2002年03月31日(日) |
データ集 2001年度 |
オフィシャルイヤーブックに掲載されていた、クラブユース選手権全国大会・高円宮杯・Jユース杯の記録をまとめたもの。但し、大差のついた鳥栖・甲府・大宮の3クラブとの試合は除外し、全12試合を計上。トップで通用する選手を育成するのがユースの目的である以上、難しい試合での活躍こそ重要であると考えるためである。
具体的には、以下の試合を対象とする。 クラブ選手権:浦和(1−0)、神戸(6−2)、札幌(0−2)、名古屋(3−1)、G大阪(3−0) 高円宮杯:仙台育英(4−0)、京都(0−0:PK3−4) Jユース杯:市原(1−1、2−2)、川崎(0−1、5−0)横浜(0−3)
( )内は90分間あたりの数字。クラブユースは80分間なので、1試合あたりではない。得点率はシュート得点率(得点/シュート)。出場時間の単位は分。
名前 出場時間 シュート数 得点数 得点率 01:浅山郷史 1030 02:田淵将天 -- 03:森安洋文 -- 04:天野数士 580 05:河合真二 29 06:渡邊優希 784 4 (0.46) 07:日高拓磨 984 23 (2.10) 5 (0.46) 21.7% 08:杉山浩太 940 16 (1.53) 3 (0.29) 18.8% 09:長沼 圭 595 18 (2.72) 4 (0.61) 22.2% 10:深澤良輔 998 16 (1.44) 1 (0.09) 6.3%
11:阿部文一朗 502 16 (2.87) 6 (1.08) 37.5% 12:獅子内善雄 34 13:仁科克英 970 22 (2.04) 6 (0.56) 27.3% 14:森山勇希 1026 2 (0.18) 15:杉山拓也 849 8 (0.85) 16:勝又英人 -- 17:高柳亮太 14 18:大瀧義史 375 2 (0.48) 19:高山純一 919 3 (0.29)
20:小林拓矢 -- 21:山本海人 -- 22:篠田大輔 169
23:赤星貴文 19 24:枝村匠馬 380 8 (1.90) 25:鈴木真司 101 1 (0.89)
合計・平均 1027 139(12.18) 25(2.19) 18.0%
通算:7勝3分2敗、得点25/失点12、シュート数139/被シュート数106 シュート得点率18.0%/被シュート失点率11.3%
▼出場時間 出場時間のトップ11をポジション別に並べると、こんな感じ。
−−−−−仁科−−長沼−−−−−
−−−−−−−浩太−−−−−−−
−拓也−−渡邊−−深澤−−日高−
−−−森山−−高山−−天野−−−
−−−−−−−浅山−−−−−−−
浅山(1030)、森山(1026)、深澤( 998)、日高( 984)、仁科( 970)、 浩太( 940)、高山( 919)、拓也( 849)、渡邊( 784)、長沼( 595)、天野( 580)
以下、阿部(502)、枝村(380)、大瀧(375)、篠田(169)、鈴木(101)と続く。
代表や静岡選抜の遠征、怪我などで出場できなかった選手もいたわけだが、やはり3年生が上位を占め、中軸を担っていたことが分かる。浅山はフル出場。深澤も交代はなく、警告による退場処分があっただけである。一方で、1年生は出場時間ベスト11に誰も入らず。これは清水では非常に珍しい現象。出場メンバーも、例年と比べて固定化されている印象がある。行徳監督がS級ライセンス取得で留守が多かったことが、大胆な起用を妨げたか。
▼90分間あたりシュート数 ※( )内は通算本数 1位:阿部文一朗 2.87本(16本) 2位:長沼 圭 2.72本(18本) 3位:日高拓磨 2.10本(23本) 4位:仁科克英 2.04本(22本) 5位:枝村匠馬 1.90本(08本) 以下、浩太(1.53)、深澤(1.44)、鈴木(0.89)、拓也(0.85)、大瀧(0.48)と続く。
「積極性」を課題の一つに挙げられる阿部が、意外にも最多割合を記録。同じく「捌くのは巧いが、得点への怖さがない」と言われる枝村も、トップ5入り。一方、ゴール前の野蛮さに定評のある長沼は、2番手に留まった。 通算では最多のシュートを放っている日高は、右WBとして、突破やセンタリングにも忙しく、正に昨年の攻撃の核であった。仁科や枝村もアウトサイドでの起用も多く、サイド偏重のプレースタイルが伺える。
▼90分間あたり得点数 ※( )内は通算得点、[ ] 内はシュートあたり得点率 1位:阿部文一朗 1.08点(6点)[37.5%] 2位:長沼 圭 0.61点(4点)[22.2%] 3位:仁科克英 0.56点(6点)[27.3%] 4位:日高拓磨 0.46点(5点)[21.7%] 5位:杉山浩太 0.29点(3点)[18.8%] 6位:深澤良輔 0.09点(1点)[06.3%]
喫驚の数字を稼ぎ出したのは、1年生の阿部文一朗。交代も多かったが、90分間動けば必ず得点を稼ぎ出した勘定になる。シュートの4割をゴールに突き刺しているのも、驚愕だが、これにはやや不満な点も。得点を狙える場面には、もっと積極的にシュートへ行って欲しい。
2番目は、エース長沼。期待されながら昇格に届かなかった大型FWは、阿部に己の地歩を譲っている。今回、換算しなかった5試合で、清水は42得点をも奪い去っているが、長沼はそこでは14点をも略取しており(他は、仁科7、阿部5、日高4など)、Jユース杯でも、昨年に続いて得点ランキング2位になっている。ゴール前の猛々しさが魅力の野生派FWが、比較的「格」の落ちる相手を圧倒しながら、良いCBの前では覇気のない「らしくない」姿が、昨年、しばしば見られた。
3番手は万能型の仁科。得点数なら阿部と同数を稼いでいる。アウトサイドやボランチでの起用も多く、FWとしても下がって受けてビルドアップに参加する役割を要求されていた。ストライカーである前述の2名に比べて、中距離のシュートも多く、確度は落ちるのが普通だが、決めるべき場面を確実に生かす沈着な態度が、数字にも表れている。難しいボールを合わせる技術の高さも、実証した。
4位の日高は、前述の通り、攻撃の核。浩太と深澤の場合、二人の得点力の違いが、最終的にトップ下を浩太に固定する一因となったか。
一方、被シュート失点率は11.3%。浅山の素晴らしさが数字にも示されている。同時に清水のシュート得点率18.0%という高い数字は、むしろシュートに対する消極性を、意味しているのではないか。内容で完敗した京都戦は、京都のシュート15に対し、清水は僅かに5。深澤退場で崩れた横浜戦は、横浜の15に対し、4本しかシュートを打てていない。
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