2002年07月21日(日) |
クラブ選手権 全国大会 展望 |
サカダイの高円宮杯展望ガイドをパクった構成にしてるのは、内緒だ(笑)。
清水エスパルスユース
東海地区代表[静岡県] 監督・行徳浩二
昨年は、クラブとして2度目の高円宮杯出場を果たすなど一定の成果を上げたが、3大タイトルの全てでベスト4入りに失敗。行徳監督がS級ライセンス取得で不在がちだったこともあり、消化不良の感が強かった。 だが今年は、中2でナイキカップを制して以来、「史上最強」を謳われてきた世代が、順調に昇格して最終学年を迎えたこともあり、期待は例年以上に大きかった。 しかし、昨年のメンバー固定化の後遺症か、意思統一に苦しむ。 主力選手が揃った試合では、フィールド全体に厳然とした支配力を確立するが、一人が欠けると、そこから混乱が波紋のように広がっていた。仁科・渡邊を欠いたチームは、県予選でジュビロ磐田相手に、1−4という惨敗を喫する。 その後も不安は残すが、中日本ユーススーパーリーグに参加するなど積極的にチームとしての経験値を増やしており、東海大会では難敵・名古屋グランパスに3−0で勝利、決勝では杉山浩・渡邊を欠いてジュビロ磐田に敗れるが、内容は遙かに改善された。
ベースは、DF高山(3)、MF杉山浩(3)、FW阿部(2)という壮烈なセンターライン。彼らを支えるDF渡邊(3)、MF大瀧(2)・枝村(1)、FW仁科(3)に、GK山本海(2)も確かな資質の持ち主で、強力な縦のラインを有する。 布陣は、伝統の中盤フラットな4−4−2で落ち着いた。 ハイボールに不安を抱えるものの、渡邊の指揮するフラット4は、知性と凶暴さに満ちた高いラインを保ち、相手FWを封殺する。危機察知能力に長じた高山を中心に、積極的に前に出て中盤の守備に参画するが、それでも破綻しないカバーリングセンスがある。 中盤の軸は、杉山浩。高い技術と、常に意図のあるプレーで決定機を導く司令塔。しかし、彼が守備で体を張れるようになったことで、大瀧がゴール前に位置してファンタジーを発揮したり、枝村がダイナミックに前線へ飛び出したりする機会が増え、多様な攻撃パターンを持つようになった。 パッサーで構成される華麗な中盤は、しかし強引さに乏しい。これを補完するのは、走力に長けた右アウトサイダー、杉山拓(3)の役目か。鈴木(1)、山本真(中3)も、尖兵となる資格を持つ。 FWの軸は阿部だが、鍵を握るのは仁科。質の高い動きができる選手で、90分通して広い範囲で潤滑油として機能する。仁科とのズレを如何に利用してMFが前線へ攻め上がり、阿部に決定的なパスを供給できるかが、勝敗を分けるだろう。
秋には新体制に移行するクラブもある中で、例年、清水ユースは仕上がりが遅い。特に激戦の予選を勝ち抜いてきた関東勢には、遅れをとることが多かった。しかし、今回は予選グループに関東勢が不在。ここで全国のレベルに適応することができれば、優勝も見えてくるだろう。
■選手名簿 私の観戦歴を基にしたものを参照方。 クラブユース選手権向けに25人登録するにあたり、背番号が変わる選手も予想される。 詳細は、こちら(3年生、2年生、1年生)
■予想フォーメーション(名前の横は学年)
−−−−−−−仁科3−−−阿部2−−−−−−−
−大瀧2−−−枝村1−−−浩太3−−−拓也3−
−篠田2−−−高山3−−−渡邊3−−−天野3−
−−−−−−−−−−海人2−−−−−−−−−−
■チームプロフィール 平成4年、清水エスパルスの下部組織として発足。 当初より一定の成果を上げていたが、ジュニアユース1年生から6年間一貫指導を受けた市川・平松の世代で初期プログラムを達成したと言われる。故に、この学年はユース1期生と呼ばれており、今年の3年生は5期生となる。 監督にブレーメン在籍経験のある元日本代表の行徳浩二氏、37歳。昨年、S級ライセンスを取得した。 また、今年から新たに岩下潤氏がコーチとして、指導者への道に挑戦している。 なお、望月保次・育成グループリーダー、中原幸司・GKコーチは、ジュニアユースのブラジル遠征に同行、不在の予定。
■主力選手 ●杉山 浩太 1985.01.24生 [172cm/59kg] 主将、U18/17代表、二種登録。体格が技術に追いついたことで、ミスの少ない繋ぎ役にもなり、マークの厳しい時間帯でも消えなくなった。しかし、最大の脅威は独特の攻撃センスにあり、「通らば決定機」という厳しいチャレンジパスを、ビシビシ送り込む。
●高山 純一 1984.08.18生 [178cm/66kg] U18代表、二種登録。技術・身体・判断がバランス良く長じたCB。守備の要ではあるが、最後の砦になるタイプではなく、能動的に攻撃の芽を潰し回る機動力が魅力。潰しの確度が高いのは勿論、かわされた後のポジション修正にも優れている。
●阿部文一朗 1985.04.02生 [181cm/75kg] U17代表、二種登録。ポスト役よりむしろ、ボックス内の決定力が光るストライカーにて、フィニッシャー。そのためビルドアップで絡む回数は少ないが、圧倒的な身体能力を生かしたカウンターという、清水本流とは異なる攻撃パターンを独力で為し得る。
[WHO'S THE KEY] ●仁科 克英 1985.01.17生 [172cm/63kg] 二種登録。ポゼッションサッカーに欠かせない、広い範囲で顔を出す潤滑油で、ポストからドリブルまで幅広い役割を担う万能型FW。それを可能にするのは、考えられた質の高い動きにある。
●渡邊 優希 1984.08.17生 [171cm/60kg] 99年U15代表。守備の統率者としてラインコントロール他、コーチング万般を担う。カバーリングの素早さは秀逸そのもの。昨年ボランチ経験を積み、大胆な飛び出しで攻撃にも絡むようになった。
[NEW COMER] ●森安 洋文 1985.04,23生 [172cm/65kg] USA仕込みの優れた身体能力と確かな基礎技術で、J村デビューを狙う2年生。本職はMFだが、最終ラインに入ることも多い。
●山本 真希 1987.08.24生 [174cm/63kg] U15代表。菊地直哉を超えると噂される中学生。遜色を見せない身体能力を武器に突破を図りながら、なおも戦術的な動きもできる。
■出場までの軌跡 [県大会・成績/2位] 第1戦:6−0 掛川JFC(静岡) 得点:阿部3、鈴木2、山本真 第2戦:1−4 ジュビロ磐田(静岡) 得点:枝村 第3戦:5−0 本田FC(静岡) 得点:阿倍4、鈴木
[東海大会・成績/2位] 準決勝:3−0 名古屋グランパス(愛知) 得点:杉山拓、阿部、仁科 決勝戦:0−1 ジュビロ磐田(静岡) 得点:なし
■出身現役Jリーガー 平松康平、谷川烈、市川大祐、池田昇平、太田圭輔、村松潤、鈴木隼人、高木純平、塩澤達也、浅山郷史、深沢良輔(いずれも清水)、吉崎雄亮、鈴木浩介、鶴田達也(いずれも甲府)、和田雄三(大分)、野澤洋輔(新潟)
■試合日程 7月28日(日) グループリーグ第一戦 16:10 対 ヴィッセル神戸 7月29日(月) グループリーグ第二戦 14:20 対 愛媛FC
7月31日(水) グループリーグ第三戦 12:30 対 セレッソ大阪 8月01日(木) 決勝トーナメント初戦 13:30/16:00
8月03日(土) 五決戦一回戦&準決勝 11:00/14:00 8月04日(日) 五位決定戦 &決勝 11:00/14:00
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