2003年03月22日(土) |
中日本スーパーリーグ U-17 奈良育英高校戦 |
03年03月22日14:46開始 清水市営競技場 第6回中日本ユースサッカースーパーリーグ(U-17) 対 奈良育英高校 ※40分ハーフ
▼布陣 −−−−−八木−−獅子内−−−−
−岡村−−−−−−−−−−柴田−
−−−−−上埜−−高柳−−−−−
−高野−−村越−−石垣−−雄也−
−−−−−−−前田−−−−−−−
交代:後半06分:八木→望月(柴田をFW、望月を右MFに) 後半18分:雄也→小林(そのまま右SBへ) 後半18分:高野→田淵(そのまま左SBへ)
奈良育英高校:
−−−−−18−−63−−−−−
−−−−−−−71−−−−−−−
−76−−50−−35−−43−
−−−88−−15−−33−−−
−−−−−−−12−−−−−−−
交代:後半05分:35→73、後半09分:12→16、後半19分:63→70 ※Aチームは、大垣フェスティバルに行っていたようだ。
▼試合展開 清水駅到着。PCをコインロッカーに預けようとするが、…見あたらない。駅の改築工事とやらで、撤去されてしまったようだ(涙)。遠方からの旅行客は、どうするんだよぉ。エスパルスが日本平を使わないうちは、日帰りの観光客は来ないのか? そうなのか? 仕方なく重い荷物を肩掛けて、新清水駅に。…ここにもない。探すと、あった。駅の構内に(苦笑)。少しせこいぞ、静鉄。頼んで、とりあえずロッカーだけ使わせてもらう。これで帰りは静鉄を使うことを約束されてしまった(笑)。 その後、オフィシャルショップに寄って、イヤーブックを貰ってこようとしたが、引替はセレッソ戦以降になるらしい。うーん、まあ草薙で貰えばいいか。でも、混みそうなんだよなあ。
藤枝東−星稜戦の後半から観戦。雨も降って、風も吹いて、実に寒い。本気で寒い。普通に風邪をひきそうだ。夜のJリーグは、屋根と人混みの分だけマシだろうか(結局、大して雨は降らなかったが)。相変わらず芝は綺麗で、グラウンドコンディションは問題なし。 前日の松商学園戦で、前半15分で篠田退場、後半25分で森安退場、その後PKで先制点献上と、審判の独壇場を許した清水。これで篠田・森安は累積警告で出場停止、真希もこの試合で負傷退場。また阿部・大瀧は昨日に続き静岡選抜の合宿、枝村は藤枝東戦で怪我(U-17代表は大丈夫だろうか)と、主力が悉く出場できない清水。しかし、奈良育英も大垣フェス出場で、大幅メンバー落ち。清水もさらに海人と真司を休ませ、試合に臨んだ。
[前半] 試合時間が押し気味で、前の試合から間髪置かず、慌ただしく試合が始まるが、試合展開も慌ただしく動く。開始数十秒、高柳の斜めのパスでいきなり抜け出した岡村が、早速左サイドからクロスを入れるが、これはDFに引っ掛かる。しかし、このクリアボールを右サイドでプレス、ルーズボールを拾った中央右よりの柴田がサイドチェンジ。残っていた岡村が最終ラインの外でフリーとなり、ワントラップから低くて速いボールをファーサイドネットに突き刺した。1−0。 早々に主導権を握った清水は、以後も優勢。前の藤枝東−星稜戦とは明らかに異なる、センターライン近くまで上げる高い最終ラインと激しいプレスを展開する。だが、奈良育英も中央PA内は厚く、清水は岡村の左を中心にサイドを崩すも、辛抱強く跳ね返される。逆に奈良育英は12分、中盤から素早くサイドに散らし、43番が高野と1対1に。縦をケアした高野の逆を突き、軽く横にスライドして右45度25Mほどからミドル。大きくファーサイドに流れて、タッチラインを割る。奈良育英は最終ラインを押し込めない上に、ロングボールの精度が無く、前田に脅威を与えることができなかった。
一方の清水は、厚い人の壁に個人技で対抗。16分、高柳からの縦パスから獅子内。マークを背負った状態から強引にターンすると、そのままクイックネスで抜け出てし、最終ラインに割り込む。そのままPA内、1対1となってドリブルシュートを放つが、ファーに外れる。 28分、上埜の20M級対角線フィードで柴田が右サイドを抜け出し、右クロス。これはDFに引っ掛かるが、すかさず岡村がフォロー。速く鋭く曲がるクロスに、ファーポスト至近距離で八木が頭で合わせるが、これをふかしてしまう。しかし、両サイドの崩しが、組織で繋がるようになってきた。 そして30分、右サイドから雄也がスローイン。ここで再度個人技炸裂。前方に投げたボールをタッチライン沿いで柴田が受けると、後ろ向きの姿勢から急速ターン。マークは完全に出遅れ、PA内に突入する柴田に、否応なくCBもう一人が寄せたところで、センタリング。八木がきっちりCBの間にポジションを取り、後は右足インサイドで合わせるだけで良かった。2−0。
その後、左右から連続でCKを得るが、3本目で跳ね返した奈良育英、センターライン右寄りでFKを得る。時間は34分。一気にPA内に蹴り込み、頭で合わせて前に送るが、前田がジャンプ一番、がっちりキャッチ。すかさず前田は20Mロングスロー、柴田が飛び出してカウンター。右サイドを直進、センターライン付近で中央へ戻すと、受けたのは高柳。さらに10M程突き進み、PA手前20M程でミドル砲炸裂。カン!と響き渡ったのは、ファーサイドネット下のバー。低く鋭いボールをブチ込んだ。3−0。トリプルカウンターアタックのようだ(笑)。
さらに36分、雄也の右サイドからのアーリークロスに対し、PAボックス角の浅い位置で柴田が受け、トラップからすかさず左にパス、岡村が斜めにフリーで走り込む。これも決定的だったが、シュートはゴール左へ外れる。 その後も岡村や高柳が、前後左右にボールを動かして相手を翻弄するが、得点は動かずロスタイム。ハイボールに岡村が相手と競って潰れたボールを、獅子内が拾う。反転して軽く突っ掛けながら溜めると、岡村が敏活に立ち上がってフォロー。その岡村に獅子内が叩くと、左のオープンスペースからクロス。沈み込んだボールを柴田がファーで軽く合わせて折り返すと、またも八木が中央至近距離でフリー。小さく右足を合わせて、丁寧にゴールへ押し込んだ。4−0。 試合全体を支配しただけでなく、開始直後と終了直前に得点を奪う効率の良い攻撃で、前半を終えた。
奈良育英 清水エスパルス 2(0) シュート 9(4) ◎岡村、×獅子、×八木、◎八木、×石垣、◎高柳、×岡村 ×高柳、◎八木 3(0) 右クロス 6(2) ×雄也、×柴田、×柴田、◎柴田、○雄也、×雄也 0(0) 左クロス 7(3) ×岡村、×岡村、×八木、○岡村、×高野、○岡村、○岡村 2(0) 左右CK 6(2) ×岡村、×岡村、×岡村、○上埜、○上埜、×岡村
[後半] 前半に良い時間に得点を奪った清水だが、後半も開始3分、石垣のロングフィードを、中央寄りで受けた岡村が突破。PA内に一気に侵入するが、タッチライン際で潰され、CKに。左CKを上埜が蹴り込むと、鋭く巻いて中央で村越がダイビングヘッド。自らもゴール中に飛び込む豪快なシュートが決まる。5−0。筆者は開始まもなくで、「こりゃ5点は獲れるな」と思っていたのだが、早くも予想達成。後は、どこまでいくか。
しかし、奈良育英も集中を切らさない。これに対し、清水も当然ながら焦ることなく、上埜・高柳の巧みに散らし、鍵を握る岡村は突破とサイドチェンジを使い分け、狙いを絞らせない。さらに高野の岡村との縦のポジションチェンジ、雄也のアーリークロスが、サイド攻撃に厚みを加える。 11分には、中央からの展開で高野が持ち上がり、さらに左外の岡村へパス。岡村は大きくチェンジサイド、望月がPA手前右寄りで受けて、それをなおも右へ流す。サイドにポジションを変えた柴田が受けるが、付いてきたマークに苦しんで再び望月へ。望月が今度は縦に送ると、柴田の空けたスペースに上埜が飛び込み、後方からの浮き球をテクニカルなボレーシュート。しかし、GK正面。 14分、相手ゴールキックに対し、高柳が頭でクリア。これを上埜が拾うと呼ぶ声に反応、すかさず左斜めに正確に捌く。岡村が抜け出して最終ラインを押し込むと、バックパス。駆け寄った上埜が25Mミドルを放つが、これはポスト横に外れる。
高い最終ラインが攻撃を支えるが、18分、中央右よりの狭いゾーンで数的不利になった石垣、細かいワンツーで半身抜けた相手を後ろから押してしまい、FK。距離は30M弱、角度左40度。奈良育英の狙い澄ましたキックは、ニアの壁の外を巻いて抜け、だがゴール左上角を直撃。それでも最初に反応したのは奈良育英。リバウンドに詰めて、至近距離からシュートを放つが、何とこれを大きく外に外してしまう。唯一にて最大の決定機であった。 この決定機逸は少なからず動揺を与えたのか、20分には相手PA直前で高柳がカット、そのまま右のオープンスペースに流れてクロスを送る。これはニアの獅子内に僅かに合わず、DFクリア。だが、これもPA手前で上埜が遮断、そのトラップから次の瞬間、20M弱ミドル。低く鋭いシュートが決まり、6−0。 声は出ているが、完全に精神的・肉体的に疲弊した相手に対し、清水のラインはさらに高く。相手が自陣奥で前を向いたぐらいでは、自陣には一人が残るだけ。さらに不敵なのは、2列目のライン。6点目に見る通り、攻撃時はPA手前まで迫り、攻撃の連続性をもたらした。 暫く途中交代の望月・小林にボールを回して馴染ませながら、2人に攻撃を任せ、周囲はサポートに回る。
31分、左に流れた獅子内が、ポストプレーから強引なターンでマークを振り切り、サイドスペースに抜けてセンタリング。DFが跳ね返すが、これもPA手前で拾ったのは高柳。そのまま中央突破を仕掛け、最終ラインの2人の間に割り込むと、3人目がカバーに来たところで横に叩く。あとは柴田が押し込むだけ。GK、シュートに触れるも、ネットに吸い込まれる。7−0。 後は個人技で相手を混乱させながら、得点だけには絡めない獅子内の出番か。37分、中央で奪った上埜が声に応えて、即座に左に捌く。受けた岡村も素早く縦パス。左に流れた獅子内が、トラップから一瞬のダッシュでマークを置き去りにし、左サイド突破。カバーのDFが迫るが、左30度弱角度のないところから強シュート。ニアポスト直撃。 39分にも上埜から、またも素晴らしいサイドチェンジがホットラインで岡村へ。溜める岡村の外を田淵が駆け上がると、奈良育英DF、最早付いていけない。十分にサイドを抉ってクロスを入れると、中央で獅子内が頭で合わせてゴール。2人は抱き合って喜ぶが、無情にもこれは、微妙なオフサイド。7点獲ってるから、文句も言わないが。 そして、そのままホイッスル。主力8人を欠いた試合、しかし、それ以上にメンバーを落とした相手に大勝を果たした。
奈良育英 清水エスパルス 3(0) シュート 14(5) ×八木、◎村越、×獅子、○上埜、○上埜、×獅子、×上埜 ◎上埜、×望月、×岡村、×柴田、◎柴田、×獅子、×獅子 0(0) 右クロス 7(3) ○柴田、×柴田、○柴田、×高柳、○望月、×望月、×望月 0(0) 左クロス 4(2) ×高野、○岡村、○岡村、×獅子 0(0) 左右CK 5(2) ◎上埜、×上埜、×上埜、○岡村、×上埜
▼試合結果 清水エスパルスユース 7−0 奈良育英高校 得点:前半00分:清水・岡村総一郎(柴田和也・左方ミドルパス) 前半30分:清水・八木和秀 (柴田和也・右クロス) 前半34分:清水・高柳亮太 (柴田和也・前方ミドルパス) 前半39分:清水・八木和秀 (柴田和也・ショートパス) 後半03分:清水・村越大三 (上埜健太・左CK) 後半20分:清水・上埜健太 (なし) 後半31分:清水・柴田和也 (高柳亮太・ショートパス)
▼選手寸評 前田陽平 6.0 出番なし。若いメンバーということもあり、遠慮無くコーチングしていた。
杉山雄也 6.0 右サイドを無難に封鎖していたが、中央のカバーや前線の突破も求めたい。 石垣勝矢 5.5 対地・対空共に強さを見せたが、ポジショニングとクリアの質に課題あり。 村越大三 6.5 体を投げ出して飛び出す守備で、ラインの間を埋める。フィード精度も良。 高野美臣 5.5 縦のポジションチェンジで攻めたが、確度悪し。戻りの位置取りも要改善。
柴田和也 6.5 リスクを意識し、ここぞの突破で貢献。裏を雄也に守られ、自由に動いた。 高柳亮太 7.0 2列目に最終ラインがあったが如く。空中戦も含め手堅く攻撃を切断した。 上埜健太 7.5 広い視野と正確かつ巧妙なキック、判断の速さで中盤の王様に。守備も良。 岡村総一郎 7.0 圧倒的な突破力は期待通り。視野とキレのあるロングパスに成長の跡あり。
獅子内善雄 5.5 戻ってのポストとドリブルは脅威だが、フィニッシュだけが精度を欠いた。 八木和秀 6.0 突破は抑えられたが、ウェーブの消える動きで2得点。分からないものだ。
望月祐甫 6.0 機を捉えた飛び出しでラストパスと得点を狙ったが、精度が問題。 小林拓矢 6.0 カバーと飛び出しの双方で積極的だったが、ミスも多かった。 田淵将天 6.0 攻め上がりは自重気味で、守備の着実なプレーで役割を全う。
--- 藤枝東高校−星稜高校(中日本ユーススーパーリーグ U-18)
[後半] 藤枝東 星稜 0(−) 得点 1(−) 4(2) シュート 9(2) 3(0) 右クロス 2(0) 2(0) 左クロス 4(1) 2(0) 左右CK 4(2)
試合自体は前半1−3、通算1−4で星稜が勝利したらしい。星稜の10番、本田は素晴らしかった。殆ど奪われず、確実に溜めて左右に散らす。あと、3バックの左の3番(今村?)も高さと速さを兼ねた好選手。
--- 名古屋グランパスエイト−清水エスパルス [前半] 名古屋 清水 2(−) 得点 0(−) 5(2) シュート 2(2) ×アン ○アン 3(0) 右クロス 5(1) ×鶴見 ×ツト ×平松 ○平松 ×鶴見 3(0) 左クロス 4(1) ×鶴見 ○村松 ×アレ ×アレ 2(0) 左右CK 3(0) △平松 ×平松 ×平松 10(−) ファウル 5(−) 1(−) 犯OS 2(−) 49.5% 支配率 50.5%
[後半] 名古屋 清水 0(−) 得点 2(−) ◎ツト ◎アン 10(3) シュート 5(3) ×ツト ○ツト ◎ツト ◎アン ×アレ 7(3) 右クロス 3(1) ◎伊東 ×森岡 ×森岡 7(2) 左クロス 5(0) ×村松 ×村松 ×ツト ×アレ ×村松 3(0) 左右CK 2(0) ×アレ ×アレ 4(−) ファウル 10(−) 1(−) 犯OS 3(−) 60.6% 支配率 39.4%
得点は後半、シュートはほぼ同率、他のデータは前半の方が、相手と比較してマシな数字になっている。非常に興味深いデータである。後半は決定機の点でも、シュート以外にトゥットや伊東がフリーで抜け出す場面があり、これも後半が上回っていたように思う。アンや鶴見、森岡のロングボールが主体だった。一方、ポゼッションサッカーを目指すなら、前半のシステムの方が良いのではないか。
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