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2006年05月03日(水) プリンス東海 ジュビロ磐田戦

06年05月03日 (水) 12:00開始 清水総合運動場
 JFA プリンスリーグU-18 東海2006
 対 ジュビロ磐田ユース ※45分ハーフ
 天候:晴れ

▼試合展開

 前節及第点のプレーを見せた滝戸・池田のCHコンビだが、結局負傷交代となった池田は今節ベンチ入りもせず。滝戸・佐野諒が先発し、これで全4節で異なるコンビが先発することになった。他は開幕から不動。3年生8人、2年生2人、1年生1人。怪我人もあり、2ヶ月前の静岡県ヤングサッカーフェスティバルに比べて5人が入れ替わっている。
 一方の磐田も4人が入れ替わり。システムも3-4-3から、トップ下を置く3-4-1-2に変えてきた。だが、磐田ユースの戦術の基礎となるフラット3のシステムは不変。一方で高円宮杯準優勝を飾った2年前の頃は、両WBが高く広くサイドに張っていたが、今回は守備時に中に絞って中盤を助ける修正が行われていた。大畑 (ベンチ外)・杉本・松井がU-16代表、松本・渡邉・須崎は元U-16代表。今回、U-16代表に選ばれた佐藤は清水の前田同様、イラン遠征中で欠場し、また元U-16代表の中島・原田開・山本康は怪我で欠場を余儀なくされている。先発は3年生6人、2年生3人、1年生2人。

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:吉田、岩崎、渥美、望月卓、小出、西澤、神田、山崎竜、藤牧
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
− 桑原彬 −岩本− 佐野克−桑原卓 −
−−−−−−滝戸− 佐野諒 −−−−−
−−小泉−−−−−−−−− 佐野傑 −
−−−−−−長沢−−町田−−−−−− 交代:なし

−−−−−−稲葉− 伊藤佑 −−−−−−
−−−−−−−−押谷−−−−−−−−
−−松井−−杉本−−白井−−渡邉−−
−−−−田中−−須崎−−茂内−−−−
−−−−−−−−松本−−−−−−−− 交代:なし
 控え:赤堀、下村、進士、井上、中倉、今福、山本浩、加藤、伊藤大
ジュビロ磐田ユース

 経験値の浅い高校勢との試合とは違い、ましてジュビロは対戦済みの相手。特に戸惑いを見せるまでもなく、清水がペースを掴む。オープニングシュートこそ7分、40Mの位置から大きく外した松井のFKに譲ったが、9分に小泉の右CKのこぼれ球をファーで佐野克がボレー、10分にFW長沢とのパスワークからLH佐野傑の左クロスにFW町田惜しくもオフサイド、11分、CH佐野諒のクサビを町田とDFが競り合い、こぼれを素早く長沢のスルーパス。RH小泉が飛び出してPA内シュートを放つが、ニアに外す。そして、その勢いが持続しているうちに12分、町田のドリブルはDFにカットされるが佐野諒がフォロー、巧くクリアを空いていた左スペースに送り、そのまま自ら持ち出してクロス。DFの合間に跳び込んだ長沢が長身を前傾、頭で鮮やかにファーへ決め、清水が先制する。1−0。
 ここまで磐田はボール処理の技術と球際の強さで劣り、セットプレー以外に好機を見出せずにいた。ところが16分、LW松井とOH押谷のコンビで左サイドから清水のプレスをかわすと、クサビを受けてFW稲葉が突破を仕掛ける。CB岩本が芝に足を取られ抜け出されかかるが、そこはLB桑原卓がカバー。が、桑原卓は岩本がバックパスを受けるために位置を下げていると、思いこみをしてしまう。そこにいたのは岩本ではなく、磐田FW伊藤佑。なんなくゴールを決め、1−1。それでも清水は21分、町田のドリブルかカットされるがCB佐野克が奪い返すや、60Mダイアゴナルフィード。駆け抜ける小泉がマイナスに右クロスをグラウンダーで送り、中央フリーで走り込んだ町田。が、ボレーを枠上に外してしまった。

 その後、清水は勢いを失う。その理由は一つに芝に足を滑らせ、相手のカウンターを許したこと (25分:岩本が滑らせ桑原卓がカバー、35分:桑原彬が足を滑らせ桑原卓がカバー)。二つに主審が競り合いでの体の使い方に対して異常に厳しく、背中でブロックするプレーがしばしばファウルをとられ、相手のセットプレーを許したこと (24分:桑原卓のファウルから、松井のFKを須崎がヘッド)。三つに逆風のせいもあり、ヘディングクリアの質が悪く、相手のロングボール攻勢を許したこと (28分:岩本の目測ミスをGK山崎晃がカバー)。清水は守備からリズムを失った。攻撃では34分、RB桑原彬のサイドチェンジから桑原卓が左クロス、長沢とDFが競り合う背後に佐野諒がするすると侵入してヘッドも、勢いなくGK。35分、小泉の単独突破から右クロスに佐野傑がボレーを狙うが撃ちきれず。追加点を奪えない。
 理由の一つめが1失点目に繋がった。残り2つも、失点に繋がる。39分、伊藤佑に対して体を入れた桑原卓がファウルになり、右タッチライン沿い35MからFK。松井の左足キックを中央密集地からすっと離れた166cmの伊藤佑が、ゴール左に頭で流し込んで、1−2。今大会、セットプレーからの失点は6点中3点目だが、44分の場面では完全に集中力を欠いた。GK松本のロングキックを岩本がヘッドで後逸、みすみす左CKを与える。ゴール中央の伊藤佑をフリーにしただけでなく、キッカー松井との空間に障壁となる選手なし。ストレートの低く速い弾道をダイビングヘッドでゴール左に折り返し、伊藤佑はハットトリック達成。1−3。多くの時間帯で優位に進めながら、ミスの代償を払うこととなった。

ジュビロ      清水エスパルスユース
7(4) シュート 6(2) ×克彦、×小泉、◎長沢、×町田、×町田、○佐諒
0(0) 右クロス 2(2) ○小泉、○小泉
1(0) 左クロス 3(2) ×佐傑、◎佐諒、○桑卓
1(0) 右側CK 1(0) ×佐傑
1(1) 左側CK 3(0) ×小泉、×小泉、×小泉
0(−)  犯OS  4(−) ・長沢、・町田、・町田、・長沢
7(2) ファウル 9(4) ・佐諒、・岩本、×佐諒、×桑卓、・長沢、・滝戸、×桑卓、・佐傑、×桑卓

[後半]
清水エスパルスユース
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
− 望月卓 −岩本− 佐野克 −小出−−
−−−−−−滝戸− 佐野諒 −−−−−
−−小泉−−−−−−−−− 桑原卓 −
−−−−− 山崎竜 −長沢−−−−−− HT:桑原彬→望月卓、佐野傑→小出、町田→山崎竜 (左図参照)

−−−−− 伊藤佑−伊藤大 −−−−−
−−−−−−−−押谷−−−−−−−−
−−松井−−田中−−白井−−渡邉−− HT:稲葉→伊藤大
−−−−進士−−須崎−−茂内−−−− 17分:杉本→進士 (左図参照)
−−−−−−−−松本−−−−−−−− 34分:渡邉→山本、松井→中倉
ジュビロ磐田ユース (17〜34分)

 後半頭から行徳監督は、一挙3人を交代。こういう交代は戦術面以上に、チームの流れを変える意図が大きいだろう。投入された3人もそれに応え、気持ちを出して戦ったが、中でも満点の結果を出したのが山崎竜だ。開始早々、いきなり佐野諒からのスルーパスでLH桑原卓がGKと1対1になるが、ここは素早く距離を詰めたGK松本がストップ。2分、渡邉からCB須崎へのバックパスを長沢がカット、FW山崎竜が思い切ってミドルを狙うが枠上。3分、磐田押谷のファウルでPA右横からのFK。佐野克のFKをファーで長沢が折り返すが、結局誰にも合わずに再び佐野克の元へ。ここで佐野克は縦に勝負、と切り返してゴールニアを左足で巻いて狙う。これを山崎竜が強引に叩き込み、2−3。開始5分以内のゴールで、雰囲気が変わった。
 磐田も5分、LW松井のクサビをFW伊藤大がポストで戻し、押谷がもう一度縦に入れ、飛び出したDH白井のミドル、枠左。10分、松本のゴールキックを佐野克が後逸し、松井の右CK。ファーで茂内が戻し、須崎のヘッドはGK山崎晃がキャッチ。だがヘッドこそ安定しないが、岩本・佐野克は3失点の汚名返上に奮戦。というか、この2人は尻に火がつき、闇雲に広範囲をカバーしてる時の方が良い気がする。12分、桑原卓の右CKをファーで佐野克が戻し、岩本のヘッドは枠の上。14分、再び磐田、キープする伊藤大を追い越したRW渡邉がフリーで右クロス、だがこちらも燃えるGK山崎晃が飛びついてキャッチ。と、素早くスローでプレー再開。左に開いたLB小出が速いクサビを入れると、長沢が頭で鈍角で裏に流す。DFと同体から抜け出した山崎竜がGKと1対1、冷静に中央へお膳立てし、長沢が流し込む。3−3。同点!

 磐田は17分、杉本に代えて178cmの進士をDFに投入。163cmの田中をDHに移し、高さ対策を図る。だが清水の勢いは止まらず21分、FKをキャッチしたGK山崎晃が素早くスロー、RB望月卓?のクサビを長沢がスルーパスで流し、桑原卓が右から独走するが、左足に持ち替えようと切り返したところで、DFカット。25分、岩本が前に出てパスを奪い、そのままミドルを放つが、GK松本がキャッチする。そしてGK、大きくパントキック、を山崎竜が体でブロック。こぼれ球を長沢が拾うと、立ち塞がるDFを上体のフェイントでタイミングを外し、足首で押し出すように流し込んだ。3−4。逆転! 更に28分にも松井のFKをGK山崎晃がキャッチすると、素早くパントキック。桑原卓が単独突破を図り、PA内に切れ込んだところ、戻すと追走していた佐野克の右45度ミドル。だが、惜しくも左に外れた。
 34分、磐田・内山監督は一挙2名交代。直後のスローインに佐野克のサイドチェンジから小泉が単独突破、切り返してのシュートがファーに外れる場面こそあったが、運動量を持ち直し反撃の余力を得る。そして39分、RW山本の外を回って追い越したCH田中がフリーで右クロスを上げ、ファーで伊藤大が落とし、跳び込んだ押谷。ヘッドはGK山崎晃の腕を抜け、が、左ポストに弾かれる。ゴール前に転がったボールを小出が体を張ってクリア、右CKに。小出が痛んでいたが、磐田は素早く再開。ファーに流れたボールを白井が拾って突破、左クロスは佐野克が体でブロック。更に伊藤大が拾ってクロスを入れるが、GK山崎晃が飛びついてキャッチした。

 以後、残り時間の消化の仕方にやや不満は残ったが、全員で体を張って何とかタイムアップ。2点差からの大逆転勝利を飾り、次節直接対決を迎える静学・名古屋を、勝点差それぞれ5と3で追走している。次節でインターハイ・クラブ選手権予選のため、プリンス東海は一巡終えて中断。磐田東にきっちり勝利を収め、後半戦に繋ぎたい。

ジュビロ      清水エスパルスユース
6(2) シュート 11(5) ○桑卓、×竜男、◎竜男、×岩本、◎長沢、×克彦、○岩本、◎長沢、×克彦、×小泉
               ×竜男
7(2) 右クロス 4(1) ×小泉、◎克彦、×岩本、×卓馬
2(0) 左クロス 1(0) ×小出
2(1) 右側CK 3(2) ○桑卓、○桑卓、×桑卓
0(0) 左側CK 0(0)
1(−)  犯OS  6(−) ・竜男、・竜男、・長沢、・桑卓、・小泉、・小泉
7(1) ファウル 9(4) ×克彦、・小泉、×佐諒、・岩本、・滝戸、・克彦、・小泉、×小出、×長沢


▼試合結果

清水エスパルスユース 4−3  ジュビロ磐田ユース
 得点:前半12分:清水・長沢 駿 (佐野 諒 ・左クロス)
    前半15分:磐田・伊藤 佑介 ※相手パスミス
    前半39分:磐田・伊藤 佑介 (松井 優人・フリーキック)
    前半44分:磐田・伊藤 佑介 (松井 優人・左コーナーキック)
    後半04分:清水・山崎 竜男 (佐野 克彦・右クロス)
    後半15分:清水・長沢 駿 (山崎 竜男・ショートパス)
    後半25分:清水・長沢 駿 (山崎 竜男・相手パスブロック)
 警告:前半35分:磐田・須崎 恭平 (ラフプレー)
    後半25分:清水・山崎 竜男 (反スポーツ的行為)
    後半28分:清水・小出 洋孝 (遅延行為)
    後半40分:磐田・茂内 建佑 (ラフプレー)


▼選手寸評

[私撰MVP]
●山崎 竜男 (3年・FW)
 投入後45分で1得点2アシストと、逆転のためのゴール全てに絡む。あまりプレー幅の大きい選手ではないが、泥臭く前に行く姿勢が、得点を取るしかないチームに勇気を与えた。長沢との距離感も悪くなく、コンビネーションに改善の兆し。

[私撰MIP]
●長沢 駿 (3年・FW)
 ハットトリック達成。裏を窺う動きを精力的にこなしつつ、国際試合で自信をつけたか、空中戦ほぼ完勝、体を上手く使って度々ボール奪取にも成功した。特に終盤押し込まれた時間帯では、流れの中で中盤に下がってフィルター役になった。

●滝戸 諒 (2年・CH)
 ダブル諒ボランチは攻守に活躍。第二ボランチとして縦にパスを加速する佐野諒も光ったが、それも第一ボランチで体を張り続けた滝戸諒の後援あってこそ。競り合いの中で体を当てることを厭わず、その後も非常に粘っこく食いついていた。

[相手方好印象選手]
●伊藤 佑介 (3年・FW): 常に前に向かう姿勢を見せたFORWARD。強引にシュートまで持ち込む闘志が、ハットを導く。
●松井 優人 (1年・LW): 左足のキックは種類こそ少ないが、実にパワフル。流れの中でも体を張り、計算できる存在。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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