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2006年05月06日(土) プリンス東海 磐田東高校戦

06年05月06日 (土) 12:00開始 藤枝総合運動公園サッカー場
 JFA プリンスリーグU-18 東海2006
 対 磐田東高等学校 ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開

 プリンスリーグ東海は今節で1巡する。目下勝点7で3位の清水だが、この最下位磐田東との試合を点差をつけて勝ち、この後で直接対決を迎える静岡学園・グランパスとの差を縮めておきたいところ。静学・グランパス共に3点差をつけて磐田東に勝っているので、それが目標となる。先発はRBに桑原彬に代わって望月卓が入った他は、前節ジュビロ戦と同じ。はじめてCHコンビが同じ顔ぶれとなった。3年生7人、2年生2人、1年生2人。会場では、岩本の代以来久々のナイキカップ出場を果たした中2チームが、先輩の奮戦を見守った。
 対する磐田東。選手名は呼び声などから判断した推測なので、訂正などあったらご指摘いただきたい。ちょっと変わった布陣を敷いており、DFラインはLB吉崎が攻撃時に果敢に攻め上がる3.5バック。前線でも10番本間が1.5列目の位置、杉山は左のハーフというより中央に寄りがちで、左に空けたスペースを吉崎やDHの西岡・浜田が攻め上がった。西岡はヤマハジュビロ磐田SS出身で、インターハイに出場した昨年からチームの主力。他にもジュビロ磐田や掛川出身の選手が多い。選手名が合っているという前提で、3年生6人、2年生3人、1年生2人。

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:吉田、岩崎、渥美、桑原彬、小出、神田、佐野孝、山崎竜、藤牧
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
− 望月卓 −岩本− 佐野克−桑原卓 −
−−−−−−滝戸− 佐野諒 −−−−−
−−小泉−−−−−−−−− 佐野傑 −
−−−−−−町田−−長沢−−−−−− 交代:なし

−−−−−−−−片山−−−−−−−−
−−−−−−杉山−−本間−−浅見−−
−−−−−−西岡−−浜田−−−−−−
−−吉崎−−木下−−佐藤−−森田−−
−−−−−−−−杉浦−−−−−−−− 交代:なし
磐田東高等学校 ※選手名は多分に推測

 立ち上がり6分。磐田東は左サイドで起点を作ると、DH浜田が粘って繋いで前に出てきたDH西岡が35Mミドル。前目に位置していたGK山崎晃を越え、緩いカーブを描いてゴール右上に決まってしまう。0−1。いきなりのリードに盛り上がる磐田東、盛んな運動量を見せるが、清水が攻勢を持続。磐田東は4バックを基本としながら、LB吉崎が攻撃力を活かすため、3バックのWBのように孤立している。そこを突く。9分、スローインをFW長沢が頭で裏に流すと、RH小泉がトラップからの加速だけで抜け出し、シュートに持って行くがGK杉浦がCKへ弾き出す。10分、CB岩本、RB望月卓と繋いで小泉が吉崎を突破するが、クロスはCB木下がカット。11分、CH滝戸のパスを受けた小泉の右外を望月卓が回り、クロスを長沢ヘッドは枠上。
 磐田東は15分、RH浅見の右クロスがDFに弾かれたのをOH本間がミドルを放つ場面こそあったが、殆ど攻撃できずにいる。清水は19分、望月卓の右スローインをFW町田がヒールで裏に流し、小泉のクロスを長沢のボレーは枠の右。21分、LH佐野傑がドリブル、戻してLB桑原卓がドリブル、もう一度戻してCH佐野傑がミドルを放つが、GK杉浦が対応。小泉は21分に望月卓のスルーパスから、同じく21分に滝戸のサイドチェンジから、26分に長沢のポストから次々に右サイドを抜け出すが、磐田東DFの体を張った対応に阻まれ、攻撃が右ばかりの一本調子になりかけていた。こういう時に頼りになるセットプレーも、CK5回・FK1回の機会がありながら、例によって好機に繋がらない。

 35分、桑原卓がボールを下げ、CB佐野克、望月卓を経由して右の小泉へ。小泉はマークを回れ右のドリブルで外し、内側を向いて佐野諒にパスを送る。右外に開こうとする長沢、中央から右の長沢のいたスペースに走る町田、そこへ佐野諒が柔らかいスルーパスを正に足下へ。町田は内側をマークしていたDFを置き去りのままダイレクト、GKとの1対1を沈めた。1−1。調子に乗った清水は36分、佐野克のロングフィードから左スペースへ抜け出た長沢、バウンドしたボールをPA外左30度から、大分戦の藤本を思わせる左足ダイレクトのループシュート。GKの手を弾き、ゴールに吸い込まれた。2−1。更に調子に乗った清水は39分、望月卓が吉崎を内側に置いてしまい、それを見て近づいた本間が中央でパスを受け、右に捌く。RH浅見のクロスを左大外で吉崎がボレー、右ポストに弾かれるが前に出た本間が蹴り込んで、2−2。
 ある意味、すがすがしいほどの試合運びの下手っぷり。同点に追いつかれた後、41分に佐野克のサイドチェンジを受けた望月卓が中に戻し、佐野諒が右アーリークロスをDFとGKの間に入れると長沢が抜け出てヘッドを放つが、枠の上。2分間のロスタイムには桑原卓が2度佐野傑を追い越して左クロス、小泉も再び吉崎を抜いて右クロスを入れるが、中央と合わず。結局同点で、試合を折り返すことになった。

磐田東高      清水エスパルスユース
6(3) シュート 10(6) ○小泉、×長沢、×長沢、○佐諒、○佐傑、○滝戸、◎町田、◎長沢、×長沢、×長沢
3(1) 右クロス 9(3) ×卓馬、×小泉、×小泉、○卓馬、×小泉、×小泉、○小泉、○佐諒、×小泉
0(0) 左クロス 8(0) ×佐諒、×佐傑、×桑卓、×桑卓、×桑卓、×克彦、×滝戸、×桑卓
0(0) 右側CK 2(0) ×佐傑、×佐傑
0(0) 左側CK 4(0) △滝戸、×滝戸、×滝戸、×滝戸
0(−)  犯OS  2(−) ・長沢、・佐傑
5(1) ファウル 4(0) ・長沢、・町田、・克彦、・町田

[後半]
清水エスパルスユース (23〜35分)
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
− 望月卓 −岩本− 佐野克 −小出−− HT:佐野傑→小出 (小出LB、桑原卓LH)、町田→山崎竜
−−−−− 桑原彬−佐野諒 −−−−− 11分:小泉 →桑原彬
−−滝戸−−−−−−−−− 桑原卓 − 23分:長沢 →藤牧 (桑原彬CH・滝戸RHにポジションチェンジ、左図参照)
−−−−−−町田−−長沢−−−−−− 35分:望月卓→渥美

−−−−−−−−11−−−−−−−− 12分:浅見→井本
−−−−−−本間−−杉山−−−−−− 24分:森田→今井 (吉崎RB、今井LB)
−−吉崎−−西岡−−浜田−−井本−− 27分:片山→11 (3-4-2-1にシステムチェンジ、左図参照)
−−−−今井−−木下−−佐藤−−−− 30分:杉浦→鈴木
−−−−−−−−杉浦−−−−−−−− 36分:杉山→大杉 (大杉DH、西岡OH)
磐田東高等学校 (27〜30分) ※選手名は多分に推測

 後半、清水はもはや恒例になりつつある町田→山崎竜のFW交代と、佐野傑に代えて小出を入れて桑原卓を一列上げる交代。山崎竜は早速4分、佐野諒のスルーパスを受けて右クロス、DFクリアを拾って強引にシュート、GKキャッチ。そして10分、佐野克のロングフィードを腰をかがめて頭で右サイドに流す。試合を通して吉崎に対して優位に立つ小泉、この場面でも縦に勝負して抜き去り、マイナスの右クロスをニアに長沢が頭から突っ込み、3−2。逆転された磐田東は、本間がキックオフゴールを狙うが、GK山崎晃が無難にキャッチ。これが磐田東、最後のシュートとなった。13分、西岡のRH桑原彬へのファウルで右タッチライン沿い、距離35MからFK。ここから滝戸のキックが風に煽られ、GKの頭上を抜いて決まってしまう。4−2。「狙ってたよ」とばかりにガッツポーズを見せる滝戸 (笑)。
 この得点が決定的だった。早々に先制し、逆転された後もすぐに追いついた磐田東は「勝てるかも」「勝点奪えるかも」と序盤から相当飛ばしていた。前半から試合が中断するたびに、多くの選手が給水に集まった。2点差に開いたことで精神的に切れてしまい、14分、15分に連続して最終ラインでそれぞれ佐野諒、長沢にボールを奪われる。これは共に長沢のボール処理ミスに救われたが、17分に桑原彬が奪うと長沢が前に繋げ、再度受けた桑原彬がヒールで右に流して長沢のループ、クロスバー直撃。21分、相手パスを岩本がアンティシペーションで前に出てカット、そのまま持ち上がってスルーパスで長沢がGKと1対1。が、長沢は併走する山崎竜に横パスを送る弱気な選択をしてしまい、DFにクリアされてしまう。これを見て、行徳監督はエースを大会初出場の藤牧と交代、ベンチに呼んで指導していた。

 26分、磐田東はバックパスを受けたGKのキックを山崎竜がカット、DF1枚かわしてシュートにいくが、GKに弾かれる。それを藤牧が詰めるが、ボールが足につかない。27分、するすると持ち上がったLB小出が、滝戸のFKと左右反転した位置からシュータリング、同じように風に乗ってGKの頭上を越えるが、バー直撃。再び藤牧が詰めるが、再びシュートミス。三重県菰野中出身の藤牧、恐らくは自身最多の観客が見守る試合で、緊張を隠せないか。磐田東もこの流れを何とか変えようと、選手交代とシステムチェンジを繰り返し、最終的に西岡・本間・吉崎といったタレントを前線に集める。だが、トラップやパスのズレを補ってきた運動量の衰えはどうにもならない。時折訪れるカウンターのチャンスは佐野克のスピードに阻まれ、一方の清水はスペースを得て、桑原卓がシザースパスで魅せるなど思いのままにプレーしていた。
 44分、スローインから滝戸の右クロスに駆け込む藤牧、の背後に併走していた桑原卓が、左足アウトサイドボレーでゴール左に叩き込む。5−2。46分 (ロスタイム)、小出が持ち上がって切れ込む気配を見せると、空けた左スペースに佐野諒が斜めに飛び出す。小出のパスをヒールで落としたが、そこに味方はおらず、DFクリア。が、ボールは桑原卓が伸ばした足を弾いてPA手前に転がり、それを拾った藤牧が左に小さく持ち出してミドル、ゴール右に決まって、6−2。藤牧は最近封印気味のマルキーニョスに代わって、前方宙返りを見せる。これで吹っ切れたか、47分 (ロスタイム) に滝戸のサイドチェンジを受けてCB木下からファウルを誘うと、ほぼ中央やや左から滝戸が直接狙ったFKがバー直撃、それを頭でよいしょと詰めて、7−2。藤牧、こちらも封印したカズに代わって、サンバのリズムで似非カズダンスを披露 (笑)。

 試合はこれで終了。前半の試合運びのまずさは気になるが、得失点差で+5を稼ぎ、同勝点のグランパスを得失点差で2上回って、高円宮杯出場権を獲得圏内の2位で1巡目を終えることができた。試合自体も下級生が活躍し、結果を残すなど好材料も多かった。大会はこれで1ヶ月間中断。他チームに比べて明らかに完成度で劣るだけに、この中断期間は重要だ。課題は明白。5試合9失点は、上を狙うには厳しい数字だ。そのうち4点をセットプレーから失い、前後半開始から・終了までの10分間 (計40分) に6失点するなど、失点パターンもはっきりしているだけに、対処の方法はいくらでもあるだろう。180cm台が3人いながら40回のCKからの得点がないなど、15点を奪った攻撃面でも改善の余地は大きい。

磐田東高      清水エスパルスユース
1(1) シュート 14(9) ○竜男、◎長沢、◎滝戸、×長沢、×長沢、○滝戸、○竜男、○小出、×克彦、×竜男
               ◎桑卓、◎藤牧、×滝戸、◎藤牧
3(1) 右クロス 11(3) ×竜男、◎小泉、×滝戸、×桑彬、○滝戸、×滝戸、×渥美、×滝戸、×渥美、×渥美
               ◎滝戸
0(0) 左クロス 5(2) ×小出、×小出、○佐諒、×小出、○桑卓
0(0) 右側CK 2(2) ○滝戸、○滝戸
0(0) 左側CK 2(0) ×滝戸、×滝戸
0(−)  犯OS  1(−) ・小泉
5(1) ファウル 1(0) ・克彦


▼試合結果

清水エスパルスユース 7−2 磐田東高等学校
 得点:前半06分:磐田東・西岡 竜平 (浜田シンジ・ショートパス)
    前半35分:清水Y・町田 朋弥 (佐野 諒 ・スルーパス)
    前半36分:清水Y・長沢 駿 (佐野 克彦 ・スルーパス)
    前半39分:磐田東・本間 誠也 (吉崎 清生 ・シュートリバウンド)
    後半10分:清水Y・長沢 駿 (小泉 慶治 ・右クロス)
    後半13分:清水Y・滝戸 諒 ※フリーキック
    後半44分:清水Y・桑原 卓哉 (滝戸 諒 ・右クロス)
    後半44分:清水Y・藤牧 祥吾 (桑原 卓哉 ・パスカット)
    後半44分:清水Y・藤牧 祥吾 (滝戸 諒 ・シュートリバウンド)
 警告:後半34分:磐田東・井本 拓朗 (ラフプレー)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●滝戸 諒 (2年・CH→RH)
 正確で狙いのあるロングキックで、CHとしてサイドチェンジを用いて試合をつくり、SHではクロスでアシスト。守備でも体を張って倒れず、粘り強く攻撃を跳ね返した。藤牧が入ってからは、何とか彼に点を取らせようと頑張っていた。

[私撰MIP]
●佐野 克彦 (3年・CB)
 ヘディング技術の拙さは大いに反省してもらいたいが、後半スペースが空き出すと、スピードを駆使して次々と速攻の芽を摘み取った。正確かつ大きなサイドチェンジで攻撃の起点になりつつ、機を見ては攻め上がって迫力あるドリブルも。

●小泉 慶治 (3年・RH)
 磐田東が吉崎の攻撃力を活かそうとスペースを空けたが、小泉にもスペースを与えることになった。加速できる距離を得た小泉は無敵。滝戸・佐野克のパスでスペースに抜け出す一方、足下で受けても単純なフェイントで軽々と抜き去った。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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