江戸時代が甦った。中村勘三郎「桜姫」のお練りである。昔は当たり前だったが、いまはとんと見かけない。たまに、襲名披露などで行われるだけ。今日の渋谷は、そういう意味でも、特別であった。人力車に乗った役者たちが、華吹雪の中ファンと握手する。表情は、舞台のときと違う喜びにあふれていた。いいもんだ。役者とファンが、街中で触れ合う。世の中が忘れていたことを思い出させてくれる。どんな人間関係でも、すべては触れ合うことから始める。改めて実感した次第。(S)