箱の日記
DiaryINDEX|past
ゆうぐれ
なんか思い出しそうになる坂道
なんのためにもならないから
風や空のはなしはやめにしようときめていたのに
ふり返る
いいかげんにしないとね
ゆうやけ空の方向へゆびさきをのばすと
橙がきゅうに濃くなった気がして
知りもしない名前を呼んだ
あなたは誰なのだっけ
伝えたいことをみつけようとした紙切れで
ポケットはいっぱいだから
言葉なんてもう探さない
なんかいも つばを飲んで
言おうとしなくたっていい
それなのに
街が点灯する前に
ふり返ってもういちど手をのばす
触れたい空のむこうにとどけ
いいかげんにしないとね
|