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2004年08月26日(木)


■「薄紅天女」荻原規子
絶大な人気を誇る児童文学・勾玉三部作のみっつめ。…またもや読む順番を間違えました。一作目のしなやかなけもののような、いかにも人ではないようなちはやの混沌(無我?)から自我を獲得していく過程が鮮やかで、一作目が一番面白いといわれているのも頷けました。三作目も基本的に同じ話ですが、かぐとくらの存在が時代を越えていき、少しずつ存在が変化しているのが面白いなと思いました。

■「鍵のかかった部屋」ポール・オースター
これも三部作のみっつめ。ひとつずつでも読めると聞いていたけれど、思ったよりずっとみっつでひとつという印象でした。最後の作品まで読んで、ようやく腑に落ちたという気分。感覚で味わうというよりは、思考して追っていくような感じで、気を抜くと意味を落としていたりするので、読みやすいのに読みにくい作品でした。それにしても、オースターは物語に入り込むタイミングがいつも唐突だなと思う。

ラストの方の、パリでファンショーを獲得するところが鮮やか。そういう瞬間は確かにあると思う。


2004年08月28日(土)


詩のボクシング 千葉大会
わたしの周りではなんだか色々情報が錯綜しているのですが、本戦は9/12のようですね。サイトには本戦出場者が出ています。沼谷さん本戦出場おめでとうございます。斉藤斎藤さんもいる…(笑)。歌人の方は、即興詩も歌になるのでしょうか。むつかしそうだなあ。

■「白鳥異伝」荻原規子
そんなわけで、二作目を最後に読む羽目に。この勾玉三部作は基本的に輝の末裔と闇の末裔が引き合う物語で、輝の一族というのは神の血を引くもの、つまり天皇一族のことなのですけど、神様というのは慈悲深いものではない、という作者の解釈が徹底していて面白いなと思いました。ちなみに闇の方は輝の激しさを鎮めるという巫女の一族なのです。今回何が不満かといえば、ベースにされているヤマトタケルのイメージがわたしのものと違うことでしょうか。ううーん。なんというか輝側が猛々しくないのだなあ。まあでも、シリーズのなかでは一番大人っぽいのかな。

■「六番目の小夜子」恩田陸
なんといってもタイトルが好き。タイトルと学園ものの怪談と聞いただけでお腹いっぱいになりそう。基本的に怪談は面白くても面白くなくても好きなので、よしあしはよくわからないのですけど、以前にドラマで見たものなので役者たちを思い出しながら楽しみました。そうだなあ、出来はそんなによくないのかもしれないなあ。終盤の方の文化祭の劇が印象的で、それで持っているような気も。キャラクタは主人公が定まらなくてちょっと中途半端。ドラマではキーを握る人物を栗山千明が演じていて、読みながら彼女を思い出して、それが一番恐ろしい気もするのでした。


2004年08月29日(日)


■「ツ、イ、ラ、ク」姫野カオルコ
この人については、なんだか興味を持てないでいたのですけれど、”文学賞メッタ斬り”の記事を読んで読む気に。想像以上に面白かったです。恋愛小説と言われているけれど、恋愛ものを読みたいと思っている人は一番向かない読者だと思う。なにしろ小学生2年生から物語は始まり、中学卒業までの日々が延々と続くのだ。あの年代の恥ずかしい妄想とか勘違いとか、変な人間関係とかがずっと。色んな子どもたちが丹念に描かれていて感心しました。特に作者の女の子へ向ける目が非常に冷静で冷徹なので、このひとはグループから外れていたか、目立たないようにそうっとついてまわるような(でも気の強い)文学少女タイプだったのではないかなと思ったり。

最後の章はどう考えてもおまけのようなもので、必要ないというひとも多いと思うのですが、なんだか痛いような気分になったのでした。同級生が一同に会する場面があって、地元とかそういう連続性に。友達はいても、地元というものがないもんな。

文章がひたすら気持ちよく、上手だなと思いました。時おり作者の言葉が入ってくるのが笑えました。登場人物に呼びかけてどうする(笑)。でもかなりの力作には違いないので、直木賞取れなくて残念でした。じゅうぶん賞に値する作品だと思います。


2004年08月31日(火)


■セーフ。
HPの移転告知の申し込み、すべり込みセーフ。ほーっ。2年間ぐらい表示してくれるそうなので、それはよかった。そんなわけで、インフォウェブのデータはきれいさっぱり消えてしまいました。

■夢の話といえば。
起きたばかりのときには、夢と現実の区別がつかないときがあって、夢のなかで人が言ったことを現実でも言われたような気がして、しばらく笑ってしまったり。

今日はモリマサさんを中心にコトバコの人たちが出てきて、わいわいと何か話していたのですけれど、忘れてしまいました。彼女らにまじって、幼なじみも出てきて、「一泊でタイに行くんだー」とわたしが言うと、「一泊なら沖縄にしたら?」とたしなめられた…。ちなみに日にちは9/18・19で、たぶん鳥取砂丘のことが頭にあったんだろうなあ。鳥取とおいよ!行かないよ!水木しげるロードがコースに入ってないからやだよ! とかね。コトバコのメンバーでさんざん話していたから(笑)


2004年09月01日(水)



父親が酔っ払ってお風呂に入ったあとは、タオルが床に落ちていたりして荒れているのですけれど、昨日はたいへんなことになってました。水出しっぱなし!

あーびっくりした思って、止めてタオルを掛けなおして、さて、と思ったら石鹸が父のカミソリ入れの箱にぴったりはまり込んでました。で、石鹸入れに戻したら鏡の下に洗顔フォームが落ちていたので、拾ってみると蓋がない…。えーと思って振り返ると反対側にちぎれ飛んでました。他には大丈夫かと思ってどきどきして見回したら大丈夫そう…。と、湯船の蓋を開けたら洗面器がぷかぷか浮いていました。ひゃー。怖かった…。

■南の島の恋の歌 Cocco
絵本の出版を記念した原画展に行ってきました。本当はCDだけ欲しかったのです。えげつないなー河出書房。

地下鉄を使うと渋谷は新宿より安く行けることが最近わかったので、少し渋谷が好きになりました。迷子になったけれど。「誰も知らない」をあわよくばついでに見ようと思って、シネ・アミューズへの角を曲がったらベッキーがいた…。後姿だったんですけど、わかるもんですね。何かの撮影をしていたんですけど、行く先が途中まで一緒だったので少し映ったかも。案の定、映画は見れなかったです。まだ混んでますね。

あきらめて原画展をやっているパルコへ。階段に並ばされるのですけど、上がっていったら(地下1階から)3階に着いてしまい、空腹だったのでその場はあきらめました…。みんな考えることは同じだなあ。仕方なくご飯を先に食べて、「LOVERS」を観ました(ごめん!観ちゃった!)。この感想は明日の日付で。

映画館を出て、覚悟を決めてふたたびパルコへ戻り、今度は最初から3階までエスカレーターで昇りました。わたし賢い!と思ったら、列は地下と一階の間で終わっていて、無駄に階段を下りる羽目になりました…。間抜けな一日でしたけど、CDも買えたし映画もいちおう観れたし、何とか目的を果たせてよかったです。

て、ここからが肝心なのですけど、Coccoの絵はすごかったです。びっくりした。本と全然違う。CDが目的だったので、ついでのつもりだったのですけど、これは観てよかったと思いました。絵本だけを買っていたら、それほど好きだと思わないまま持っていたかもしれない。渋谷パルコPART1地下一階、9/8日まで。


2004年09月03日(金)


■timetrain3
いよいよ明日あさってとなりました。ひー。明日は6時半起き。開演の頃には真っ白になっているかも(笑)。

■受付でキキの知り合いです、と仰っていただければ2500円になります。


2004年09月06日(月)


■timetrain3 終了しました
ご来場くださった方、本当にありがとうございました!

満身創痍でございます。力仕事と、階段から滑り落ちたので、筋肉痛なのか打ち身なのか微妙なんですけど、とにかく体中が痛い…。ふくらはぎの裏側に真一文字の痣ができてました(笑)

いちばん嬉しかったのは漫画家の西島大介さんにイラスト入りのサインをもらったこと。コトバコの女の子たち皆が買って、サインをもらって、きゃあきゃあ言って、結局わたしたちは類友なんだなあと可笑しかったです。

そうそう、後で気づいたのですが、折りたたみ傘の柄の部分が割れてしまいました。慌てたり疲れていたりすると絶対失敗するんですよねえ。でもまあ、前にいた大下さんを巻き込まなくてよかったです…。ほんとによかった…。うへ。