2004年07月03日(土) |
プリンス東海 ジュビロ磐田戦 |
04年7月3日 (土) 18:00開始 ヤマハスタジアム JFAプリンスリーグU-18 東海 2004 第7節 対 ジュビロ磐田ユース ※45分ハーフ 天候:曇
▼布陣 先発: 終了間際:
−−−−−−長沢−−石垣−−−−−− −−−−− 篠田悠 −石垣−−−−−−
− 鈴木真 −−−−−−−− 山本真 − − 鈴木真 −−−−−−−−−小泉−−
−−−−−−上埜−−池田−−−−−− −−−−− 山本真 −池田−−−−−−
− 桑原卓−佐野克− 村越−−渥美−− − 桑原卓−佐野克− 村越−−渥美−−
−−−−−−−−風間−−−−−−−− −−−−−−−−風間−−−−−−−−
控え:晃太、岩本、桑彬、谷野、枝村、八木、小泉、篠田悠、町田 交代:後半00分:長沢→篠田悠 (そのままFWに) 後半19分:上埜→小泉 (山本真をCH、小泉を右SHに)
ジュビロ磐田ユース:
−−−−−−増田−−藤井−−−−−−
−−−−−−−−中村−−−−−−−−
−−中島−−上田−−徳増−−石神−− 交代:後半00分:中島→白井 −−−−萩原−−森下−−和田−−−− 後半20分:徳増→宮本 後半31分:石神→佐藤 −−−−−−−−八田−−−−−−−− 後半35分:増田→渡辺
▼試合展開 GK前田、DF美臣は怪我から復帰せず、更にグランパス戦で出色の内容だったMF枝村と岡村がベンチからも外れた。さすがにプリンス東海序盤戦よりはマシなメンバーだが、0−5の大敗を喫したクラブ選手権静岡予選での対戦時を上回る野戦病院状態に逆戻り。ううむ…。枝村はアップの前までは顔を見せており、また真司がトレーナーの澤野さんとアップするなど、明らかに不自然で、直前に足を痛めたのかもしれない (枝村は結局控え登録、後日の情報によると怪我をした右スネを再度痛めたとのこと) 。また篠田悠は、グランパス戦で痛めた足を気遣っての様子見か、それとも戦術上の賭けに出たのか、先発を外れた。3年生4人、2年生2人、1年生5人。 一方の磐田は、エースの岡本が出場停止。代わりはサイドを務めることも多い増田が担当する。とはいえ、八田−森下−徳増・上田−中村−藤井と、世代別代表歴のある最上級生を並べたセンターラインは圧巻だ。3年生は萩原も含めて7人、2年生が3人、1年生はU-16代表の中島のみが先発した。
(今年2回目のダービーに臨むメンバー。左から村越、真希、風間、上埜、長沢、佐野、真司、渥美、桑卓、池田、石垣)
[前半] 立ち上がりは (主に清水の) サポーターが声援を送る、いつもとは違う雰囲気の中、互いに様子見の様相。だが、そんな重い空気は、突如として破られる。5分、右に開いた中村から内側にパスを折り返すと、右WBの石神が入れ替わって縦に走り込み、PA内に斜めのパスを送る。が、それを読んだ渥美が落ち着いて対処、…したかに思われたが、頭で戻したボールが完全にGK風間と呼吸を乱す。風間は横っ飛びで一度は掴んだが無情にもこぼれ、右ポスト側に転がるボールを走り込んだ増田が、余裕を持ってゴールに蹴り込んだ。0−1。実に呆気ない幕開けとなった。 動揺の見える清水に対し、前線からの出足が非常に良い磐田。12分に真希のスローインを上埜が右クロス、これを石垣が高さを活かしてPA内に競り落とし、長沢→石垣→長沢と繋ぐがトラップ失敗、清水はそんな突発的な好機があった程度。ひたすら守勢に回ることになる。磐田のロングボール攻撃と積極的なフォアプレスを前に、せっかく長沢・石垣のツインタワーを前線に揃えながら、押し下げられた最終ラインはルックアップする余裕もない。一方、ボランチにボールを一度預けて、その間に最終ラインを押し上げようとしても、ボランチが必要な時間を稼ぐ「溜め」をつくれない。卵が先か鶏が先か、結局、苦し紛れにボランチに短いパスを預けては、それを狙い通りに磐田に奪われた。1年生ボランチの池田は、それでも何度か良いパスを通したものの、潰し役と繋ぎ役を一手に担うのは、あまりに過重負担。溜め役と繋ぎ役の不在、…枝村の穴が重くのしかかる。 だが、失点から5分を過ぎたあたりから、最終ラインは勇気を持って押し上げるようになり、前線の動きも活性化して清水の時間も生まれてくる。だが、その隙こそ磐田の狙い目。結局のところ、守→攻に切り替えた際、前掛かりの相手が空けた隙を複数が連動して突く素早いフィニッシュこそ、磐田の最大の武器。ユースレベルでは珍しい、非常に現代的でソリッドな、大人のサッカーだ。17分、速攻から右に開いた中村がクロス、これを上田が飛び出してボレーはGK風間、こぼれたのを更に中島が詰めるが、風間の正面。18分にも速攻。清水の右からの攻撃を跳ね返すと、ロングボールを逆サイドで残っていた石神、右からスピードに乗って桑卓を振り切り、更にPA手前の切り返しでCB佐野を外して、最後は広大なシュートコースからゴール右を選択。簡単に決めてみせた。0−2。石神の個人能力のゴールではあるが、シュートコースを切らずに安易に飛び込んだ、1年生の若さが出た失点でもある。
高い最終ラインをカウンターで崩されての失点は、1失点目以上にダメージが大きかった。最終ラインを深く引いて跳ね返すのか、浅く押し上げるのが、意思統一されないままに磐田のフォアプレスを食らう。21分、藤井の突破から上田の右CKは、ニアで藤井がバックヘッドで流してファーポスト直撃、更にリバウンドを中島に拾われ、アーリークロスにファーの藤井が合わせるが、GK正面。波状攻撃。どうにか耐えた清水は31分、上埜が右サイドに捌いたボールから渥美が真希とのワンツーで突破し、右CKを得る。真司の左足キック、これをファーで「空中戦最強」石垣が強烈なヘッドを放つが、クロスバーを直撃。言っても詮無きことながら、これが決まっていたら、その後の展開もだいぶ違っていただろう。リバウンドは真希が拾い、シュートはブロックされるが自ら拾って左に流し、佐野のクロスはGK八田。 精神的に持ち直したか、それまでPA直前でしかボールを奪えないほど押し込まれていた清水は、だいぶ高い位置でプレスを掛けるようになる。36分、磐田陣内でポストに戻った増田から石神へのバックパスを池田がカット、そのまま突っ掛け、右に切り返してシュートを放つが、枠上に外れる。38分には、桑卓の縦パスを素早く池田が右に流し、真希がPA横から突破を仕掛ける。シュートをDFがブロックするが、なかなか良い展開だった。 だが、そうなると火を噴くのが磐田のカウンター。組織的に完成度の高い磐田は、能動的に相手を崩すより、相手がさらけ出した隙を広げて攻めるのを得意としている。清水のような個人技は高いが、故にそれに頼って組織に粗の多い相手は良いカモだ。真希の突破で得た38分の右CK、真司のキックをDFが跳ね返し、もう一度自ら拾ってクロスも跳ね返すと、一気呵成に石神が突き進む。追走する桑卓にコースを塞がれながらも放ったシュートは、渥美?がクリア。が、攻め上がった上田が拾い、放ったシュートは右ポストに命中する。三度、清水の最終ラインは乱れ、44分にも石神が右サイドを疾走、上げたクロスは渥美が跳ね返すが、中島に拾われて左クロス。これが村越が抑えるが、痛恨のパスミスが上田の前へ。上田が躊躇なくミドルを放ったが、大きく左に外れた。 ラインを下げれば、奪った後にボールを溜め・繋ぐ能力がなくて波状攻撃を食らい、ラインを上げればカウンター。八方塞がりのまま、後半を迎える。
(44分、流れた渥美の右クロスを抑えた池田に対し、和田のファウルで真希の直接FK。その和田に直撃し、悶絶させる)
磐田 清水エスパルス 16(9) シュート 3(0) ×石垣、×??、×池田 6(2) 右クロス 4(1) ×石垣、○上埜、×渥美、×真司 4(2) 左クロス 2(0) ×佐野、×真司 2(1) 右側CK 2(1) ○真司、×真司 0(0) 左側CK 1(0) ×池田 1(−) 犯OS 1(−) ・長沢 6(2) ファウル 4(0) ・池田、・石垣、・長沢、・真司
[後半] 後半頭から悠輔を投入。彼の機動力・キープ力、そしてマリーシアを武器に、序盤は清水が流れを掴む。1分には悠輔自ら突破し、タックルを受けて (巧く) 転びながらパスを出すと、石垣が左に大きく捌いて真司のクロスは中央に合わず。2分に池田のパスミスから上田に際どいシュートを撃たれる場面もあったが、4分、相手陣内で池田が上田?からボールを奪うと、捌いて左60度から真司のドライヴミドルはGK八田が僅かに触れてディフレクト、僅かに枠上。
(4分、真司のシュート後の池田の左CKは、ファーで佐野が折り返したものの、磐田DFにクリアされる)
7分、村越がアンティシペーションで奪って悠輔にクサビ、素早い反転から真司に捌くと、クロスはGK八田が長身を活かして抑える。しかし、繰り返すが相手が前掛かりになった時こそ、磐田の好機。10分、ロングボールを清水陣内で抑えた藤井、佐野と桑卓が囲みに掛かるが、適切なキープから右に捌くと石神がフリーで飛び出す。満を持して上げた右クロスに、トップ下の中村が飛び出すと、これもフリー。しかも、PA内でワントラップする余裕まで得て、悠々とゴールに流し込んだ。0−3。続けざまに12分、磐田の右サイドからの攻撃を桑卓が防ぎ、佐野に繋いだところ、佐野が痛恨のパスミス。目の前の藤井に渡してしまい、藤井は足下に入ったボールを巧みに処理して、ゴール右ニアギリギリにミドルを叩き込んだ。0−4。清水はその直後の14分に、怒りの真希の中央突破からPA内の真司にスルーパスが通るが、真司はDFを外そうとして逆に囲まれ、シュートチャンスを逃してしまった。 実のところ、磐田は疲れていた。前半から猛烈な勢いで、フォアプレスを仕掛け、活発なオフ・ザ・ボールの動き出しをしていたからだ。勿論、それを代償に4点のセイフティ・リードを得たのだから、全く問題はない。この後は、出来る限り残り時間の密度を薄めに掛かる。「リベロ」の森下が最終ラインでフリーになってロングボールの供給役になり、山なりのボールを清水の両サイドに送り込む。2トップがサイドに流れて対応するのだが、拾えなくても全く問題はない。ボールが空中にある間は、当たり前のことだが、パスが出てくることはない。長い滞空時間の間に十分にラインを押し上げ、守備の組織を整えるのだ。森下がクリアする度に、清水の攻撃はやり直しになってしまった。
両者共に決定機を創れないまま、淡々と試合は進んでいく。25分に池田が左に捌いたボールから真司がクロス、すかさずGKとDFの間にポジションをとった悠輔がヘッドを放ったが、枠左上に惜しくも外れた程度。とはいえ、ローリスクで遣り繰りする磐田も、疲れのせいで単純な1対1に遅れをとることが多くなり、盛んに選手を入れ替えて対応するが、警告も嵩んでくる。そんな状況下で32分、増田の左クロスを村越が頭でGK風間に戻そうとするがボールの勢いを殺しきれず、呼吸のズレた風間はキックでクリア。これを磐田に拾われると左に開いた白井のドリブルは渥美が食い止めるが、繋ごうとしたボールを上田?にカットされ、PA手前にクサビが入る。中村?がそれを中央やや右に流すと藤井。見事なキープで飛び込んだDFを外すと、針の目を通すようなミドルシュート。ゴール右ニアギリギリに決め、遂に前回の対戦と同じ5失点が記録された。0−5。 以後は悠輔が巧みなドリブルからファウルを誘い、宮本を17分の出場で退場に追い込んだが、この判定に磐田ベンチがエキサイト。清水の選手と口喧嘩し、第四審に宥められるなど、プレー以外の部分で大荒れに。大量失点もあって平常心を失った清水は、真希や小泉の突破に頼るばかりの単調な攻撃になったこともあって、10人になってローリスクの戦術を徹底した磐田に、危なげなく逃げ切られた。
磐田 清水エスパルス 8(5) シュート 2(1) ○真司、×悠輔 1(1) 右クロス 0(0) 4(0) 左クロス 4(1) ×真司、×真司、○真司、×桑卓 3(2) 右側CK 3(1) ×真司、×真司、○真司 1(0) 左側CK 2(1) ○池田、×池田 1(−) 犯OS 3(−) ・石垣、・真司、・小泉 5(0) ファウル 2(0) ・??、・小泉
▼試合結果 清水エスパルスユース 0−5 ジュビロ磐田ユース 得点:前半06分:磐田・増田 真士 ※相手パスミス 前半19分:磐田・石神 啓 ※ドリブルシュート 後半11分:磐田・中村 豪 (石神 啓 ・右クロス) 後半12分:磐田・藤井 貴 ※相手パスミス 後半35分:磐田・藤井 貴 (?? ・ショートパス) 警告:後半29分:磐田・和田 新吾 (異議) 後半30分:磐田・宮本裕太郎 (反スポーツ的行為) 後半37分:磐田・宮本裕太郎 (ラフプレー) 後半37分:磐田・萩原 洪拓 (遅延行為) 後半44分:清水・小泉 慶治 (遅延行為) 退場:後半37分:磐田・宮本裕太郎 (警告2回目)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●山本 真希 (2年・右SH→CH) 不甲斐ないスコアの中、一人気を吐く。押し込まれる時間が長く、彼自身もパスを受けるとすぐに複数人にプレスを浴びたが、それでも奪われず、味方の攻め上がりを待つ。守備の寄せも早く、特にドリブルに対する競り合いには無敵を誇り、守備範囲も広大。ポジションに関係なく、自陣ゴールライン際から敵陣のそれまで、縦100Mをカバーしてみせた。
[私撰MIP] なし
[個人的好印象選手 (相手方) ] 藤井 貴 (3年・FW) : 戦術的に動きつつ、神トラップや精妙なシュートなど個人技もあり、かつ身体能力も高い。 石神 啓 (2年・左WB) : ボールを足下から離さないジョカトーレなドリブラー。自ら能動的に仕掛ける際の起点。
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