、杉山 一貴

 大榎ユース公式戦緒戦。さすがに注目度が高く、試合前から多くの取材陣が大榎を囲んでいた。この取材陣を自分に引きつける選手が出てきてほしいものだ。その緒戦の布陣は、ほぼ予想通りのメンバー。足首を痛めている前田は大事を見てベンチスタート、鍋田は練習の紅白戦などにも参加している状態ながら、まだベンチ外。一方、柴原は大榎監督の希望で、広島でのU-16代表キャンプから戻ってのスタメン出場となった。先発の構成は3年生7人、2年生3人、1年生1人。
 対する清水商は県新人戦ベスト4。言わずとしれたサラブレットMF風間、清水FCや静岡学園中のエースだったFW杉山、さなるカップでエスパルスを撃沈したキューズFCのエースFW平野といったタレントもおり、プリンス東海初参入ながら1部昇格を争う最大の対抗馬との下馬評も高い。先発は3年生7人、2年生3人 (田村・宮部・風間)、1年生1人 (川野)。四ツ田・栗本・砂川はエスパルスSS藤枝出身。1年生GK川野は岐阜VAMOSの正GKとして昨年、全国を経験している。ベンチにはエスパルスJrユース出身、1年生の前澤も入った。

 立ち上がりを過ぎて徐々に展開が落ち着いてきたところ、優位に立ったのは清商。予想されたロングボールには小澤・岩崎の両CBが粘り強く跳ね返せていたが、精力的に上下運動を繰り返す池田・砂川のSHにつききれない。スローインからの走り出しに虚を突かれて裏を取られるなど、集中力の問題も散見され、2週間前の横浜FC戦が思い出される嫌な流れ。こういう流れに対抗して、じっくりとグラウンダーのパスとドリブルでのキープでポゼッションを高め、自分たちのペースを取り戻す力がこのチームにはあると思うのだが、自分たちも縦に拙速な展開をやり返してしまい、ボールが空中を行き交う清商得意の (というよりエスパ苦手の) 流れにハマってしまう。
 エスパにもセットプレーや柴原・佐野傑のドリブルから生まれる単発的なチャンスはあったが、清商は18分に右サイドを切り裂いた池田のクロスから混戦、なんとかクリアするが更にOH風間が右サイドを再度突き破って角度のない位置からシュート、GK柴田のパンチングをDH宮部がミドル (枠上)。21分に先制した後も、22分のドリブル突破したFW平野の高速左クロス、24分のRB四ツ田の右クロスを風間がポストに入って平野のシュートは柴田が足でCKに逃げるなど、清商が主導権を握っていた。が、やや膠着状態になりかけてたところ、思い切り良いLH杉山の「右足」で同点。その後はゴールへの積極性で上回る清商が流れを引き戻したが、決定的なものではなく、同点で試合を折り返した。

 後半開始3分、杉山が外を回ったのを見てFW柴原がドリブルで溜めをつくるが奪われてしまい、カウンター。縦に繋ぐと風間のスルーパスでPA内右を縦に抜けた平野が、至近距離でシュートを放つが、この決定機を外してしまう。後から振り返れば、これが試合結果を左右することになった。後半のエスパは大榎監督から指示があったのか、グラウンダーのパスをしっかり繋いでボランチに当て、そこからサイドに振り分ける展開ができるようになり、ポゼッションで圧倒。他方の清商は疲労のためか、前半のようにロングボールをFWやSHが追い切れず、ならばと風間にボールを集めるが、そこは青木の守備範囲。人に強い守備で中盤の底に蓋をし、奪ったボールを素早く正確に次の展開に繋げるのは、青木の最も得意とするプレー。風間は後半一人で4本のシュートを撃つも、むしろ強引さが目立ち、85分に裏に抜けながら放ったシュートもGK柴田に正面で抑えられた。
 青木から柴原への美しいロングスルーパス (柴原が珍しいトラップミス) で攻勢に出たエスパは57分、柴原がドリブルでサイドを縦突破、DFを広げてから戻したボールに今度は杉山が中へ切れ込み、プルバックしたボールをLH佐野傑がダイレクトシュートは枠外。58分に逆転した後も、62分には佐野傑の右クロスがPA内のFW池上へ、DFがクリアに入ったが青木が拾って左に展開、LB稲毛が杉山とのワンツーでサイドを破って入れた左クロスはDFがCKに逃れる。73分、CH深澤慶が左に捌き、稲毛が再び杉山とのワンツーから今度は中に切れ込み、角度のない位置から強烈なシュートを撃ったがGKが弾く。ゴール前にボールが転がったが、FW佐野孝は押し込めず。稲毛、守備では脆さをみせたが、持ち味の前への推進力で汚名返上。決定機を逃した佐野孝も76分、縦パスに反応して左サイドを突進、クロスに柴原がボレーを放ったがGKに阻まれた。
 その後、大榎監督は積極的に選手を投入、緒戦から多くの選手に出場経験を積ませた。ロスタイムには更に新1年生の中原も交代の準備をしていた。競った試合だっただけに、勇気ある決断だったと思う。試合自体はやや清水の攻勢も停滞し、90+1分には相手陣内からのロングフリーキックで平野のヘッドを許す (柴田キャッチ) など、危なげないとは言えなかったが、そのまま2−1で逃げ切った。

 小澤は空中戦に奮闘していた前半から素晴らしかったが、特に真価を発揮したのが後半。盛んに裏を突き、スピードに乗って飛び出してくる平野、池田に対してきっちり体をつける強さと速さを証明した。そして、折を見て鋭いスライディングでボールを刈り取る。平野というよく動く選手に対応しつつ、左サイドまで幅広くカバー、守備範囲も広い。本業の守備以外でも逆転に繋がったフィードのように、狙い澄ました前線へのロングパスで攻撃の起点としても機能していた。
2アシストの池上は、とにかく頑張っていた。味方がボールを持てば誰よりも早く動き出し、適当なロングボールにも空中戦で吉川と競り合い、体を張り、守勢に回れば前からプレスを掛ける。苦しい時間にできることを真面目にこなし、反攻の時まで待ち、耐え、それを導いた。杉山はスタンドからのような高い位置で観戦すると、良さを再確認できる頭の良い選手。敵味方の位置関係を正確に捉え、ポジショニングが良い。この日は青木が前に上がっていた時にカウンターを食らった時や、逆サイドから上手く展開された時などに、中に絞ってカバー、相手にバイタルエリアを使わせない守備が光った。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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