ケアハウスに入居されている人の訪問依頼が来た。 家族の事情で在宅生活ができなくなり、ただいま特養の入所待ちと いうことらしい。
行きましたよ、結構これが山奥・・・いえ閑静な佇まいで。 ワタクシがいつか入所でもすることがあれば、ぜひ町のど真ん中がいいね。
利用者さんは90歳台の男性。ケアワーカーの人に紹介されて、初回訪問。 インテーク。
「看護婦?何だ、女が来たのかと思った」 はい、女ですよ?
この方は少々痴呆がある。それでも少しずつこちらの身分や訪問目的を 理解して下さり、バイタルサインの測定をし、ケアに入らせていただく。 服をめくって、皮膚のトラブルを見せてもらう。
「ここも昔なあ・・・」 頼んでいない下半身を露出される。
ははあ、ひと言下世話な言い方をすれば色ボケですなあ、などと 思ってはいけない。痴呆のある方の場合、コミュニケーションの一つとして スキンシップを求めてきたり、寂しさの現れとして少々性的な行動に 出たりすることもあるのだ。その行動が全てストレートに性行動だと 思っていけない。 本人が見せたいままに、見せてもらってから、異常がないことを話す。
大事な所ですからねえ、と本人が広く解釈しやすいような表現を 微笑みながら返す。 ここで「皮膚は異常ありませんけど?」などと,本人がほんのり こめて来た性的な意味を、まるで撥ね付けるようにあしらう必要はない。
男は死ぬまで男、女は死ぬまで女。 男のプライド、女のプライドは人間のプライドだから。
男性の性的機能も大事、だから大事にしてくださいね。 利用者さんはちょっと子供のように照れ笑いをする。やってしまったものの、 訪問看護師相手に子供っぽい真似をしてしまったな、と思ったのだろうか。
「あんた、○○子に似とるな」 「茶、飲んでかんか?」 「また来てな、爺さん相手じゃ楽しくないだろうが」 そんなことないです、またよろしくお願いしますね。 手を。。。しっかりしっかり握り締められる。
嬉しいことは嬉しいが。。。。 でも、お部屋の戸は、開けて訪問しよう。
初めに言っていた「女」とは文字通りの意味ではなかったらしい。 昔豪遊した人で、今でも羽振りの良さそうな振る舞いをするのが 好きだ、と後でケアワーカーの方に聞いた。
ケアハウスは、基本的に自立度の高い人が対象の施設で、 在宅の制度利用ができる。家事や火の始末ができないレベルの人が多く、 ほとんどが男性の利用だそうだ。施設を歩いている他の入居者さんを見ても、 しゃんしゃんと歩いている人ばかり。しかし・・・コミュニケーションが ないなあ・・・・。皆むっつりして挨拶すら交わさない。
しかし、失礼だけど、施設の職員の人も工夫が足りないと思う。 暗いよう、ここのケアハウス。
さて、うちの人は今晩出張、行ってらさい。 向こうは雪だから、飛行機遅れなければいいね。 ブロッコリーをぼりぼり貪りながら、「ママの遺伝子」を見る。
将来子供は絶対公立。 でなけりゃ自分で稼げ。 高校出たら一人前と思え。と思う。親なんか頼るな。 こどもの受験に仕事休んで泊まって付き添うような、バカッ母には 死んでもなるつもりはないですから。
「お前は絶対厳しい親になる」 うちの人に言われてるが、そうかなあ。そんなことないよ、健康なら 文句言うことない。心身が健康な人間なら、 多少ひねくれたって、バカだっていいよ。
一生カウントした数が、楽しいことの方が、辛かったことよりも 多い人生を送れれば、老いた時に、ほのぼの温かい生活を送れるような 人生・・・の、ほんの素地を、親は作ってあげられるに過ぎないんだから。
痛い所があっても、体が利かなくても、心が満たされているような、 自分も、そんな人生の終わりを迎えたいもんだ。
・・・でも年とってから、急に友達増えたり、ご近所付き合い よくなるわきゃないんだよねええ。 専業になったら考えようっと。
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