皆様も(*´Д`)ハァハァできたらイイナ!
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2002年01月05日(土)

フロイライン(ギャグ・プラアレ)


ふわり。 

いつもはまとめて帽子の中に放り込んでいる金色の髪がふいに風になびいた。 
いつもの帽子は今、脱いでいる。
替わりに頭部を彩るのは純白のリボン。衣装もいつもとは遥かに印象の違う頭部のリボンとおそろいの純白のフリルとレースをふんだんに使用したワンピース。 

まるでお人形さんのような姿をしているのは現奈落王のアレクサンドル・パストゥールであった。 

今から数刻前。ロードとプラムに髪を結わせろとしつこく頼まれて。
仕方なくOKして。
寝ててもいいぞと言われて。
素直に寝て。
…起きたらこんな格好にされている自分がいた。
しかももと着ていた服は強奪されて。 

「くっそぉぉ〜〜、あ〜い〜つ〜ら〜…!!」 

見つけたらタダじゃおかない。服を返して貰わなければこの格好も解けない。とにかく捜さなければ!! 

…ドンッ! 

と、その時何かとぶつかっってしまった。

「ぷ、ぷらちなぁっ!?」 
「…ん?あ、あにうえッ!?」 

ぶつかったのはアレクの副官であり、弟のプラチナ王子だった。 

「あ、兄上…。何だ、その格好は…?!」 

プラチナは当然の質問を投げかける。
アレクは自分がどういう格好をしていたのか一瞬忘れていたらしい。それを聞いて慌てふためく。 

「あッ!!これはな、元の服が誘拐されて髪を結わせろって油断して執務してたけどプラムとロードが昼寝してたらこんな格好になってて〜ッ!!」 
「落ち着け。なんとなく判った」 

構文を考える余裕も無いらしく、とにかく一生懸命言葉を陳列しただけだで、常人には理解しがたい日本語(?)だったが弟にはなんとか通じたらしい。流石と言うべきか。 

「とにかく、ここを離れよう」 
「何で!?」 
「…注目されてる」 

城の廊下の一角。ハタから見ると美男・美少女の大声での会話は大注目を浴びていた。

とりあえず二人はその場を離れたものの、お昼休憩の時間帯ともあって暇を持て余していた女官達がすぐに見つけてアレクに話し掛けてきた。 

「ねぇ、どこから来たの?可愛い〜vv」 
「プラチナ様とお知り合い!?手を繋いでもらえるなんていいなぁ」 
「でもすっごい絵になるわぁv」 

幸い、彼女達には目の前にいる人形のような容姿をしたアレクが奈落王だと気付かれる事はなかった。
ふと、女官の一人に訊かれる。 

「名前、何て言うの!?」 

流石に本名を名乗る訳にはいかない。
女官達に取り囲まれてしまったため、頼みの綱の弟は輪の外に追いやられている。

…な、名前…えっ…と…。 

意識してる訳ではないのだが、自然に発せられた声は高くてまるで少女のような…。
輪の外から弟の笑いをかみ殺したような声が聞こえる。 

(うぅッ…殴る!絶対殴ってやるッ!!) 

とにかく早くこの輪を振り切らなければと、力の限り叫んだ。 

「クレアです!」
「クレアちゃん?」 
「名前も可愛い〜vv」 

きゃぁきゃぁと楽しそうに話し続けようとしてきたがそうはいかない。強引に輪から出てプラチナの腕を掴んで「失礼します!」と叫んで走り去った。 

「恥ずかしがりやさんだったのかしら…」 

女官達は圧倒されてそれ以上追いかける事はなかった。


「…くく…ッふ、はは…クレア、止まってくれ…アハハ…」 
「うるさいっ!!」 

ガスッ! 

止まった。…プラチナの動きが。 

「…痛…クレア…」 
「しつこいッ!」 

アレクが容赦なく2発目を食らわそうとしたが、2度も同じ攻撃を受けるプラチナではない。難なくそれを流してアレクを懐に引き入れて「兄上と呼んではまずいのだろう?」と、耳元で囁く。
アレクは何とも反論することが出来ずに、そしてくすぐったくてそのまま弟の胸の中に入った。 
しつこいようだがハタから見ると美青年は美少女を誰の目にも届かない場所でひっそりと抱きしめていた(謎)

20分程経過して、ようやくプラチナの方から口を開いた。 

「さて、これからどうする?兄上」 
「…えッ、あ!うん!!ぷ、プラムとロードを探さなきゃ!」 

抱きしめられて20分。その間アレクは大人しくしていたのだった。
それはプラチナにとってはこの上なく嬉しいことであったがやはり何故急に!?と疑ってしまうのが人の心理だろう。 

「抵抗、しなかったな?」 

野暮なことではあるが訊いてみる。
するとなんとも愛らしく(本人に言えば確実に殴られるだろうから言わないが)恥ずかしそうに応えてくれた。 

「だって…この格好だったら変に思われないだろ…!?」 

確かに。いくらアレクが可愛い外見をしていようとも、彼は奈落王で二人は双子の兄弟だから。けれど二人は既に世間一般からみればあってはならない恋人同士にまで発展していた。 

でも… 

(兄上にそういう感情は乏しいと思っていたのだが、な) 

中々どうして!?考える事は同じの様だ。


護衛、ということも兼ねてアレク、ならぬクレアは弟と一緒にプラムとロードを探すべく城下街へと降り立った。
街でも相変わらず二人は注目の的である。 

(…み、見ららてる…ι) 

はっきり言ってもの凄いプレッシャーである。
もしかして男なのがバレたとか王様なのがバレたとか。
それをさっき弟に言ってみたらそれは無いと即答で断言されてしまったけれど。
と、そのとき前を歩いていた弟がいきなり立ち止まった。 

「どうしたの!?」 

相手の長い髪をちょい、と引っ張って小さな声で訊いてみる。
すると前から捜し求めていた人物の片方の声がするのが聞こえてきた。 

「キャーッvお似合いね、お二人さんvv」 

聞くだけで男を魅了するような声が辺りに響く。
今まで二人を取り巻いていたギャラリーの視線の約半分が前方にいる人物に注がれた。 
確認するまでも無い。ロードだ。 

「ロード!お前…ッ」

アレクは今にも殴りかかりそうな勢いでロードに歩み寄る。
その顔は真剣そのものであったが、ロードは気にもしていない様子である。それどころか楽しんでいるようだ。 

「そんな怖い顔して〜。女の子らしくしなきゃダメよ、クレア様〜☆」 

ロードお得意の神経逆撫で美少女声が炸裂。見事にアレクはその術中にハマり頭に血を上らせてロードに殴りかかろうとしたが、すんでのところでプラチナに止められる。 

「…ップラチナ!!」 

離してくれと言わんばかりに睨む。しかし、そうはいかない。
兄である現奈落王は前奈落王とは違い国民全員に顔が知れている。したがってあまり注目されすぎるとバレる可能性が高いのだ。 

「クレア、女装趣味があると国民に勘違いされてもいいのか!?」 

声を抑えて耳元で囁く。その言葉に我に帰り冷静さを取り戻した。 

「ここでは何だから他へ…」 

そのとき既にロードの手にはプラチナが施した魔法の戒めがされてあった。


「で?俺の服はどこにやったんだよ!?」 

部屋を借りれる店に入り、部屋に通されてすぐさまアレクは訊ねた。 

「え〜!?そんなに可愛いのにもう脱いじゃうのかよ〜?つまんねーなー。」
「つまるとかつまらんとかの問題じゃないッ!!」 

ばんッ!!とテーブルをたたく。 

「俺の服…どこ!?」 

この上なく真剣な表情のアレク。その右手には冗談抜きで最強魔法がいつでもぶっ放せる状態に準備されていた。 

「わ、わぁったわぁった!!言うッ!言うからッ!!ねッvv(滝汗)」

いくら怖いもの知らずのロードと言ってもこの可愛い姿をした奈落王が本気を出せば自分では歯が立たないとよく知っているつもりだ。すぐに白旗をあげる。

「べ、ベッドの中…」 
「…誰の!?」 
「………プラチナの。」 
『はァ!?』 

兄弟の声が見事にハモる。 

「な、何で??」 

当然、アレクは理由を訊いた。 

「ん〜〜、だってさ…ちょっと冗談で着せてみたら凄く似合っててこれをプラチナにも見せてやろうとプラムが言い出したんだ。でもさ〜、こんっっっなに可愛いんだから男として何もしない訳にはいかないだろ!?ってー訳で俺が一肌脱いで必然的にそう言うシチュエーションになったら面白いじゃん!?準備万端、終わった後にはちゃんと着替えれるようにベットにおいてやったんだよ〜…」 

以上、ロードさんのわかりやすい説明でした。 

「…ちょっとまて、確かに可愛いと思ったが…俺はそんなにケダモノとして見られていたのか!?」 

一通り訊き終えてまず初めに喋ったのはプラチナ。 

「モチのロン!」 

グッ☆ 

親指を立ててまるでふ○やのペ○ちゃんのようにウィンクをして舌を口の端にチロと出す。 

「しっかし面白くねーの。据え膳食わねば何とやらだろー!?」 

デバガメをしたかったんだろう。何とも悔しそうに愚痴る。
そこに反省の色などもう微塵もなかった。
そして、今事件は起ころうとしていた。

「いや…時間的にするべきではないと…」 

今まで責める側に立っていたプラチナであったが、ロードに同意し始めたのだ。

「バッカ!愛に時間なんて関係あるか!」 

本来使うべき意味が間違っているがこの場合適切でもあるアドバイスでロードも便乗する。 

「……そうか!?」 
「そうだよ」 

プラチナの問いに無責任にもあっけらかんと。いや、いけしゃあしゃあと返す。
因みにまだ生まれて数年しか経っていないからかプラチナは外見に比べて案外単純である。この時もロードの言葉を信じかけていた。 

「……兄上」 

静かに振り返る。

「何?」

事の成り行きを今まで静かに怒りを覚えつつ見守っていた兄は嫌な予感はしたが、冷静に返した。 

「じゃぁ、行こうか」 

少女の姿をした兄の元から華奢な手を引く。

「ど、どこに!?」 

何となく、応えは読めたのだが恐る恐る聞いてみる。

「城に帰る。…そして…」 

そして!?言葉を続けようとしない弟に今や絶世の美少女となった兄が首を傾げて訊く。 

「ヤる」 

たった二文字を極上の男前スマイルでお届けしてきた。いつもならその大好きなめったに見ることの出来ない笑顔にほだされてOKしてしまうアレクであったが…

ぷちッ  

キレた。 

「………一人で………」  


ヤってろーーーーーーーーーーーーーーーーーーー………   


……後日。
器用にも周りを巻き込まないように片割れだけに集中させた必殺魔法は今までに見た何よりも紅かった、と目撃者(ロード)は語っていた。


□□後書き□□

プリンセスアレクが書きたかっただけ。ただそれだけのコトvv(爆) 因みにフロイラインとはドイツ語で日本語に訳すと『お嬢さん』という意味です。響きが気に入っていたので使ってみましたvv  途中でやる気がなくなったのバレバレな位へたくそな文章になってるのが笑えますね。ヲホホ。でも、後半何とかやる気が戻りました。  今、もの凄くオリジナルキャラを交えたプラアレストーリーが書きたいですvvでも、長編になりそうなのでどうなることやら。もし、出来そうなら、凄く面白いキャラが出ますんで可愛がってやって欲しいです☆



      

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