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2002年12月13日(金) 初めてのケアハウス

ケアハウスに入居されている人の訪問依頼が来た。
家族の事情で在宅生活ができなくなり、ただいま特養の入所待ちと
いうことらしい。

行きましたよ、結構これが山奥・・・いえ閑静な佇まいで。
ワタクシがいつか入所でもすることがあれば、ぜひ町のど真ん中がいいね。

利用者さんは90歳台の男性。ケアワーカーの人に紹介されて、初回訪問。
インテーク。

「看護婦?何だ、女が来たのかと思った」
はい、女ですよ?

この方は少々痴呆がある。それでも少しずつこちらの身分や訪問目的を
理解して下さり、バイタルサインの測定をし、ケアに入らせていただく。
服をめくって、皮膚のトラブルを見せてもらう。

「ここも昔なあ・・・」
頼んでいない下半身を露出される。

ははあ、ひと言下世話な言い方をすれば色ボケですなあ、などと
思ってはいけない。痴呆のある方の場合、コミュニケーションの一つとして
スキンシップを求めてきたり、寂しさの現れとして少々性的な行動に
出たりすることもあるのだ。その行動が全てストレートに性行動だと
思っていけない。
 
 本人が見せたいままに、見せてもらってから、異常がないことを話す。

大事な所ですからねえ、と本人が広く解釈しやすいような表現を
微笑みながら返す。
 
 ここで「皮膚は異常ありませんけど?」などと,本人がほんのり
こめて来た性的な意味を、まるで撥ね付けるようにあしらう必要はない。

 男は死ぬまで男、女は死ぬまで女。
 男のプライド、女のプライドは人間のプライドだから。

男性の性的機能も大事、だから大事にしてくださいね。
利用者さんはちょっと子供のように照れ笑いをする。やってしまったものの、
訪問看護師相手に子供っぽい真似をしてしまったな、と思ったのだろうか。

「あんた、○○子に似とるな」
「茶、飲んでかんか?」
「また来てな、爺さん相手じゃ楽しくないだろうが」
 
そんなことないです、またよろしくお願いしますね。
手を。。。しっかりしっかり握り締められる。

嬉しいことは嬉しいが。。。。
でも、お部屋の戸は、開けて訪問しよう。

初めに言っていた「女」とは文字通りの意味ではなかったらしい。
昔豪遊した人で、今でも羽振りの良さそうな振る舞いをするのが
好きだ、と後でケアワーカーの方に聞いた。

ケアハウスは、基本的に自立度の高い人が対象の施設で、
在宅の制度利用ができる。家事や火の始末ができないレベルの人が多く、
ほとんどが男性の利用だそうだ。施設を歩いている他の入居者さんを見ても、
しゃんしゃんと歩いている人ばかり。しかし・・・コミュニケーションが
ないなあ・・・・。皆むっつりして挨拶すら交わさない。

 しかし、失礼だけど、施設の職員の人も工夫が足りないと思う。
 暗いよう、ここのケアハウス。


さて、うちの人は今晩出張、行ってらさい。
向こうは雪だから、飛行機遅れなければいいね。
ブロッコリーをぼりぼり貪りながら、「ママの遺伝子」を見る。

将来子供は絶対公立。
でなけりゃ自分で稼げ。
高校出たら一人前と思え。と思う。親なんか頼るな。
こどもの受験に仕事休んで泊まって付き添うような、バカッ母には
死んでもなるつもりはないですから。

「お前は絶対厳しい親になる」
うちの人に言われてるが、そうかなあ。そんなことないよ、健康なら
文句言うことない。心身が健康な人間なら、
多少ひねくれたって、バカだっていいよ。

一生カウントした数が、楽しいことの方が、辛かったことよりも
多い人生を送れれば、老いた時に、ほのぼの温かい生活を送れるような
人生・・・の、ほんの素地を、親は作ってあげられるに過ぎないんだから。

痛い所があっても、体が利かなくても、心が満たされているような、
自分も、そんな人生の終わりを迎えたいもんだ。

  ・・・でも年とってから、急に友達増えたり、ご近所付き合い
 よくなるわきゃないんだよねええ。
 専業になったら考えようっと。






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