2005年02月06日(日) |
練習試合 東海大翔洋高校戦 |
05年02月06日 (日) 09:30開始 鈴与三保グラウンド 練習試合 対 東海大学附属翔洋高校 ※40分ハーフ 天候:晴れ
▼布陣 前半: 後半: −−−−−−町田−−長沢−−−−−− −−−−− 山崎竜 −長沢−−−−−−
− 桑原卓 −−−山本−−−−谷野−− −−神田−−−−−−−−−−小泉−−
−−−−−−−−深澤−−−−−−−− −−−−−−高野−−池田−−−−−−
−−佐野−−高野−−岩本−−渥美−− − 桑原卓 −佐野−−岩本− 桑原彬 −
−−−−−−−−前田−−−−−−−− −−−−−−− 山崎晃 −−−−−−− ※赤字は特別参加選手 交代:後半27分:長沢→山本 (そのままFWに)
東海大学附属翔洋高校: 前半: 後半: −−−−−−11−−19−−−−−− −−−−−−19−−20−−−−−− −−23−−−−−−−−−−18−− −−25−−−−−−−−−−18−− −−−−−−05−−07−−−−−− −−−−−−16−−05−−−−−− −−09−−04−−13−−24−− −−15−−03−−04−−24−− −−−−−−−−01−−−−−−−− −−−−−−−−01−−−−−−−− 交代:前半17分:23→25 交代:後半19分:18→07 後半26分:01→12、24→17 後半36分:19→18
▼試合展開 東海大翔洋高との練習試合。静岡の高校は新人戦の最中だが、監督の内藤 (直樹、エスパルスOB) が望月保次育成Gリーダー (翔洋の前身の東海第一で高校選手権初出場・初優勝) の要請を断れるはずもなかろう (苦笑)。翔洋は、前日の新人戦で静岡北と分け、第1ラウンド1勝2分の2位通過でベスト16入り、決勝トーナメントに駒を進めている。3戦全戦完封は素晴らしいが、3試合で1得点は少し寂しい。とはいえ、今年に入って公式戦を既に7試合こなしており、豊生高校と対戦しただけの現時点のエスパルスとは、試合勘と組織力で大きな差があるのは確かだろう。 そのエスパルスユースは、アップの時点では20人が集合。新1年生と篠田・小出の姿がなく、代わってOBの深澤良輔 (4期、清水トップ→国士舘大) が特別参加していた。アップが終わった時点で新任トレーナーの下、石垣・柴田・八木が別調整組に。遅れて篠田と、今年トップの登録から外れた平岡直起も別調整組に加わった。よって、ベンチ入りは17名。豊生高校戦ではVTR係だった長沢も11番を付け、戦線復帰している。
[前半] CH真希の思いきったロングシュートが、豪快に枠を外して始まった試合。2分にも左SH桑卓が前線左サイドで奪って内側のFW町田へ、更に逆サイドに振ってPA右角から右SH谷野がフリーで狙うが、インに掛かりすぎて大きく右に外れる。清水は両サイドが相手を押し込み、FWと絡んで攻め立てるが、試合勘の問題か細かいミスが多い。それでも10分、左サイドに開いた桑卓が町田とのワンツーで斜めに切れ込むと、翔洋CB13番のファウルを誘いFK。左45度30M、絶好の位置でのFKに対し、真希が右足を一閃。正確に壁の横を突いた速いボールが、低く小さく曲がってファーに刺さり、1−0。清水が先制する。 先制後も流れは清水のまま。右SB渥美が積極的に上下運動を繰り返し、谷野と絡みながらパスをスペースで受け、攻撃にダイナミズムを与える。16分に再び桑卓のドリブルが倒されるとPA左横、角度のない位置からFK。真希のキックをDFがヘッドするも後逸、ファーでFW長沢が詰めるだけの決定機を迎えるが、力が入ったかシュートがアウトに掛かって枠外。それまでも味方と呼吸の合わない場面が散見された長沢だが、パスする前のポストプレー自体はよく動いて相手に絞らせず、悪くない。24分の長沢、真希のクサビを受けてドリブル、それを真希が追い抜きながらスイッチして右に大きく振る。谷野がDFの裏へと流したクロスに町田が抜け出すが、胸トラップが大きすぎてシュートの前にGKに拾われた。
ここまで翔洋の攻撃をセットプレー程度に封じ込めていた清水だが、特別参加のCH深澤が周囲と微妙にズレを見せ始める。深澤は元来、横パスやバックパスも混ぜながらじっくり組み立て、味方が押し上がった時点で後方からロングフィードで相手の急所を狙うタイプ。彼にはそれができる視野も技術もある。だが、今年のユースは真希に象徴されるように、縦に速く精力的に走って、一気に攻めきるスタイル。結果、真希がガンガン前と絡むのに対し、深澤が中盤の底に残される格好となった。攻撃面ではそれでもいいが、問われるのは深澤の守備力である。失点は正に、それによって生まれた。 29分、CB高野がPAを横切る安易なパス。CB岩本は慌ててクリアしようとするが、近くにいたFWが一気に距離を詰めてボールが引っ掛かる。それを高い位置で拾った翔洋右SH18番に深澤がチェックに行くが、交わされてCH7番へパス。バイタルエリアの守備としては、あまりに軽い。ノープレッシャーの7番がやや右寄り25Mからミドルを狙うと、GK前田の手から逃げるように綺麗にゴール左へ吸い込まれた。1−1。良いシュートではあったが、厳しく言えばプロ昇格を狙うなら、最低でもフィスティングで弾いてもらいたかった。 34分、左SB佐野が戻した岩本がロングフィード、受けた町田が背後に流すと桑卓が抜け出して左クロス、更に谷野がフォローして右からマイナスに折り返したボールを町田。PA外からインサイドボレーで狙うも、コースが甘くGK正面。失点後も清水がやや攻勢であったが試合は動かず、同点のまま前半を折り返した。
東海大翔洋 清水エスパルス 3(1) シュート 7(2) ×真希、×谷野、×長沢、◎真希、×町田、×長沢、○町田 1(0) 右クロス 11(3) ×谷野、×渥美、×真希、×谷野、○渥美、×渥美、○谷野、×深澤、×谷野、○谷野 ×渥美 3(0) 左クロス 3(1) ×佐野、×桑卓、○桑卓 1(0) 右側CK 0(0) 1(0) 左側CK 0(0) 0(−) 犯OS 3(−) ・町田、・真希、・桑卓 4(2) ファウル 3(1) ・町田、×佐野、×真希
[後半] 後半は清水がベンチの新2年生6人を一気にピッチへ。新3年生の殆どが前半でお役ご免となり、「高野と愉快な新2年生たち」の様相に。その高野は筆者が初めて見るCH起用である。後半開始前、行徳監督から細かく指示を受けていた。一方の翔洋も4人を交代。前半にも1人交代しているため、先発からは5人が代わった計算となる。
オープニングシュートこそ5番が積極的にミドルを狙った翔洋が記録するが (枠外)、その後は横幅をダイナミックに使う清水がペースを握る。3分、左に開いたFW竜男のサイドチェンジ、スペースで受けた右SH小泉が折り返し、ニアの至近距離で長沢のヘッドは、叩き落とせずに枠上。ベンチも苦笑する長沢の決定機逸2度目。5分、今度は中央やや右寄りからCH池田のサイドチェンジ。スペースに抜けた左SH神田が後ろに戻すと、左SB桑卓が繋いで高野のスルーパスに起点となった池田が裏に飛び出したが、ファーを狙ったシュートは枠を捉えず。 7分、神田からタッチライン沿いにスルーパス、左外を回った高野がDFを抜き去った上でマイナスに折り返すと、桑卓が駆け込んでシュート。DFに当たって威力の削がれたボールをGKが弾くも、小泉が突っ込む!…が、シュートはファーに外れた。15分、右SH小泉が中央に戻したところから。池田が縦にクサビを入れると高野がワントラップ、右回り反転からスルーパス。中央から右に流れてきた長沢はマークとゴールを背負っている状態だったが、背後へとトラップしつつ自らも左回り反転、DFを置き去りにして裏に抜け出した。188cmありながら、こういう持ち出しが実に巧い。そして、GKとの1対1にも実に強い。3度目の正直を飛び出したGK越しに決め、勝ち越し点をもたらした。2−1。 更に17分、中盤左サイド端でルーズボールを拾った神田と翔洋右SBが激しく衝突、神田が倒れた隙に、それを拾った桑卓がスルスルとドリブル。虚を突かれたか、プレスのないままPA手前まで持ち上がると、PA手前左60度から左足。綺麗にインに巻いた速いシュートが、ゴール右に吸い込まれた。3−1。
清水のここまでの攻勢は、池田に対して高野、神田に桑卓が前に出て守備に加わることで、翔洋を押し込んだものだった。だが、2点を追加してそれも小休止。キープレーヤーの7番を右SHに再投入した翔洋も、高い位置で起点を作りはじめる。それでも、翔洋の攻撃は守備組織を崩す前に強引にクロスやミドルを狙うものが多く、岩本と佐野のCBを軸に問題なく処理。ただ、中盤が押し込まれてしまい、翔洋の攻撃が続く嫌な時間帯になった。 27分に真希を再投入しても流れは変わらずに31分、清水の右サイドに流れたボールを右SB桑彬がクリアするが、左SH25番が拾って再び翔洋ボール。少し持ち上がって中央に入れたボールは弱いが、桑彬のカットは掠ったのみで、FW20番の下へ。対応した岩本に対して半身ズラし、強引にPA外からシュートを放つ。当たり損ね、だがブラインドになったかGK晃太の反応は鈍く、ボールはゴール左端に転がった。3−2。
1点差で拮抗したまま36分、高野に対して翔洋のファウル、クイックリスタートから神田のドリブルはカットされ、左CKとなる。真希はショートコーナーを選択し、高野→真希→神田と繋いで中に入れたがクリア。翔洋のカウンターは相手陣内で食い止め、佐野が中央突破を仕掛けるがPA手前で潰される。そのクリアを拾った高野、縦に低くクサビを入れると、倒れていた佐野が粘ってキープ、出し手の高野がそこに突っ込んでスイッチ、PA内へ。GKとの1対1を高野は、右足インサイドフックで左足に持ち替えて突破する。前半はCBだった選手とは思えない鋭いフェイント、そのままゴールに流し込んだ。4−2。 続けて翔洋のキックオフを素早く奪い返した清水は、左オープンスペースにロングフィードを送る。そこに抜け出したのは、フル出場と思えない体力の桑卓、DFの裏への速いクロスに右からニアへと走った竜男が頭を巧く捻り、ゴール右に流し込んだ。5−2。この完璧な形での得点で勝負あり。失点時の集中力の欠如は気になったが、新チームとは思えない豊富な攻撃パターンを見せ、攻撃力で押し切った。
東海大翔洋 清水エスパルス 4(3) シュート 8(5) ×長沢、×池田、○桑卓、×小泉、◎長沢、◎桑卓、◎高野、◎竜男 3(1) 右クロス 1(1) ○小泉 1(0) 左クロス 6(3) ×竜男、○高野、×神田、×神田、○長沢、◎桑卓 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 2(0) ×高野、△真希 1(−) 犯OS 0(−) 1(1) ファウル 4(2) ×池田、・高野、×佐野、・真希
▼試合結果 清水エスパルスユース 5−2 東海大翔洋高校 得点:前半10分:清水・山本 真希 ※直接FK 前半29分:翔洋・07番 (18番 ・ショートパス) 後半15分:清水・長沢 駿 (高野 美臣・スルーパス) 後半17分:清水・桑原 卓哉 ※ドリブルシュート 後半31分:翔洋・20番 (25番 ・ショートパス) 後半37分:清水・高野 美臣 (佐野 克彦・ポストプレー) 後半38分:清水・山崎 竜男 (桑原 卓哉・左クロス)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●桑原 卓哉 (2年・左SH→左SB) スペースにランして使われ、下がり目からパスで味方を使うのも良し。外に開いてのクロスは精度が高く、中に切れ込むドリブルもキープ力がある。豊富な攻撃パターンを状況によって使い分け、変化を与えていた。守備にもう少し粘りがほしい。
[私撰MIP] ●佐野 克彦 (2年・左SB→CB) 恵まれた体格に加えてスピードでも上回り、このレベルでは飛び抜けた存在である。SBとして上下運動も盛んだが、左足フィードにも良いものを見せていた。攻撃に色気を出して裏を取られることもあったが、岩本が的確にカバーして破綻なし。
●高野 美臣 (3年・CB→CH) CBではパスや1対1の対応にケアレスミスがやや目立ったが、CHという新境地に意欲的に取り組む。DFでも日頃から見せている視野の広さや当たりの激しさだけでなく、ドリブルやフリーランといった攻撃面でも本職の選手と遜色なかった。
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