2001年11月11日(日) |
Jユース杯 予選リーグ 川崎フロンターレ戦(A) |
01年11月11日14:00開始 川崎フロンターレ麻生グラウンド 第9回Jユースカップ2001・Jリーグユース選手権大会 予選Dグループ 対 川崎フロンターレユース(A) 観衆:34人、天候:晴れ/弱風、気温:17.6度、湿度:46%
▼試合経過 丘にあるグラウンドのため、傾斜からの観戦は見やすかったが、芝の荒れは目立った。また、周囲を生垣や水溝に囲まれながらボールボーイが少なく、ボールアウトの度に草サッカーのように選手が探しに行くなど、良い試合環境とは言えず、攻勢に出る清水は、テンポを幾度と無く分断された。それを狙ってのことであれば、非常に有効だったと言える。
前半の布陣は以下の通り。
−−−−−長沼−−浩太−−−−−
−篠田−−大瀧−−深澤−−仁科−
−森山−−高山−−渡邊−−拓也−
−−−−−−−浅山−−−−−−−
交代:33分 篠田→日高
浩太のFW、篠田のMF、大瀧のボランチなど、実験的要素の高い布陣。特に左サイドは形を作れず、突破される場面も目立った。浩太は頻繁にトップ下の位置に下がり、ビルドアップに参加したが、長沼は1トップでは機能しない。中盤優位を保たれてはいたものの、フィニッシュに至る形が出来ず、膠着状態に陥る。
たまらず日高を投入し、FW仁科・長沼、MFは右から日高・浩太・深澤・大瀧に変更。しかし、日高をキーマンと見た川崎は、彼に密着マークで警戒、日高にもそれを打開する力はなく、左サイドは変わらず劣勢。頼るべき日高に頼れない状況となり、得意の形を封じられたことで、全体に判断の遅れが目立ちはじめ、激しくプレスに来る川崎に、中盤支配率も奪われて前半終了した。
後半から大瀧に代えて阿部を投入し、3−5−2にシステム変更。
−−−−−長沼−−阿部−−−−−
−−−−−−−浩太−−−−−−−
−仁科−−深澤−−渡邊−−日高−
−−−森山−−高山−−拓也−−−
−−−−−−−浅山−−−−−−−
交代:45分 大瀧→阿部、83分 高山→高柳
中盤の枚数を増やし、再び中盤の支配に成功。運動量も上回り、圧倒的に攻め立てるが、一瞬の隙を突かれることになる。 60分、相手(阪本)スルーパスに対し反応した森山が、相手(前田)を抑えてGKにボールを渡そうとするが、相手のスピードに押されて、なかなか十分に体を入れられない。不十分に抑えたまま、ボールはPA内まで転がると、相手は上手く半身をずらし、一瞬生まれた余裕を逃すことなく右足を振り切る。至近距離からのシュートはさすがの浅山の手も届かず、失点。
その後、 焦りから単純なミスも多くなったが、川崎が疲労で運動量が落ちたことで、こぼれ球を拾い続けて、終始一貫して清水が攻め続けるようになる。しかし、ゴール前に密集した相手を前に、自慢のツインタワーは競り合いの技術不足を露呈、最後の局面で相手の集中力が上回る。そして笛。清水は、あまりに痛い黒星を喫した。
▼総評 高さ・速さ・強さ・巧さなど、能力が高い選手は多いものの、それを絶対的な武器にまで昇華していないので、膠着状態を打破できない。何度も書いてきたことだが、激しいプレスとマークの厳しさを見せた川崎の前に、今回も沈黙を余儀なくされた。 しかし、それ以上に声を出していないことが悲しい。中心選手たる深澤や長沼の声が少ないが、彼らには引っ張っていく姿勢を見せてほしい。見事なコーチングで、チーム全体の集中力を保ち続けた相手主将(藤木)は、盛んに「気持ちで負けるな」と叫んでいたが、それに負けたのが今日の清水といえる。 得失点差や対戦相手を考えれば、まだ川崎より有利なのは間違いあないが、失った勝点で考えれば、1分1敗で清水と川崎が並んでいる。上にまだ1分けしかしていない市原がいるので、川崎が勝ち抜け枠2を争う直接のライバルとなった。次節、18日ホーム三保での再戦に、ぜひ応援を!
▼意味のない採点 浅山郷史 6.5 3度の被決定機を驚異的な反応で防ぐ。失点はノーチャンス。
杉山拓也 5.0 小気味よいドリブルも見せたが、体の入れ方など守備技術で問題あり。 渡邊優希 6.0 抜群のラインコントロールと、ボランチでの運動量で存在感高し。 高山純一 5.5 局面での守備では貫禄を見せるも、フィードが乱れた。 森山勇希 4.5 序盤は突破を悉く失敗、クロスの精度も悪かった。失点後は持ち直す。
仁科克英 5.5 前半は組織的な動き出しの速さを見せたが、後半は右に偏り使われず。 深澤良輔 5.0 行方不明。最後に前に出てきたが決定的な仕事はできず。 大瀧義史 4.5 信じられない単純なパスミスを連発。何かおかしかった。 篠田大輔 4.0 スペースを突いて攻撃するタイプなだけに、MFでは苦しかった。
杉山浩太 5.5 豊富なアイデアで変化をつけるが、それだけにミスも多かった。 長沼*圭 4.5 空中戦で勝てず、動き出しも遅い。悪い時のバロン。
日高拓磨 6.0 中央に切り込めずも、サイドへ全力で走り続け、良いクロスを提供。 阿部文一 4.5 朗。良く動いたがドリブル突破で全敗、クロスにも競れず。 高柳亮太 5.5 無難に守備を行ったが、フィードの判断の遅さも目立った。
▼結果 川崎ユース 1−0 清水ユース 得点:60分:川崎・前田
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