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2006年04月26日(水) |
死の知らせ/「困った」「困るな」 |
今話していたことを忘れてしまう。 いや、いままで経験していたことも思い出せないことがある。
これではいけない。 これでは私自身が語り部としての役目を続けていくことができなくなくなる。 そろそろ、次を考えねばならない時期が来たようだ。 わが弟子の中で私が語り継いできた物を引き継げるもの そして、今まで見つけられなかったものを見いだしてくれる者を選ばねばならん。 私の忠実な弟子たちではいかん。
はて、今何を考えていたか・・・?
これではいけない、思考がとまらぬうちに継ぐ者を決めねば。 「これよりひと月の間、アークを教育する。」
一番歳若い、ほとんど新参者と呼ばれるような弟子ではあるが彼女であれば 私が求める語り部となってくれるであろう。
すでに死の知らせを受け取っている私にはひと月ですべてを伝えることができるだろうか。
なんであたしかな・・・ よりにもよって・・・いろいろ記憶するのが得意ってだけでここに来ただけなのに。 この前の人生論で反抗したから? いやがらせ?
嫌がらせにしちゃ大掛かり過ぎだしねぇ。 だって人生がループしてるってなんかの本で読んだ気がするし 誰かが言ってた気がするんだもの。だからつい
「それって誰の受け売りですか?」って言っちゃったのよねぇ。
一ヶ月も缶詰?それだけじゃなく今まで以上におぼえることも多くなる?
信じらんない。無理無理っ! 「困ったなぁ」
「どうなさいましたかな?アーク殿」 「っ!!いえいえ、何でもございません兄弟子殿」 「光栄なことなのです。しっかり学びなされ」 「は、はい」 「これより一ヵ月後に継承式が行われます。あなたの手となり足となって各地へ行ってくれる者も見つけなければなりません。 心当たりがなければ私が選りすぐりますがいかがかな?」 「・・・・・・こ、心当たりはありますのであたって見ますです、はい。」
独り言もいえないのかよ〜 あせるじゃん急に声かけられたらさ〜
旅に出てくれる人ねぇ・・・あ!いるじゃんうってつけのがさっ♪
「え〜〜〜〜〜〜〜っ!? 姉ちゃんが次の語り部?」 「しっ!うるさいよ。でね、アルク頼まれてほしいのよ。」
「ねえちゃん!すごいね!!おいらもここで働けるの!?」 「うんうん、でね、あんたの仲間も連れてきてほしいのよ。」 うれしそうに楽しそうに有無を言わせない態度で迫るアーク。 笑ってるときのほう怖ぇんだよな。こいつ。 でもな、今の俺には旅もいいかもしれない。
「え?いいの?そんなことできるの?」 「助手に人数制限ないから、あんたたち冒険好きじゃない。いろんな国に調べに行ってほしいのよ。」 「そっか、それは任してよ。いつから旅に出ようか?」 「いろいろここで準備してどこの国にもいける許可証ができてからだから1週間はかかるかな。」 「わかった。おいらも町でいろんな必要なもの探しとくよ。」 「うん、よろしくね。」
とはいえ、困るなぁ。一人旅じゃないのかよ・・・ 「ねえちゃんにはあんなこといってきたけど、仲間集めなんて今できる状態じゃないんだよなぁ」
「回り続けるものなのだよ」
そう師匠は言う。 こうしてあたしが語り部の仕事を選んだのも 生まれる前から決まっていたのだ、と
「いや、今生に生まれる前も同じようにわしとアークこのようにして話していたかもしれん」
「勿論そのときは語り部ではなかったかもしれん。大工だったかもしれんし宗教家だったかもしれん。それでも今と同じようにお前と自分たちの 仕事の役割について議論しあっていたのだろう。」
同じ道の上をただひたすらぐるぐると回っていると言うのだろうか?
じゃあ、家族も?と思いかけたとき 「わしらの周りにいるものもみな同じようにまわりつづけるのじゃ」 「ねじって作った輪っかを真ん中で切っていくとできる形がわかるかね?」 ああ、∞なかんじ?と手で示すと 「そうじゃ、その形それがわしらの時間じゃ。いつまでもとまらぬ。死んでもなお止まらぬのじゃ」 「とまらない?」「そうじゃ」
終わりのない輪の中でわしらは歩き続ける、喜怒哀楽を繰り返し、生と死を繰り返し、その輪の中から抜けられぬのじゃ。 抜けることができるとすればそれは道をそれたときじゃろう。 道をそれると今の姿を保てなくなる。何に変化するかはわしもわからん。もしかするとこの姿が道をそれた姿やもしれん。 どうかな、そんなことを伝えるためにわしらは各地の御伽噺やらを集めて語り継いでいるのだとは思わんか?
あまりに難しくあまりに単純な話で混乱した。 あたしたちは常に同じ方向へいつ何時も同じ輪の中を回り続ける栗鼠と同じだと言うのか?
お題追っかけ再開w ただし主人公たちが町から出られるかどうかはそのときの気分しだいなので あしからず・・・
って、もともと自己満足型の物書きだからそれでよいのだよねw
2006年04月16日(日) |
Anniversary〜その3 |
すっかり面倒になっていた。 10代のころのようにいちいち2人の時間を持つことが。 それに反して彼は記念日が好きだった。
初めて会った日 初めて出かけた日 初めてひとつになった日
こまごま覚えていた。 忘れがちなあたしに腹を立てる彼
彼の誕生日にあたしは姿を消した。
2006年04月15日(土) |
Anniversary〜その2 |
いろいろ夢があった
一緒にいる時間が好きだった 一緒にいる時間が幸せだと思っていた
幸せだったからか記念日にこだわることはなくなっていた
それでもお互いの誕生日は一緒に居たかった
彼は自分の誕生日、あのこと会っていた
2006年04月10日(月) |
Anniversary〜その1 |
女の子の好きなもの 甘いもの わがまま 記念日 おしゃれ プレゼント・・・
あたしは記念日が好きだった。 なんでも記念日にしたがった。 であった日も 告白した日も 初めての日も
全部が記念日 スケジュール帳には記念日がいっぱい。
それでも誕生日にお別れを言った。 そして記念日が増えた。
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