2003年12月26日(金) |
JY: 高円宮杯 全国大会 ヴェルディ戦 |
03年12月26日14:00開始 西が丘サッカー場 高円宮杯 第15回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会 決勝トーナメント準決勝 対 ヴェルディジュニアユース ※35分ハーフ 天候:曇
▼布陣 −−−−−−町田−−長沢−−−−−−
− 杉山和 −−−−−−−−−小泉−−
−−−−−−神田−−池田−−−−−−
− 桑原卓 −佐野−−岩本−−渥美−−
−−−−−−− 山崎晃 −−−−−−−
控え:吉田、桑原彬、田村、小出、滝戸、望月雄、山崎竜 交代:後半00分:池田→山崎竜(長沢をボランチ、山崎竜をFWへ)
ヴェルディジュニアユース:
−−−−−森本−−征矢−−−−−
−−−新福−−−−− 高橋賢 −−
−−−−−村杉− 高橋大 −−−−
−落合−−金沢−−笠松−−古川−
−−−−−−−中根−−−−−−−
交代:前半11分:征矢→皆川、後半20分:高橋大→柴田、後半28分:皆川→宮川 後半35分:笠松→小坂
▼試合展開 清水は、高円宮杯東海大会以降のベストメンバーを組んだ。F東京に勝った面子で、勢いの持続を期待したい。対戦相手のヴェルディは、最強世代のF東京に隠れた感はあるが、それに劣らぬ好チームである。彼ら自身は、東京予選でライバルに負けてしまったため、ナイキカップ全国の舞台に立つことはなく、清水との対戦戦歴もない(と思う)。しかし、一つ下の学年が全国で準優勝したため、世界大会に出場(全国大会のカテゴリはU-14、世界はU-15)。チームの成績は6位に終わったが、にも関わらず大会MVPに輝いた森本の名は、世界のユースヤクザに知れ渡ることになった。両チームの他に下馬評の高かったF東京・広島が既に敗北したため、この試合は事実上の決勝戦として、注目を浴びることになる。
(西が丘サッカー場の特性上、横からの入場。サッカー場を含む、国立スポーツ科学センターは取り壊しの計画があるらしく、周囲では撤回を求める署名活動が行われていた)
[前半] 寸評:互いに中盤の寄せが早く、潰し合いに終始した渋い展開。清水は前の試合のFC東京戦に比べると、特にサイドの2人の思い切りが足りず、ボランチ2枚が出し所に手間取って、カットされることが多い。一方のヴェルディは、起点になる存在=森本がいる分だけ、有利。森本は期待に応え、精力的に中盤に顔を出して繋ぎ役にもなり、古き良きヨミウリスタイルでゴールを目指した。前半も半分が過ぎると、個人技で上回るヴェルディが、散発的に好機を作るようになるが、山崎晃・岩本・佐野で築くトライアングルも強固で、ゴールを許さず。展開の速さを活かしたい清水だが、ヴェルディのボランチ以下の6枚は、李ヴェルディを思わせるほどソリッドな組織と個人を誇り、それを許さない。前半終了間際に、小泉の突破から上げたクロスが引っ掛かって、長沢がボレーで狙う場面があったが、クロスバー。スコアレスで折り返す。
ヴェルディ 清水エスパルス 5(2) シュート 1(0) ×長沢 6(3) 右クロス 2(1) ×小泉、○小泉 3(1) 左クロス 1(0) ×杉和 0(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 1(0) ×神田 0(−) 犯OS 4(−) ・杉和、・町田、・杉和、・佐野 5(1) ファウル 5(0) ・町田、・杉和、・長沢、・小泉、・岩本
[後半]
(後半16分、神田の左CKを跳ね返す森本。三種年代では絶対の高さで、守備にも貢献)
22分:ヴェルディの大きな高いロングボール、落下地点に先回りしたのは佐野だが、ダイレクトクリアのミスを恐れたのか、1度バウンドするのを待つ。しかし、佐野の想像以上に高く弾んだボールに処理を手間取り、その隙に一気に皆川が距離を詰めて、佐野を背負う。反転しようとする皆川と奪おうとする佐野が競り合うが、尚も処理にもたつき、その間に懸命に戻ってきた桑原卓が、2人の間に入ってカット。が、もつれ合って桑原卓と皆川が倒れた隙に、走り込んできた森本がボールを掻っ浚い、PA内。DFの裏でフリーでボールを持ったU-15代表選手が外すはずもなく、ヴェルディが先制する。
寸評:最初の5分は前半の流れのまま、ヴェルディは高橋賢らがドリブルとショートパスで、素早くゴールに迫ったが、次第に疲れから森本の運動量が落ちると繋げなくなり、展開速度で上回る清水が徐々に持ち直す。ヴェルディのロングボールは、佐野・岩本が、悉く跳ね返していた。だが、そのロングボールのクリアミスから失点すると、加藤監督は岩本・長沢をそれぞれ一列ずつ上げる、3−4−3を指示。けれども、慣れないパワープレーはむしろ、ヴェルディに絶好のカウンターを与えるだけに終わった。足を痛めた様子の佐野はロングボールを蹴れず、最終ラインからのボールは長身の長沢・山崎竜・町田に届く前に跳ね返されて、結局、同点後はシュートの1本も、CKの1本も打てないまま、03年清水エスパルスJrユース、最後の全国大会は幕を閉じた。
ヴェルディ 清水エスパルス 10(5) シュート 3(1) ○山竜、×町田、×町田 5(2) 右クロス 1(0) ×小泉 5(1) 左クロス 4(0) ×桑卓、×杉和、×神田、×岩本 3(0) 右側CK 0(0) 0(0) 左側CK 3(0) ×神田、×神田、×神田 0(−) 犯OS 3(−) ・杉和、・杉和 8(1) ファウル 7(1) ・小泉、・山竜、・渥美、・渥美、・小泉、・神田、×渥美
(深々と頭を下げたまま顔を上げられない、2003年度清水エスパルスJrユース主将、岩本大。前日の大瀧に面影が重なる)
(笑顔のない表彰式。Who Wants It?)
(そして、表彰写真。この悔しさは、昇格してユースでぶつけてくれ、たらいいなあ)
▼試合結果 清水エスパルスジュニアユース 0−1 ヴェルディジュニアユース 得点:後半22分:ヴェ・森本貴幸 警告:前半07分:清水・長沢駿 (ラフプレイ) 後半30分:ヴェ・宮川貴司(ラフプレイ)
▼選手寸評 [私撰MVP] ●岩本大 70分間出場 長身森本と、互いに敢えて「柔らかさ」で勝負する対決は、見応えがあった。岩本自身は、巧さに幾度か翻弄されつつも、読みとカバーリングの速さで凌いでいた。最後の悔し涙は、必ず成長の糧になるはず。
[私撰MIP] ●山崎晃太 70分間出場 岩本や佐野が上手くコースを切ってるせいもあるが、シュートに対する反応で、抜群の鋭さを示した。ヨミウリのように、分かりやすいドリブルシュートに対して、絶妙の距離と位置を保っている。
●佐野克彦 70分間出場 後半のロングボール攻撃に対しては、正に鉄壁。ドリブルでの勝負にも、全く負けていない。自らのミスが決勝失点を導いてしまったが、足を痛めながらも最後まで勇戦した姿を、褒め称えたい。
[個人的好印象選手(相手方)] 森本貴幸(中3):巧くて強くてデカい、河田兄@スタムダンクのような選手。攻撃の要にて、全て。 笠松亮太(中3):奔放な攻撃を支えたソリッドなDF。高さに加え、抜群のカバースピードも有する。
|